存在価値 -急性期- | 妻と私の異世界生活

妻と私の異世界生活

2020年の春
妻が統合失調症を発症

突然、異世界に放り出された妻と私の闘病記録

急性期、休息期を経て回復期に入り安定したのも束の間、2023年の夏、妊娠発覚と同時に再発

いつかこのブログが誰かの助け舟になります様に。



-発症から6ヶ月後-


離婚届事件の後、



少し落ち着いたのか、


次の日私がソファーに座っていると、


でんぐり返しで体当たりをしてきました。





「なんか、どうでも良くなってきたぞ」


おそらく束の間の躁状態だったのですが、


半年近く姿を表さなかった元の妻が出てきた事が、


この上なく嬉しかったことを覚えています。





まだどこかに妻がいることに、


少し安心したのだと思います。





でもそれは本当に束の間の喜びで、


その後も、


陽性症状が容赦なく妻に襲いかかりました。





その頃は、


私が会社から帰るといつも、


幻聴と会話しているか、


幻聴の言葉を必死にメモしていました。



「旦那が働いているのにお前は怠けている」


「旦那に釣り合わない」


「掃除が下手くそ」


「料理が下手くそだから旦那が病気になる」


「お前は他の病気だ」


「ブス、デブ、整形しろ」


「お前が仕事しないから破産する」


「俺のことを旦那に言ったら殺す」



四六時中、こんな幻聴と闘っていたようです。


旦那に言ったら殺すと言われているせいで、


幻聴の内容をあまり私に話しませんでした。





幻聴の言葉をそのままリピートすることがあり、


その時初めて内容を知ることが多かったです。





四六時中の幻聴によるダメージは蓄積し、


1週間に1回は発狂して泣いていました。





そんな中でも、


1週間に数時間だけ、


元の妻の様になることはありました。





退院して3ヶ月経った頃、


私が会社から帰宅すると、


「今日、会社説明会に行ってきた」


「え?いきなりどうした?働くの?」


「1日中家におると批判されるし怖いから」


「まだ早い気がするけど…まず先生に相談しよう」


原因は幻聴だろうとわかっていました。





それにしてもすごい行動力…


幻聴も妄想もあり定期的にパニックを繰り返す中、


会社説明会を予約して面接に行く妻…


強迫観念だろうかと心配でした。





次の通院日に先生に尋ねると、


「少し早いけど、頑張ってみますか」


「ただ、条件は3時間以内、週3回までにしてください、少しでも嫌になったら辞めること、約束してくださいね」


と、意外にもあっさり容認した先生にびっくりしました。


当時の私の知識は、


統合失調症で、働ける人は20%程度


働けても再発して辞める人が多いというものでした。


先生は多少のリスクは容認するタイプで、


「色々経験する事で病識もでてきます」


とも言っていました。





しかし…


そのリスクを背負うのは私…


気が気ではありませんでした。





そして1週間後、


派遣社員として働くことになった妻。


時間は19時〜22時、週3回、景品の箱詰め作業


先生の言った条件を律儀に守った内容を、


よく探してきたなと思いました。





初出勤の日、


疲れ切った顔の妻が帰宅、


「なんとかできた…下手だけど…」


少しだけ嬉しそうに妻は言いました。





私の心配をよそに、


妻はこのタイミングから、働き続けます。


「働いてるとね、少し生きててもいい気がする」


「あなたといても許される気がする」


「存在価値があるように感じる」


希死念慮とは逆の、


そう言う妻の発言を聞いた私は、


そこに少しだけ希望を見いだすことにしました。





何もしないで変わらないままなら、


多少のリスクは度外視、


サポートに徹するのが自分の役割かもしれないと、


覚悟を決めました。





そこから数週間で、


案の定仕事の悩みが増えていったのですが、


その代わりと言ってもいいのか、





私が偽物という、


最もやっかいな妄想の1つが消えていきました。


現実的な悩みが、


非現実的な悩みを消した瞬間でした。



​-現在- (発症から2年半後)

今日、妻は大腸の内視鏡検査です凝視

以前健康診断で引っかかった便潜血の件です。


昨日は流動食のようなものだけで、

「腹減って死ぬぞ悲しい

とか言っていましたが、

2年前の入院中はほぼ何も食べなかった妻。


検査日は朝6時から、

モビプレップという下剤を飲み続ける為、

「腹減ってやばいから眠く無いけど早く寝るちょっと不満

「眠そうやけどニヤリ

「眠く無い、明日朝洗濯干す、おやすみ真顔


と言い、洗濯機の予約をしていました。

眠そうな妻は、思った通り速攻で寝ました。





そして私が1人の時間を楽しんでいると、

ヴィーン、ヴィーン、ジャバジャバジャバ…

「いや洗濯機回ってるやないかい!ガーン


とりあえず乾燥機を出し部屋干しの準備。




妻が入院中以来でしたが、

洗濯物を干しながら改めて苦手だなと思いました。


毎日何も言わずに洗濯してくれているだけで、

私にとっては充分すぎるくらい、

存在価値がありますと言いたいグラサン


そう言えば、

ジェラートピケ福袋のメンズは無理でしたニヤリ

開始1分で売り切れって…

今は帰郷の時の菓子土産を悩んでいます

どなたかおすすめは無いでしょうか❓

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