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-発症から3年2ヶ月-
4連休をとり私の故郷に帰りました。
元気になり遠足気分の妻は、
前日に買いだめした駄菓子を食べ、
時折、後部座席のデグーに、
「おーい、元気か?
」
![予防](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/601.png)
と問いかけながらうとうとしていきます。
そしてパーキングの螺旋の遠心力で起きます。
「おい!大丈夫か
」
![あんぐり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/598.png)
「ただのカーブや、いつもそれやん」
「気をつけろよ
」
![あんぐり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/598.png)
実家に着くと母ひとり、
「この前バックありがとう」
「あのバック病院に行く時、ちょうどいいわ」
最近、送ったバックの件です。
「お婆ちゃんデーサービスに遊びにいっとる」
「お父さんは給食配給の仕事」
「お母さんはニートね」
実に早い本日の自己紹介。
妻と母はコーヒーを飲みながら、
「初日の保護室が床とトイレの穴だけで」
「組織に監禁されたと思ってました」
「えーベットないん?え、ぼっとんなの?」
「そういえば先生」
「部屋が空いてなくてとか言ってた」
「そうなんですよ、床も冷たくて」
「次の日は服全部取られて連れてかれて」
「もう終わったと思いました」
「なんやー初日から病室みたいやと思ってた」
「外から見える場所は綺麗やったのよ」
「よう頑張ったね、私なら頭狂うわ」
「もともと狂ってたんで大丈夫でした」
「地下にはもっとすごい場所があるんですよ」
という感じで、
今まで妻が言わなかったような話を、
楽しそうに笑いながら話していました。
妻がトイレに行ってる間に、
「雰囲気も話し方も元に戻ったね」
「なんか楽しいわ」
と母は嬉しそうにしていました。
祖母が帰宅して、
「あのバックちょうど良かったの、ありがとね」
父も帰宅して
「あのバック色々入るでええんやわ」
とみんな同じような事を言って、
使っているぞアピールを妻にしていました。
夜は定番の鰻屋さん、
次の日の朝は山の中の喫茶でモーニングです。
道中も母と妻がよく喋っていました。
私は懐かしい街並みに身を委ね、
元の世界に戻ってきた実感を噛み締めました。
帰り際、
「そういえばあのパズル完成したから持ってって」
と急に渡されました。
妻が病気になる前、
私がモネの絵が好きと聞いた妻が、
どこかで買ってきたパズル。
妻の看病をしながら母と進めていましたが、
妻が急性期になり3年も止まっていたものを、
前回帰郷時に持って帰って母に渡していました。
「働いてないからすぐ出来たわ」
「すごい、私には絶対無理です」
「え、自分で買ってきたのに…」
「私は暇やで集中できるの」
父が選んだ綺麗な額縁、
足りなかったピースを取り寄せ、
今回渡すために完成させたのだと思います。
妻がすぐに飾ると言うので、
玄関のところに飾りました。
妻の調子を気にすることもなく、
今回はただただ普通に帰郷できました。