2割でいいから | 自分の人生の舵を取れ! ⭐︎武井義勇(kammy)のブログ

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僕は、公立小学校の教員をしています。

その中で大切にしたいことや、自分の生き方を考えてきました。それをシェアしていきます。

自分の人生の主役は自分自身です。いかに生きればもっと幸せになれるのかを追究しています。

いつもお読みいただきありがとうございます😊キョウイクの探究者の武井義勇(たけいきゆう)です。


元広島県教育委員会教育長の平川理恵さんがVoicyを始めました。お名前は以前から存じていましたが、何となく「キャリアばりばり」の匂いがして、あまり深入りしたことはありませんでした。


けれどVoicyをいくつか拝聴しているうちに、僭越ながら「考え方が似ている」と共感することが多数ありました。特に僕が共感した部分は、オルタナティブ教育への考え方です。


今日は、平川さんのVoicyに共感したことを基に考えたことをシェアします。


僕は日本の公立学校に限界を感じています。もう保たないと思っています。それは様々な点で思うところですが、一つ一つに言及するのは割愛します。


その限界の1つに「一斉一律の指導」というものがあります。この教育形態で長いこと学校教育が為されてきましたが、もう今の時代に合わないことが多くなりました。

情報が溢れた現代では、選択肢が非常に増えたために「自分に合わない学校に通い続けるメリット」も見えにくくなってしまいました。不登校30万人時代。これは正に子供からのボイコットの意志です。


一斉一律の指導方法は、「安価に、同時に、効率的に、大量に」教育するには非常に優れたメソッドです。そして日本の教育界にはこのメソッドを極めたような教員が綺羅星の如く存在します。


優秀な教員が多くいたお陰で(せいで)、一斉一律の指導法のデメリットに目が向きにくくなってしまったのが、この問題の奥深い罪です。日本の多くの学校は、この問題に気づくことなく教育活動を進めてきてしまいました。


一斉一律の指導法の最大のデメリットは、それが合わない子に対応できない点にあります。


クラスに30人いたら5人くらいの子供は何かしらの不都合を今の学校に感じています(と僕は捉えている)。発達障害・HSP・低学力・家庭的な問題による情緒不安定等、環境的に厳しい子がいるわけです。


今の学校システムでこの問題に対応するには、あまりにも資源が少なすぎます。それこそ平川さんのような教育長がトップにいれば変わる可能性がありますが、平川さんのような人財も資源の1つです。


つまり、今の学校資源ではこの問題を解決することはほぼ不可能です。


僕はこれまで、教員のマインドセットや日本の教育の変革を訴えてきましたが、これは遅々として進みません。だからもっと大きな改革を行わなければ変わらないように感じます。


平川さんは、自腹でオランダに視察に行き「イエナプラン」を学んで来られたそうです。イエナプランはオルタナティブ教育の1つですが、ここでは詳しくは書きません。

僕が驚いたのは、オランダではどこの学校でもイエナプランを導入して取り組んでいると思っていたのですが、オルタナティブ教育の普及率が2割くらいだということです。詳しく調べていないから正しい情報かどうか定かではありませんが、おそらくオランダであっても一斉一律の指導法をとっているところは多くあるのではないかと考えられます。


ということは、「全ての学校をオルタナティブにする必要はない」と思ったのです。


僕はこれまで、全ての学校の変革を求めてきました。しかしそれは現実的ではありませんでした。今考えることは「2割でいいから、オルタナティブな教育機関を設ける」案です。


一斉一律教育システムの一番の問題なのは、合わない子供たちに対応できないこと。つまりは「選択肢が他にないこと」が最大の問題であると考えられます。


多少なりとも選択する幅があれば、今苦しんでいる子供たちが救われる状況が生まれるかもしれません。だったらそのような教育環境を作ってしまうのはいかがでしょうか。


学校の中に、特別支援教室というものが併設されているところも多くあります。この言葉がよくありませんね。ここで行うことを、オルタナティブなものに変えてしまえばよいのではないかと思うのです。

低学力だからとか、発達障害だからではなく、今の学校システムに不適応を起こしている子供が気軽に通えるクラスにしてしまえばよいのです。


僕の感覚によりますが、一斉一律の教育システムの中でも不自由なくやれていける子は7割強程はいます。残りの2割〜3割くらいの子供たちが不適応を起こしてしまいがちです。この子供たちに選択の幅をもたせるのが鍵になると考えました。


きっとお金の問題などがあって、特別支援教室等もどんどん増やせない状況にあるのかもしれません。そこを僕は多少なりとも保護者負担にしてもよいのではないかと考えました。

「準公立学校」として、私立までは学費は高くないけれど、その三分の一くらいの学費で通わせることができる学校。そういったものができればよいと考えました。今はフリースクールなどがこの役割を担っています。


一番現実的なのが、今ある特別支援教室を拡充していくことです。次に、フリースクールを準公立学校として国が認定許可をすることです(卒業証書も出る)。さらには民間委託をして、私塾にも機能の一部を担ってもらう方法が考えられます。


そのようにすれば、オルタナティブな教育を今より2割増やすことができるのではないかと妄想したわけです。


人は、選択肢が与えられるとそれだけで安心するものです。心にも余裕が出来て、生きやすくなります。


今の不登校等の問題は「選択できない」ことが最大の原因です。この問題を緩和するためにも、選択肢を与えることは理に適った方法なのではないでしょうか。


僕は革命を起こしたいわけではありません。日本の学校教育は非常に優れた部分を多くもっています。だから根本から変える必要はありません。


ただ、あまりにも選択肢がなさすぎるのです。他の道を選ぼうにも、けもの道しかなくて足を踏み入れるのに躊躇してしまうような状態です。一本道が正しいと周りから言われても、私はその道に行きたくない、別の道を行きたいという人もいるのです。


そのような人はおそらく2割。この人たちにも生きやすい社会を創っていくことは、全ての人にとって生きやすい社会を創ることに繋がると僕は考えます。


2割でいいから、学校教育システムが変わって欲しい。僕はそう願っています。


最後までお読みくださりありがとうございました。