-発症から2年2ヶ月後-
妻が幻聴を聴くために、
どこか一点を見つめ意識を集中する、
そう言う顔をする頻度が少しずつ減りました。
視界に手をやれば、
ふと我に帰った様に、
少し笑顔の表情に戻る。
急性期の頃は、
声をかけても、触れても、
視線は変わらず幻聴に集中して戻りませんでした。
その他にも、
回復の兆しを至る所に感じる様になりました。
話し方も少しずつ元のはやさに近づき、
スマホでネットサーフィンをしたり、
興味の範囲が戻りつつありました。
栄養療法も続け、
ナイアシンも1日2500mgは飲んでいました。
ナイアシンフラッシュは、
カプセル型からタブレット型に変えることで、
飛躍的に減りました。
買う時に間違えただけの偶然でしたが、
今でもタブレット型を飲んでいます。
私から幻聴の有無を聞くことはしませんでしたが、
ふと妻が友人としていた電話の中で、
「最近、怖い声も聞き取りづらくなって…」
と話しているのを聞き、
少し安心した記憶があります。
ただ、この時の会話の中で、
幻聴が聴こえにくくなっている事を、
少し残念そうに話していた事が不思議でした。
幻聴は不安や寂しさ、孤独や劣等感、
そういうものから逃避するために、
自分で作り出したものなのかもしれません。
そこに自覚はなくとも、
何かの防衛反応だとしたら、
確かにそれがなくなることは本人にとっては、
少し不安なのかもしれません。
幻聴はエラーなのか制御なのか、
つくづく思います、人間は難しいなと。