間食とダイエット
「間食をすると太る」と考える人は多いでしょう。近年、間食して太りにくくする「ヘルシースナッキング」というダイエットの概念が注目されています。ヘルシースナッキングとはどのようなものなのかお伝えします。

近年注目されているヘルシースナッキングは、アメリカで注目を浴びてから日本に上陸した新しい概念です。まずは、このヘルシースナッキングとはどのようなものかをご説明します。
ヘルシースナッキングとは
ヘルシースナッキングとは、日本語では「健康的な間食習慣」を言います。これは、食事と食事の間が長く開くことによる遊離脂肪酸の放出を防ぎ、大食いや極端な空腹を避ける効果が期待できる概念です。海外では、すでに多くの人が間食の習慣をとり入れており、健康にいいとされる食品やブランドが話題を浴びているといわれています。
間食と肥満度の関係
アメリカと英国で実施された研究で、40~59歳の男女2385人を対象に、1日の食事回数が4回未満と6回以上の人のBMI数値、および1日の総摂取エネルギー量を比較したものがあります。その研究によると、まずBMI数値に関しては、食事回数が4回未満の人より6回以上の人の方が6%低いという結果が出ました。総摂取エネルギー量に関しては、食事回数が4回未満の人より6回以上の人の方14%低いという結果も出ました。ここでは、食事回数が多い人の方が太りにくい傾向にあるということが言えます。間食をすると太りやすいという通説は確実ではないといわれています。
間食に期待できるダイエット効果
なぜ1日6食以上を食べた人のほうが太りにくい傾向があらわれたのか疑問に思われるでしょう。その理由には、こまめに食事をすることによって血糖値の急上昇を防いでいることがあげられます。食事をすると血糖値が上昇しますが、そのときにインスリンという物質が分泌され、血糖値の上昇を抑えます。しかし、インスリンは余った糖を脂肪に変えて蓄えてしまう働きがあります。食事と食事の間隔が空いてしまうと、血糖値が急激に上昇し、合わせてインスリンが多く分泌され、太ってしまうのです。そこで、食事と食事の間隔を埋めて、血糖値の急上昇を緩和させる概念が出てきました。それが間食です。定期的に間食をとることによって、インスリンの大量分泌も抑えることができ、太りにくい体質にすることができると考えられます。
間食の食べ物を選ぶポイント
実際にはどのような基準で食べ物を選べばよいか、主なポイントとして以下の3つがあげられます。
糖質をほとんど含まないもの
炭水化物に含まれる糖質が少ない食べ物は、太ることがあまりないといわれています。注意したいのが、炭水化物を控えるのではなく、糖質のみを控えるということです。炭水化物には、糖質だけでなく食物繊維も含まれています。食物繊維は、腸内環境を整え、新陳代謝をよくすることから、ダイエット効果が期待できます。したがって、炭水化物全体を控えてしまうと、食物繊維も摂取しないことを意味してしまうのです。
低カロリーのもの
糖質制限ダイエットでは、カロリー数は制限しなくてもいいとされていますが、あまり気にせずに食べてしまうのも問題があります。カロリーは、人が運動するうえで欠かせない要素ですが、運動せずに消費されないと脂肪として蓄積してしまうとされています。150~200kcalを目安に食べると問題はないといわれています。これは、日本人の1日に摂取するカロリー数の10分の1程度とされています。間食するときには、総カロリー数も考慮して選ぶといいでしょう。
砂糖の食べ過ぎにも注意
砂糖を食べると、ドーパミンといった快楽物質が分泌されます。これが過剰に分泌されると、依存性を引き起こす可能性があります。依存症になると、より甘いものを食べたいという欲求にかられ、悪循環を引き起こしかねません。砂糖の中でも、精製された白砂糖が依存性を引き起こしやすいものといわれています。間食の食べ物を選ぶときには、砂糖があまり含まれていないものを選ぶようにしましょう。
ヘルシースナッキングにぴったりな食べ物
代表的な間食にいい食べ物として、以下の4品があげられます。
ナッツ類
ナッツ類は低GI食品といわれています。GIとは「グリセミック・インデックス」のことをいい、食べたものが体内で糖に変化するときの血糖値の上昇スピードを表す指標です。これが低いものは、この上昇スピードが緩やかで、高血糖になりにくいとされています。注意したいのが、栗やカシューナッツです。ナッツ類と一緒に同封されていることもありますが、これらには糖質が多く含まれているので、ダイエットには向いていないとされています。ナッツ単品の商品を選ぶようにしましょう。
無糖のヨーグルト
ヨーグルトには食物繊維がたっぷりと含まれています。食物繊維は、上記でもご説明しましたが、腸内環境を整えて、新陳代謝を活発にさせる効果が期待できます。積極的に食べるようにしましょう。ただ注意したいのが、砂糖が含まれているヨーグルトは控えることです。パッケージ裏の食品表示を見れば、砂糖が含まれているか含まれていないかが確認できるので、購入するときには食品表示を見るようにしましょう。
大豆製品
納豆や豆腐といった大豆製品もおすすめです。大豆製品には、「大豆イソフラボン」というものが含まれています。これは、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きがあるので、女性の体にいい物質とされています。また、納豆には食物繊維が豊富に含まれているので、腸内環境・新陳代謝の改善も期待できます。甘いものを控えたい人にはおすすめです。
間食しても太りにくくする方法がある
間食をとることにより、血糖値の急上昇を抑えて太りにくい体質を作ることができます。この新しいヘルシースナッキングという方法を参考にして、間食を楽しんでみてください。