L-チロシン(チロリン)は、フェニールアラニンという必須アミノ酸から合成される非必須アミノ酸で、体内で作られます。代謝に関係がある甲状腺ホルモンにかかわるアミノ酸で、自立神経の調整に効果があります。

L-チロシンとは
L-チロシンは非必須アミノ酸ですが、食物にも豊富に含まれています。
りんごを切っておくと赤くなるのはL-チロシンが空気に触れて酸化するからで、タケノコをゆでると白い粉が付くのはL-チロシンが結晶化するからです。また、チーズやバナナ、アボカドなどにも含まれています。
L-チロシンは、アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質や、甲状腺ホルモンや髪の毛、メラニンの原料になります。甲状腺ホルモンは代謝に関係があるため、ダイエットにも利用ができます。
甲状腺ホルモンとL-チロシン
甲状腺ホルモンは、人間の成長や代謝には欠かすことができません。
甲状腺ホルモンが不足すると、代謝が低くなり、むくみ、疲労、食欲不振などが現れます。逆に、過剰に分泌されると、動悸、息切れ、大幅な体重減少、手のふるえなどが起こります。
甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても、健康に支障がでます。
L-チロシンが不足すると、十分な量の甲状腺ホルモンが作ることができないので、代謝を高める上でとても大切なアミノ酸ということになります。
L-チロシンで代謝を高める
体の代謝を高めると、エネルギーの消費量も上がります。
代謝の高い体は、日常的に自然と脂肪を燃焼させてエネルギーを生産しています。その脂肪燃焼が活発な代謝の高い体を維持するためには、甲状腺ホルモンの正常な分泌が必要でL-チロシンが重要になってきます。
脂肪燃焼効率のよい体質にし、溜めておいた体脂肪を燃やさないと、やがては肥満になるかもしれません。
ただ、同じようにL-チロシンを原料としているものにはメラニンがあります。メラニンは紫外線が当たると肌を黒くする色素ですから、L-チロシンを摂りすぎると色黒になる可能性もあります。
サプリメントなどで摂取する場合は注意が必要です。