韓国のバス乗車レポートをもう一本。
ソウル市内にある龍山駅からセマウル号に乗ってやってきたのは益山駅。
全羅北道の北西部に位置する小さな町で、KTXも停車する主要駅になっています。
この駅前にある小さなバス乗り場から、少しだけ市外バスが出ているのでこちらを利用します。
日本人などほとんど利用しないバスの切符売り場で、英語と韓国語を交えて何とか切符を購入しました。
今回乗車するのは全州へ向かう短距離市外バスです。
全州は更に東の内陸へ行ったところにある全羅北道の道庁所在地です。ビビンバなどが有名ですね。
全州にはKORAILの駅もあるのですが中心部から離れていることもあり、中心部のバスターミナルへ向けて益山駅から直通の市外バスが運行されるようになりました。
窓口の方が親切にも発車時間を教えてくださり、それまでにここに戻ってくれば大丈夫ということで、少し駅周辺で時間を潰して再びバス乗り場に戻ります。
戻ってくると既にバスが入線済み。全州行きの市外バスはヒュンダイのエアロシティによる運行でした。
エアロシティはヒュンダイが三菱ふそうからライセンスを取得して生産している路線バス車両で、ソウル市内をはじめ、韓国国内各地の路線バスで使用されている車種です。
三菱のエアロスターMを思われる顔つきが特徴ですが、こちらは旧モデルで、現在はモデルチェンジをして違った顔つきになっています。
この車両は市外バス仕様なのでトップドアで、座席数も多く確保された仕様です。
車内に入ると4列のリクライニングシートが並んでいます。
本当に西鉄や名古屋地区で走っている路線バスタイプの高速車のような内装ですね。
補助席等はなく、高速を走る関係でシートベルトは完備されています。
バスは益山駅を出ると一般道を5分ほど走り、益山市外バスターミナルに到着。
ここは益山の市外バス、高速バスの拠点となっており、益山駅から出る全州行きのバスは時間1~2本程度ですが、ここからならば10分おきに出ています。ここでは各地からの乗り換え客が大勢待ち構えており、車内はたちまち満席に。しかも立席まで出る始末に…韓国でも高速道路では着席乗車が定められていますが、法律が制定されたのが最近とあってまだまだ地方都市では黙認されているようです。
益山市外バスターミナルを出るとまたしばらく一般道を走り、その後高速道路へ。
高速道路では100キロ前後の高速型顔負けの走りを展開します。路線バス型ながらそこまで出力不足という感じはありませんでしたね。
30分と経たないうちに高速走行は終了し、全州市街地へ入ります。
市街地のいくつかのバス停に停車し、割とまとまった降車があります。中心部へ直行できるメリットが生きていますね。
そして益山から50分程度で終点の全州市外バスターミナルに到着。終点は商店が広がっていて、地方都市の中心部という雰囲気です。バスターミナルも活気づいており、ひっきりなしにバスが出入りしていました。
益山と全州を結ぶ市外バスを利用してみましたが、KTXの停車する益山と全州の中心部を直接結ぶことで利便性が大きく向上し、全州へのアクセスがより便利になっていることを実感しました。韓国は駅とバスターミナルが離れていることが一般的で、かつバスターミナルの方が中心部に位置しているので、このような取り組みはとても素晴らしいと思います。
とはいえ、今の所はまだまだ高速バスなどからの乗り換え客が多く、益山市外バスターミナルからの乗車が圧倒的に多いことがとても印象的でした。これからの更なる発展に期待したい路線ですね。