忘れがたき奄美の皆様
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2008年当時
奄美大島の森林保存に尽力し固有種・絶滅危惧種の保護に貢献されてきた方の案内
奄美大島農林水産の振興に貢献され奄美のGPS林道測量・地理・自然・歴史・民俗に造詣の深い方
住用総合支所長
奄美大島住用に生まれ奄美の海と川と山で育ち奄美市の振興に多方面で貢献されてきた方
湯湾岳山腹の細道を花トレッキングすることができました。
憧れの奄美大島最奥部手つかずの原生林。夢がかないました。
登山口の石碑
あまみこのそのかみのみよにあまおりしふるきつたえのゆわんだけうるわし
忘れがたい湯湾岳雲霧林の細道
2008年3月に続き、2009年3月にも奄美大島に行きました。
3月28日に湯湾岳の山腹にある細道を案内していただきました。
雨が降ったり止んだりの半日。
奄美大島の最高峰である湯湾岳。
奄美大島の人々が霊山と崇める奄美岳。
アマミセイシカ、アマミエビネなどの野生蘭、イジュ、スダジイ、イスノキ、イシカワガエル、アマミノクロウサギ、キスジボタル(キイロスジボタル)、オオトラツグミ、オーストンアカゲラ、アマミヤマシギ、ルリカケス。
貴重な動植物が生息する原生林の奥地を体感することができました。
奄美大島の三大河川の一つも案内してくれました。
渓流の対岸にアマミセイシカの高木。
白く気高い花をいっぱい咲かせていました。
渓流には落下したアマミセイシカの花びらがたくさんありました。
石垣島と西表島を旅した後に、奄美大島に行きました。
2009年3月28日(土)の朝は、あいにくの小雨。
待ち合わせ場所の「住用村地域特産物販売所(サン奄美)」
裏手にある駐車場に行きました。
5名が集まりました。
2台に分乗しました。
1台は花トレッキングの終点。
1台は花トレッキングが始まる場所。
湯湾岳山腹に分け入る前に、けんむんの呪文を唱え、安全祈願。
山腹に分け入ると、かすかに人の踏み跡が作ったような細道が続いていました。
足下にハブが潜んでいないかどうか。
木の上にハブがいないかどうか。
用心しながら歩を進めました。
イタジイの倒木があります。
マングース駆除の罠がしかけてあるところには、目印がついています。
ナンゴクホウチャクソウ。シラタマカズラ。ツルグミ。亜熱帯性の照葉樹林帯。
巨木が小雨をさえぎっています。
小雨が風に乗って煙り、原生林は霧に包まれていました。
ときおり小雨が止み、ときおり霧が晴れると、高木の大枝にシマオオタニワタリが見えます。
サクラツツジの高木がありました。
木はだが明るく天に伸びている木がありました。
シマサルスベリです。
根本付近が幹というよりは塊のような巨木がありました。
「ヤマグルマです。」
「樹齢150年くらいですね。」
日本の広葉樹で導管がないのはこのヤマグルマだけのようです。
原始的な木とされているようです。
トリモチが採取できるようです。
サネンバナ。ヒメアリドオシ。リュウキュウハナイカダ。コンロンカ。オオシマヒサカキ。リュウビンタイ。
立ち止まって、木の名前を教えてくれます。
「猪落としです。」深めの穴がありました。
「古いものですね。新しく掘られた猪落としは深く、枝や葉で覆われています。人が落ちるとはいあがれない場合もあります。」
トクサラン。ツルラン。レンギョウエビネ。指を指して、教えてくれました。なんという幸せ。
「ありました。エビネです。」雨に濡れた2枚の緑色の葉。すらりと伸びた茎に白い花がいっぱい。
「アマミエビネです。」
株や場所によって、そして、咲き始めの場合は、白い花にかすかに赤みを帯びたアマミエビネもあるようです。
奄美大島の最高峰。
聖なる山腹にひっそりと咲く野生のアマミエビネ。
私の心はときめきました。
北関東から大海原の上空を飛行して訪ねきた奄美大島。
その最奥部の原生林で今目にしている野生のアマミエビネ。
奄美大島の方々との出会い。
雲霧林の花と細道との出会い。
純白のアマミエビネとの出会い。
生きていることと旅することのすばらしさをかみしめました。
白いキセルのような茸のような植物がありました。
「ギンリョウソウです。」
ギンリョウソウは高地や北国に特有のものだと思っていました。
北八ヶ岳や奥会津の駒止湿原などで見かけるからです。
湯湾岳山腹標高500Mから600Mくらい。
約3KM。トラバースするように2時間くらいトレッキングすることができました。
思ってもいなかった得難い体験となりました。
「夢」は「夢以上のものとなって」実現するものです。
この感動と感激の記憶が薄れかけてきた5月14日に
「奄美大島農林水産の振興に貢献され奄美のGPS林道測量・地理・自然・歴史・民俗に造詣が深い方」から、氏製作の「湯湾岳花トレッキング」のDVDが届きました。雨まじりの雲霧林。薄暗い原生林。なのに画像は鮮明です。気品のあるバックミュージックが感動を増幅させます。湯湾岳原生林で見たアマミエビネやシマオオタリワタリなど雲霧林の風景が、脳裏に蘇ってきました。
2024年3月27日 茨城県 81歳