10月も半ばとなりました。
まだ、新型コロナウイルスの感染が、収まっていません。
感染対策は、引き続き必要です。
今回は、進む円安で、細る外国労働力、ドル建て賃金4割減についての紹介です。
日経新聞によると、
円安が外国人労働者の獲得に影を落としている。
米ドル換算の賃金は過去10年で4割減り、アジア新興国との差は急速に縮まっている。
建設や介護など人手が必要な業種で「日本離れ」が始まった。
労働力確保には魅力ある就業環境の整備が急務だ。
ベトナムで現地名門大と日本での就職を希望する建設技術者の育成講座を手掛けるNPO(非営利法人)、MP研究会(東京・千代田)では、2019年に約50人の募集に5倍程度の応募があった。
今秋予定する同規模の募集は定員割れの可能性があるという。
大きな理由は円安だ。
直近2年、円はベトナム・ドンに対し20%以上下落した。
日本の外国人の建設技術者の賃金はここ数年、月20万円程度で推移する。
この間、ベトナムの賃金は10~20%上昇し、比較的高度な建設人材は月約2500万ドン(約15万円)に高まった。
MP研究会のベ・ミン・ニャット氏は「賃金格差の縮小で日本のステータスが低下している」と話す。
今春から群馬県内の介護施設で働くフィリピン人女性(23)は約20万円の給与のうち3万円を母国家族に送金する。
「仕送り金額の目減りに不安を感じる」という。
フィリピン人労働者の海外送出団体、APLATIP(マニラ市)の幹部は「近年の円安で、日本より高賃金で英語も使えるオーストラリアなどに人材が流出している」と明かす。
ドル建てでみた日本の賃金は低下が著しい。
今年の円の急落を20~21年度の平均賃金に反映すると12年度比4割低下した。
日本の非製造業の平均賃金を100とするとハノイやマニラは20~30でまだ差は大きい。
ただ、建設技術者や看護人材の水準は50~70程度で差は縮まっている。
人材業界では「1人当たり国内総生産(GDP)が7千ドルを超えると日本への労働力の送り出しが減り、1万ドルを超えると受け入れ国に変わる」といわれる。
実際、中国がそうだった。4千ドル前後のベトナムが7千ドルになるのは5年後とみられているが、円安が進んだためにこのラインが下がった可能性がある。
21年の国内の外国人労働者は全労働力人口の2.5%に当たる約172万人。
過去10年で約2.5倍に増えた。
国籍別では長くトップだった中国の比率がじわじわ低下。
20年に初めてベトナムが上回った。
ネパールなどの後発国も近年伸びている。
各国の賃金水準が上がるごとに日本での就職を望む国は狭まっていく。
円安で人手不足感が強まるリスクが大きく、全国鉄筋工事業協会(東京・千代田)の岩田正吾会長は「賃金改善を進めなければ、建設現場は止まりかねない」と話す。
すでに鉄筋工では2割が外国人だ。
国際協力機構(JICA)は政府の成長目標達成には40年に現状に比べ約500万人の追加受け入れが必要とみる。
日本では技術移転が名目の技能実習生や留学生が多く、最低賃金の仕事が中心だ。
日本人と同等の賃金で単純労働者を受け入れる特定技能制度も始まったが、負担を恐れ技能実習を選ぶ企業も多い。
外国人の平均賃金は国内平均より25%低く、賃金上昇につながる制度作りも課題だ。
賃金以外の魅力づくりも不可欠だ。
平均的な外国人労働者の所得税率は10%(控除などは除く)。
母国に比べ税率が上がるベトナム人やフィリピン人は多い。
人材サービスのフォースバレー・コンシェルジュ(同・千代田)は9月、ネパールで介護人材などに日本語研修を行う施設を開業。
在日外国人の生活相談に対応するコールセンター開設も計画する。
柴崎洋平社長は「黙っていても外国人材が来る時代ではなくなる。迎えに行く発想が必要」と話す。
以上です。
少子高齢化対策は、待ったなしです。
外国人労働者にも、魅力ある職場にする必要があります。