春爛漫の季節となりました。個人的には花粉症の季節が終わり、とても過ごしやすくなりました。


今回は、介護労働環境向上奨励金について紹介します。


介護関係に携わる関係者の方には、介護職員の職場環境の改善や労働環境の向上をすること対する助成金ですから、ぜひ検討をお薦めする助成金です。

3回に分けて詳しく紹介します。


そもそもこの助成金は、以前も取り上げた介護労働者設備等導入奨励金 が4月1日より内容を拡充し、名称を変更したものです


(介護労働環境向上奨励金の概要)

介護労働者の身体的負担の軽減、賃金など処遇の向上、労働時間などの労働条件、職場環境の改善などの雇用管理の改善を総合的に進め、介護労働者の労働環境の向上を図った事業主のための助成金です。


事業主が行った雇用管理改善の内容に応じて、次の2種類の助成金があります。


介護福祉機器等助成)

介護サービスの提供事業主が、介護労働者の身体的負担を軽減するために、新たに介護福祉機器を導入し、適切な運用を

行うことにより、労働環境の改善がみられた場合に、介護福祉機器の導入費用の1/2(上限300万円)を 支給します。

この助成を受けるには、あらかじめ「導入・運用計画」を作成し、都道府県労働局の認定を受けることが必要です。


【 雇用管理制度等助成 )

介護サービスの提供事業主が、介護労働者の福祉の増進を図るために、雇用管理改善につながる制度等を導入し、適切に実施することにより、一定の効果が得られた場合に、制度等の導入に要した費用の1/2(上限100万円)を 支給します。

この助成を受けるには、あらかじめ「雇用管理制度整備等計画」を作成し、都道府県労働局の認定を受けることが必要です。



(2つの助成金支給までの流れ)


1.介護福祉機器等助成について


① 導入・運用計画の作成・提出

提出期間内に、本社の所在地を管轄する

都道府県労働局へ提出


② 認定を受けた導入・運用計画に基づく 介護福祉機器の導入・運用


③ 介護福祉機器の導入効果の把握

(一定の導入効果がなければ奨励金は支給されません)


④ 計画期間終了後1ヵ月以内に奨励金の支給申請

本社の所在地を管轄する都道府県労働局へ提出


⑤ 奨励金の支給

(導入費用の1/2【上限300万円】


2.雇用管理制度等助成金について


① 雇用管理制度整備等計画の作成・提出

提出期間内に、本社の所在地を管轄する都道府県労働局へ提出


 認定を受けた雇用管理制度整備等計画に基づく雇用管理制度の導入・適用


 介護職員の定着状況の確認 

(定着率が一定以上でなければ奨励金は支給されません)


④ 計画期間終了後1ヵ月以内に奨励金の支給申請

本社の所在地を管轄する都道府県労働局提出



⑤ 奨励金の支給

(導入費用の1/2【上限100万円】



(奨励金の支給対象となる事業主の要件(2つの助成金共通))


以下の全てに該当する事業主であることが必要です。

● 介護サービスの提供を業として行う事業主であること(他業種との兼業も可)

● 雇用保険の適用事業主(企業単位)であること

●「介護労働者雇用管理責任者」を選任し、事業所内に周知を図っていること

● 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿などの法定帳簿類を備え、都道府県労働局の要請により提出できること

● 都道府県労働局が行う審査や必要に応じ実施する現地確認に協力すること

● 導入・運用計画、または雇用管理制度整備等計画の提出日の6ヵ月前から、事業主都合で労働者を解雇 (退職勧奨による離職を含む)していないこと

● 労働保険料を滞納したことがないこと

● 過去3年以内に助成金の不正受給をしていないこと

● 本奨励金と同一の理由により、他の助成金を受給していないこと

● 過去に労働関係法令に違反したことがある場合は、送検処分を受けていないこと。また、行政機関の是正 指導を受けて改善していること


介護労働者雇用管理責任者とは

介護事業所における「介護労働者の雇用管理の改善への取り組み」「介護労働者からの相談への対応」「その他介護労働者の雇用管理の改善等に関する事項の管理業務」の担当者です。これらの取り組みを通じて、介護労働者にとって魅力ある職場づくりのお手伝いをする役割を担います。事業所ごとに「介護労働者雇用管理責任者」を選任し、氏名や役割を掲示するなど職場全体に周知してください。


以上第1回目は、ここまでです。

次回は、介護設備の導入に対して助成する介護福祉機器等助成について詳しく紹介します。