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-発症から2ヶ月後-
前回の続きです。
その後も急性期の激しい波が続き、
両親と私で抑えていました。
「私が悪いことしたから皆、死んじゃった」
「もうみんな偽物だから生きている意味ない」
「ごめんなさい、もうやりません」
「もしよかったら電話してきてください(幻聴に対して)、そして、わたしを殺してください」
「それでは、死なせていただきます」
などなど、幻聴が怖いのか萎縮しているのか、
幻聴に対して敬語で訴えるようになりました。
そして、何回も死のうとしました。
その度に、
「何も悪いことしてないよ」
「聴こえるだけでそれは本当じゃないよ」
「生きてれば、また楽しい事があるよ」
「きっとまた元に戻るよ」
と、何の根拠のない言葉を投げかけ続けました。
自分にもわからない未来ことで、
ただただ、
そうなって欲しいと、
自分に言っているのかと思う言葉ばかりでした。
数日後の夜、
「お父さんが殺される!」
「今すぐ呼んで!」
とパニックになりました。
お義父さんが着くまで待ちきれず、
外に出て、
「あの車が組織の人だ!」
と叫び走り出した為、父と必死に止めました。
近所の方もちらほら出てきていました。
お義父さんが着いてからも、
「やっぱり偽物だ、どうしようまた」
「私のせいで殺されちゃった」
とパニック状態。
しばらく部屋でお義父さんがなだめましたが、
落ち着かず、
4時間くらいで疲れたのか、無表情なった妻は、
「寝ます」
といいました。
敬語の時点で、
みんなが偽物という妄想が、
消えてない事はわかりました。
その夜、妻は夢遊病状態になりました。
部屋を移動しては
「よかった、やっぱり私は夫のことが好きなんだ」
と同じ言葉を繰り返し
私が起き上がると、走ってきて、
「ねぇ!やっぱり私はあなたが好きだったよ」
と何回も言ってきました。
なにかの演劇を観ているようで、
どう言う状況かわからず、
本当におかしくなったのかと恐くなり、
「どうした?起きて?」
と妻のほっぺたをつまみました。
妻は
「何でそんなことするの?」
「やっぱり好きなんだよ!病気じゃないよ!」
「神様が決めたんだよ」
と支離滅裂でした。
両親が起きてきて、
妻が両親に、
「私は浮気したと噂になってますが、違います」
と言っていました。(そんな事実はありません)
幻聴とか妄想とか夢とかもうぐちゃぐちゃだったのかと思います。
「私にはお母さんがいないので、
お母さんと呼んでいいですか?」
と、母に抱きつき泣き始めました。
後で聞いたのですが、
本当に夢遊状態で、
この時のことは何も覚えてませんでした。
そして、次の朝、
この壮絶な日々が一旦幕を引きます。