黒酢の主成分である酢酸から作られるクエン酸は、体内でどのような働きをしているのでしょうか。クエン酸が生命活動に必要なメカニズムとその効果について、「クエン酸サイクル」をメインに解説します。

黒酢の主成分「酢酸」
黒酢の主な成分「酢酸」は、喉にツンとくる刺激のある味が特徴的です。この酢酸は体内において「クエン酸」に変化し、疲れを生じさせる乳酸を分解します。このため黒酢は仕事や勉強、スポーツの後などの疲労回復に効果を感じられるのです。
生命活動に必要な「クエン酸サイクル」
(1)「クエン酸サイクル」とは
生命がエネルギーを作り出すための体内燃焼システムで、このサイクルが回らないと生物は生きることができないほど重要な仕組みです。このクエン酸サイクルは、イギリスの生化学者ハンス・アドルフ・クレブス博士によって発見され、この功績によって博士は1953年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。
(2)クエン酸サイクルが必要な3つのポイント
- 心肺機能を高めることで、血液中へ酸素を取り入れやすくする
- 血行を良くして、酸素やエネルギー源を細胞の中へ取り入れやすくする
- 細胞の代謝を活発にすることで、乳酸を溜まりにくくする
心肺機能を高めるためには、適度なウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も効果的です。また血行を良くし細胞の代謝を活発にすることで、乳酸の生成をできるだけ減らすようにし、クエン酸を効率的に使えるようにします。
(3)クエン酸サイクルが回らなくなると…
クエン酸サイクルのなかでクエン酸は最初に生成されるため、体内で不足するということはほとんどありません。しかし、不規則な生活や栄養の不足した食事などでクエン酸サイクルの働きが鈍くなると、エネルギーを作り出せなくなります。そのため摂取した糖や脂質、タンパク質も燃焼されず「代謝が悪い」状態になってしまいます。
このような場合には、クエン酸サイクルを活性化させるために黒酢などでクエン酸を摂取して代謝を上げ、エネルギーを効率良く作れるようにするとよいでしょう。またクエン酸は単体で摂取するよりも、エネルギーを作り出すために必要な「ビタミンB群」と一緒に摂取すると効果が高まります。