早期教育で大切な視点 | 武井義勇(kammy)のブログ

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僕は、公立小学校の教員をしています。

その中で大切にしたいことや、自分の生き方を考えてきました。それをシェアしていきたいです。

いつもお読みいただきありがとうございます😊キョウイクの探究者の武井義勇(たけいきゆう)です。


僕は早期教育には肯定的な立場でいます。実際、息子たちには早期教育を行わせてきました。

とは言っても、サッカーやピアノを習わせたり、お受験の塾に行かせたりということを積極的に行ったわけではありません。

保育園を選ぶ時には、知育に力を入れているところに決めましたし、長男は私立の小学校にも通わせています。それを知ればきっとバリバリの早期教育派に見えるかもしれません。ただ僕たちは教育環境を整えたかっただけなのです。


子供に早期教育を行う上で、僕たち夫婦が大切にしてきたことを今回はお伝えしていきます。どなたかの参考になれば幸いです。


早期教育で最も大切にしていることは

「タイミング」

です。どのタイミングかというと、子供のやる気スイッチを見極めるタイミングです。

僕たちが早期教育を行う上でほとんどしてこなかったことの1つに、半強制的な促しです。息子たちには、習い事をいくつかさせてきましたが、「これをやりなさい。」と言って取り組ませたものはほとんどありません。


僕はサッカーが大好きなので、息子二人のうちどちらかはサッカー好きになってもらって、いつか一緒にやりたいと思っています。しかし今のところ二人からは一向にその気配を感じません(笑)。それでも僕は、彼らに無理にサッカーをやらせようとは思っていません。


もちろん打診をすることはあります。「ねえ、多分あなたはサッカーをやってみたら好きになると思うよ。やってみたらいいんじゃないかな。」といった感じです。ただそれをぐいぐい押していくことはしないということです。


サッカーを好きになるかならないかは、今彼らのタイミングではないということです。



長男は小学校1年生です。普通ならば今、ひらがな練習やたし算ひき算などを学校で教わってくる段階です。

けれど長男の興味は、漢字やかけ算九九に向いているのです。ひらがなも鏡文字になってしまったり、簡単なたし算やひき算もできていなかったりするのですが、僕は漢字や九九をどんどんやらせています。


なぜならそれが今の彼のタイミングだからです。

教科書では、1年生の今の段階で漢字に取り組ませたり九九を唱えさせたりはしません。でも興味をもつタイミングを教科書に合わせる必要なんて、まるでないと僕は考えています。だって、興味をもった時が一番知識の習得に適しているからです。


公立学校では、習っていないことをやらせることが御法度になっているのが暗黙の了解です。言葉が回りくどいですね。端的に言えば、習っていないことをやると周りから叱られるのです。

しかし長男の学校ではあまりそういうことを言われないのでしょうか。先日学校公開があったので観に行ったら、息子が自分の名前に漢字を使っていたので驚きました。僕が担当するクラスでは「配り当番さんが読めないから習った漢字だけにしてね。」と伝えています。

他の子のプリントを見てみましたが、同様に漢字を使っている子がいます。これには少しカルチャーショックを受けました。


また長男は最近「5かける5は25でしょ」などと言うようになりました。はま寿司で食べていたら突然言い出したので、思わず25皿も食べたいのか?と思ったのですが、どうやらそうではなかったようでホッとしました。


かけ算九九にも興味が湧いたのかなと思ったので、僕は次の日早速九九表を用意しました。長男はそれには見向きもしないでぬりえに夢中になっていましたが(笑)、まあそれでもよいのです。目に触れさせておくということが大事だと考えるからです。


先日帰りの遅いママに、自分でテスト問題と回答を作り「採点して点数を書いてね。」という置き手紙をしていました。見ると、漢字やアルファベットがいくつも書いてあります。まだ小1の今の段階では習わない「花」や「森」なども書いてあったので、どこで覚えたのだろう?と不思議に思ったくらいです。


正しく書けてはいない文字もいくつかありましたが、それでもまあいいかと思いました。こういった意欲をもつことが大切だからです。それに触発されて、年中の次男もアルファベットを書いていたので、大したものだなと思いました。



その次男ですが、5月の上旬に自転車を漕げるようになりました。また、5月の中旬には長男も通っている体操教室に通い始めました。


次男にはずっと、「自転車乗ろうよ〜」とか「◯◯は絶対体操得意だって。やってみようよ。」と打診し続けてきましたが、全く食指が動かない期間が何ヶ月もありました。

それが突然、スイッチが入ったように「やりたい!」と言い出したのです。


やりたいと言った瞬間がチャンスです。ここを見逃してはなりません。自転車に乗りたいと言い出したのは、保育園のお友達が自転車の練習をしているのを見たからであり、体操教室に通おうと思ったのは、保育園の同級生の中で唯一逆上がりができそうだと気づいたからです。

彼は負けず嫌い。負けるのが嫌なので最初から戦わないことを選ぶことが多いですが、自分が少しでもできると思ったことには急にやる気を出す傾向にあります。

彼は完全に煽てると木に登るタイプでして、ちょっとできたことを大袈裟に褒めると満更ではない顔をします(笑)


そんな彼ですが、ようやく自転車と体操に興味スイッチが入りました。あれだけ僕が推しても動かなかったにも関わらず、スイッチが入った瞬間にやる気が漲ってきたのです。


そこからほぼ毎日、自転車と逆上がりに付き合わされることとなりました(笑)。仕事で疲れて帰ってきているのに、晴れた日は自転車で公園に行くのがルーティンとなりました。


でもここが早期教育の大事なポイントなのです。ここを絶対に逃してはなりません。やる気になった瞬間を見極めて、一気に行動に移していきます。


次男が自転車に乗り始めてから数日後、僕は新しい自転車を買ってあげました。元あった自転車では小さすぎるのと、安全性に不安があったからです。このような時の僕たちの行動はかなり早いです。一気呵成に畳みかけます。


体操も、難しい技をどんどん教えます。「次男は運動能力が高いからできるよ。」などとさりげなく煽てながら、側転や空中逆上がりを教えるわけです。



長男は一時期恐竜にすごくハマりました。その時には恐竜グッズをたくさん買い与えました。

次男は国旗を覚えることにハマりました。その時には国旗カードを買い与えて、家族みんなで覚えました。


保育園では歌に合わせて都道府県を覚えさせてくださったし、英語も毎日のように行ってくれました。

そうやって興味をもてるような工夫をしつつ、興味スイッチが入ったらどんどん環境を整えていくようにしたのでした。


その結果すごい子供たちに育ったかと言えば、全然そんなことはありません。特別何かの能力に秀でることもありません。


ただ1つこの接した方をしていて良かったと思っている点は「興味のあることに集中して取り組む姿勢が身に付いた」ことです。


息子たちは、興味をもったことにぐんぐんと向かう力をもっています。誰かにやらされることであっても、やってみようとする気持ちをもつことができていますし、特に何かの指示や声掛けがなくても勝手に何かしらの活動をします。


僕はそれでいいかな、と思っています。特別何かのプロフェッショナルになって欲しいと思っているわけではなく、「生涯学び続ける土台づくり」をしたいだけなのです。

学びが楽しいことだと分かっていれば、自然と勉強をするようになります。勉強することによって能力が高まることも確かに大切なことですが、それ以上に大切なのは考える力を養うことです。


未来は誰にも分かりません。この先どうなるのか不安に苛まれることもあるでしょう。けれどそんな未来に向けて唯一できることは、学んだり考えたりしながらその時を乗り越える力を育むことです。


僕が早期教育に大切だと思う視点はそこです。子供の興味関心をもつタイミングを見計らい、必要となれば環境を整えていくこと。そうすることが、考え続ける人を育てるために大切なのです。


能力を高めるのではなく、意欲を育てる。それが早期教育に求められる最たるものではないでしょうか。


僕の考えが正しいかどうかは分かりません。ただ僕はそう考えるというだけです。どなたかに共感いただけたら幸いです。


最後までお読みくださりありがとうございました。