旦那のあの笑い……やっぱり「女」がいるんだろう…


証拠があるとしたら携帯……?旦那の携帯………



そういえば最近のトシ(旦那の名前です)、ずっと携帯をルームウエアのポケットに入れっぱなしだ……。




(仕事関係の電話がきたらすぐに出られるようにしてんのかな……?)



とは思ってたんだけど……。



違うのかな………
なんかあるのかな…?



そう思ったら、もう私の頭はトシの携帯のことでいっぱいになってしまった…。



どうにかして携帯を見たい…。



今までこんなこと、考えたこともなかったのに……。



今まではトシを信じてたから…。



でも今は、「女がいる」。そう思ってしまった…。



確かめたい!



あの日から………
私はトシの全てを疑っている…。



トシの言葉ひとつ、行動ひとつを



(何か怪しいサインがあるはず!見逃すもんか!)



と、毎日毎日神経を尖らせて過ごしている……。



きっと私のそんな気持ちは、態度にも出てるだろう……。



わかっていても、今の私には今の自分をどうすることもできない………。



あの日、トシが一晩中、どこで誰と何をしてたのか……知りたい……。



私はトシの携帯を盗み見ることを決めた。



携帯を見ることができるのは……………入浴中!!!



私はそう思い、トシがお風呂に入っている間に、携帯をチェックすることにした…………。



トシがお風呂に入るまでの時間、悪い事をするようで、ドキドキしていた。



「風呂入ってくる」



トシがお風呂場へ向かう………。



私はTVを見ながらも、神経はお風呂場に集中していた。



「バタン」



お風呂のドアが閉まった。



「シャーッ」



シャワーの音が聞こえる……。



私はソーッと脱衣所に入り、トシのルームウェアから携帯を抜き盗った。



そのまま寝室へ………。



心臓が、今までにないぐらいバクバクしていた………。



落ち着くために、フーーーッと大きく息を吐き、トシの携帯を開けた………。
「さっ、聞かせてくれる?」




私が聞くと




「だから……飲んで、仲いい人達でキャバクラ行って、終電に乗り遅れたから、マンガ喫茶で寝てたんだよ」




淡々と話すトシは、余裕の表情だ。




「じゃあ、なんで連絡くれないの?」




「盛り上がってたから………一緒にいた連中に悪いじゃん」




「何?一緒に行ってた人達は、トシが結婚してるの知らないの?」




「知ってるけど………俺が奥さんに電話したら、シラケるでしょ?」




「他の人達は独身なんだ?」




「そうだよ」




「だから、電源切ったんだ?」




「………………」




「みんなの居る場所で電話しずらかったら、トイレからでも電話できるんじゃないの?」




「…………………」




「『ゴメン、今盛り上がっちゃってるから、また電話する』とかナンとか、連絡しようと思えばいくらでも出来るよね?」




「………………」




「それをしなかったってことは、する気が無かったってことだよね?」




「………………」




トシは黙り込んでいた…………。




当たり前だ。私は間違ったことは言ってない。
反論出来るわけない。




私は続けた。




「私からの電話が、迷惑に感じる程楽しかったんだ。」




この言葉にはトシが答えた。




「そうだよ」




私はその一言にムカッとして




「そうだよね!キャバクラの女の子は、相手喜ばせるのが仕事だもんね!楽しくなかったら詐欺だよね!よっぽどかわい~い子がいたんだねぇぇぇ!」




と、一気に言葉を並べた。




「なんで?この前『キャバクラ行った』って言った時にはそんなに怒らなかったじゃん?」




トシが聞いてきた。




私はその言葉で、話の筋が反れていることに気がついた…………汗




「私が言いたいのは、キャバクラがどうとかじゃなくて、何で連絡が取れなくなるのかってこと………。


一昨日のトシは、浮気してるって思われてもおかしくないよ!」




「確かに……そうだよな……」




「そうでしょ?あんなふうに一晩中連絡つかないなんて、フツーじゃないよ!」




「……………」




「私………一睡もできなかったんだよ………


なのにトシは、帰ってくるなり一日中寝てて………


悪いことしたと思ってるなら、何よりも先に、私に頭下げるべきじゃないの?


ちゃんと説明するべきじゃなかったの?」




私がそこまで言うと、




「ゴメン………」




トシは頭を下げた。




けど……………




何だろう…………




違う…………




そう感じた時




トシは笑った………




何か…………




安心した……?ような………




(!!!!女だ!!!)




直感だった……。
結局……………そのまま朝を迎えた…………。




私は、トシの無断外泊と、昨日一日のトシの態度に、かなりムカついてイライラしていた。




そんな気持ちでトシを駅まで送ると、いつものように「行ってきます」のKissをしようと、トシの顔が近づいてきた。




私はそんなトシが余計に頭にきて、刺々しく言い放った。




「イ・ヤ・ダ!!!」




するとトシが




「ねぇ~怒ってるの?(笑)」




その言葉と




笑った顔に




「プツッ!」




キレた…………。




「怒ってるに決まってるでしょ!いつになったら話してくれるの?いい加減にして!

まさか、このまま知らん顔してすまそうなんて思ってないよね?!」




私のあまりの剣幕に、トシはやっと真剣な表情になった。




「今夜、話すよ………。行ってきます…。」




そう言って車から降り、出勤していった。




私は頭にきて仕様がなかった。




無断で朝帰りしておいて、その理由を話そうともしない。




私の顔を見て謝ろうともしない。




ヘラヘラしてごまかそうとして…………。




平然と、いつもと何も変わらない生活を送ろうとしている。




私は、あの夜の自分の気持ちと、トシのなんとも悪びれていない態度を思うと、腹がたって腹がたって、おかしくなりそうだった。




(トシは、ちゃんと話す気があんのか?私に対して、誠意を見せるかな…………。)




男として、誠意を見せて欲しかった。




私は、トシの外見よりも、正直な所や私を大事にしてくれる所に惹かれた。




周りから




「旦那さんカッコイイね」



そう言われることもあったけど、私はいつも




「私は、トシの顔が好きなワケじゃないんだ。
 トシはね、私が生まれて初めて、心から信頼できた人なんだよ。」




と、話していた。




なのに……………。




なんで……………。




(お願いだから、私の好きなトシのままでいてよ!ちゃんと話して!)




今までのトシと違うから、怒りが治まらないし、悲しくもなってくる。




そんなことを考えながら、一日を過ごした。




夜、トシからいつものように




手紙「〇時にT駅到着です。お迎えお願いします。」




と連絡がきた。




駅へ向かう…………。




いつもの場所に車を止めると




トシが改札から出てきて、助手席に乗った。




「話………だけど…………」



「子供達が寝てからにしよ。ゆっくり聞きたいから。」




車内は無言のままで、家に着いた。




子供達の前ではいつものママでいたかった。




(フツーに、フツーに)




そう思いながら子供達を寝かしつけた。




そして…………




私は……………




トシと向かい合って座った…………。