「山中人事労務オフィス」のブログ

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「山中人事労務オフィス」のブログです。

社会保険労務士として、サラリーマン時代の経験もふまえて、ブログに書かせていただきます!

先日、JRA(日本中央競馬会)のYouTube番組『イチロー×武豊 夢の対談』を見ました。異なる分野で活躍しながらも、継続という点で共通点を持つお二人の話はとても興味深く、何かを続けるためのヒントが詰まっていました。

 

お話の中で、特に印象的だったのは、それぞれのトレーニングスタイルが全く異なる点です。

イチローさんは「毎日決まったルーティーンメニューをこなす努力継続型」。自身のことを「天才型と思われがちですが、実は努力を積み重ねるタイプです」と語り、ルーティーンを守ることでコンディションを整えています。

 

一方、武豊さんは「気分次第、その日の体調次第でメニューを決める天才型」。決まった型にははまらず、その日の自分がやりたいトレーニングを選ぶ柔軟なスタイルです。

 

イチローさんは、「自分には決まったことを継続するのが合っている」と語り、ルーティーンを守ることが自然と習慣になっているそうです。それに対し、武豊さんは「気分に左右されても良い。それでも結果を出せるのが自分のやり方」と話し、自由さを大切にしていることが伝わってきました。

 

どちらの方法も成功に至る道ですが、どちらが良いかはその人の性格や考え方に合ったものを選べば良いのだと感じました。

 

一方で、意見が一致していたのは「過度の筋トレはNG」ということでした。

イチローさんは、若い頃に筋力をつけてパワーを得ようと取り組みましたが、筋肉がつくと身体が硬くなり、スピードが落ちたり、可動域が狭くなったりすることを実感。その後は、気持ち良いと感じるトレーニングや可動域を広げるためのメニューに切り替えたそうです。

 

武豊さんも同じように、20代の頃に筋トレを試みましたが、柔軟性が損なわれることを感じ、それ以来取り入れていないそうです。二人とも、しなやかな身体や可動域の確保が、自身の競技でのパフォーマンスに直結すると考えています。

 

この対談から学べるのは、トレーニングだけでなく、何かを続けるための「継続のコツ」です。

 

イチローさんのように「決まったルーティーンを守る」方法もあれば、武豊さんのように「その日の気分や体調に合わせて柔軟に変える」方法もあります。どちらも重要なのは「自分が無理なく続けられるスタイルを見つけること」です。

 

イチローさんが「気持ち良いと思えるトレーニングだからこそ続けられる」と語るように、楽しさや快適さを追求することで、継続が習慣化します。

 

武豊さんの「自由さ」も、継続性の視点が感じられます。自由度高く日々の取り組みを積み重ねることで、継続が習慣化します。

 

この二人の哲学は、仕事や趣味など、私たちの日常にも応用できそうです。

例えば、自己研鑽の時間を設ける際、イチローさんのように「毎日同じ時間に本を読む」ルーティーンを決める方法もあれば、武豊さんのように「今日はこのテーマを調べてみよう」と柔軟に変化を楽しむ方法もあります。

 

どちらの方法を選ぶにせよ、「続けること」が成果を生む鍵であることは間違いありません。

 

トレーニングや日々の取り組みを継続するのは簡単なことではありません。しかし、イチローさんと武豊さんという二人のレジェンドの話から、「無理をせず、自分に合った方法で気持ち良く続ける」ことの大切さを学びました。

 

皆さんも、この対談を参考に、自分自身の「継続の極意」を見つけてみてはいかがでしょうか。

社内で新しい制度や取り組みを導入しようとする際、「デメリットが多いのではないか」「本当に効果があるのか」という懸念の声が上がり、なかなか話が進まないことはよくあります。

例えば、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入したいと考えていても、「生産性が落ちる」「どうせ誰も使わない」といった理由で見送りになってしまうことも経験上少なくないと感じます。

 

こうした状況で実際に社員の声を聞いてみると、「制度を利用したいが、誰も使わないと自分だけ使うのは気が引ける」「生産性が落ちるというイメージがあると利用しづらい」といった意見も多くあります。

結果として、せっかくのアイディアが現場の雰囲気や懸念の声で潰されてしまうことがあるのです。

 

そんなときに私がよくお勧めしているのが、「実験的にやってみる」というアプローチです。いきなり正式な制度として全社的に導入するのではなく、まずは期間や部署を限定した「お試し期間」を設定して、一定期間でも少人数でも試しにやってみる!という考え方です。

 

たとえば、フレックスタイム制度の場合であれば、「まずは半年間実験導入し、週に2回フレックスタイムを必ず使う」などの形で実験してみます。

在宅勤務制度であれば、「3か月間実験導入し、週にどこか1日は全社員が在宅勤務を体験してみる」といった形です。

 

「実験的にやってみる」ことで、デメリットを心配していた幹部社員も「実験なら一度やってみようか」という気持ちになりやすく、少しずつ前向きな意見も出てきます。

また、メリット・デメリットを実際のデータとして検証できるため、主観的なイメージではなく、具体的な数値やフィードバックをもとに本格導入を判断できるのです。

このデータは、従来の制度に対する改善のヒントにもなるため、結果的に会社全体の働きやすさを見直すきっかけにもなります。

 

さらに、実験的に制度を試すことで、社員が制度に慣れたり、同僚と一緒に使うことで「使いやすさ」を実感できたりするメリットもあります。

社員が自ら率先して新しい制度を使うようになれば、組織全体での理解が深まり、制度の定着もスムーズです。

 

そして、この「実験的にやってみよう」という姿勢が社内に浸透することで、「何か新しいことに挑戦してみよう!」という前向きな風土が醸成されやすくなります。

たとえば、新規顧客の開拓や新しい事業の企画など、これまで停滞していた分野でも、「とりあえずやってみようか」という意識が芽生え、会社全体に活気が生まれることが期待できます。

こうした前向きな姿勢が広がることこそ、「実験的にやってみる」ことの大きなメリットです。

 

なかなか新しいことができない組織であればあるほど、このように実験的にやってみるということを検討されてはいかがでしょうか。

また、一個人としても、何か新しいこと(趣味等)を始める際は、一定期間実験としてということで開始すると、気構えずにできるかもしれませんね。

心技体という言葉、

精神力(心)、技術(技)、体力(体)の総称です。

スポーツ界でよく使われる言葉ですよね。

 

この言葉はもちろん何度も聞いたことがありますが、心技体の「順番」は全く意識したことがありませんでした。

ところが先日、イチロー選手の記事を読んでいたところ、心技体の順番についての言及がありましたのでご紹介したいと思います。

 

以下、イチロー選手のコメントの抜粋です。

~~~~~~~~~~~~~~~~

“心・技・体”、僕は実は一番に来るのは“体”だと思うんですよ。“体・心・技”。

順番で言うとそうなのか、でも一番にくるのは“体”なんだよね。

“心”が整っていても、例えば“体”がそもそも動ける状態じゃなかったらできないでしょうプレー。

だから<元気でいる事はすごい大事な事>なんだよね。

僕ははあくまでも“体”が大事だと思っていて、“心”、もちろん大事なんだけれども、それは大前提として・・・。

だって、怪我していたらプレー出来ないでしょ…だからそれを大事に僕はしている。

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

そういえば、「体」が大切である言葉としては「身体が資本」「体力勝負」などがあります。

いくら知識、スキルが豊富にあったとしても、病気で働けないとどうしようもありませんからね・・・。

「無事これ名馬」という言葉も、まさに「体」の大切さを表しています。

 

このように「体」が大切であることは間違いないのですが、実際は軽視されがちではないでしょうか。

 

たとえば・・・・、

健康診断に行かない。

体力維持向上のための毎日のたった30分の運動が継続できない。

カロリーの取りすぎ、塩分の取りすぎ、お酒の飲みすぎ、などです。

 

食欲の秋、運動の秋と言います。

秋はいろいろなことに挑戦しやすい気候です。

仕事も趣味も「体」あってのことです。

将来の健康寿命を延ばすためにもこの重要性を再認識し、私もしっかりと改善に取り組もうと思います。

日本の天台宗の開祖、最澄の有名な言葉に、『一隅(いちぐう)を照らす。これ則ち国宝なり。』があります。この言葉は、私のとても好きな言葉です。

 

「一隅を照らす」とは、社会に生きる我々一人ひとりが自分の役割を認識して、自分に求められた役割を一生懸命やっていこうという意味です。

 

たとえば、その場所が華やかな場所でなくても、また、その役割は地味で注目されないことだとしても、腐らず、自分が置かれた場所でベストを尽くすことが大切。

社会の片隅であっても、その場所が輝く・光るような生き方をしよう!ということです。

 

その場所に光がともれば、自分の周辺は明るくなってきます。

一人の前向きな生き方・言動は、周囲にも必ず伝わります。

このようなことを教えてくれる言葉です。

 

なぜ今この言葉を取り上げたのかと言いますと、2024年の夏の高校野球(甲子園)で、旋風を巻き起こした島根県立大社高校の快進撃があったからです。

 

私は兵庫県西宮市出身で、小学校は大社小学校、中学校は大社中学校でした。当時から高校野球マニアだった私は、島根県の大社高校が出場するたびに、同名というだけで勝手に親近感を覚え、応援していました。

 

近年、島根県にも私学の強豪校が多く存在し、ここ約30年間、大社高校は甲子園に出場できず、でした。

毎年、新聞の高校野球の地方大会の結果欄で大社高校の文字を探して、負けていることを確認するたびに、「あ~、今年も負けたのか~。残念」と思うことが続いていました。

 

それが今年は地方大会を順調に勝ち進み、強敵の石見智翠館(かつての江の川高校です)を決勝で下し、32年ぶりの甲子園出場を果たしました。

 

甲子園では1回戦で春の準優勝校の強豪 報徳学園に勝利すると、2回戦では長崎の常連 創成館を延長タイブレークの激戦で下しました。

3回戦では東京の名門 早稲田実業をこれまた延長タイブレークの大激戦で下し、ベスト8に進出しました。

 

この早稲田実業との試合、延長の11回に無死一・二塁で、大社が勝つためには送りバントを決めなければならない状況となりました。

ここで大社・石飛文太監督は、この夏に地方大会も含めて1試合も出たことが無い「初出場」の安松選手を起用しました。

 

監督はインタビューの中で以下のように語っています。

「もちろん初出場だというのは分かっていました。ただ、あの場面で選手を集めて聞きました。『ここでバント決められる自信がある者、手をあげろ』と。そしたら、安松は手を挙げて『サード側に決めてきます』という風に言ってくれたので、私は信じるだけでした。信じました。」

監督がインタビューで、涙を流しながらこう語ったシーンを見て、もらい泣きした方々も多いのではないかと思います。

 

このしびれる場面で、ただ1人手を挙げて、見事に完璧なバントを決めた安松選手は、168センチ、64キロの野球選手としては小さな身体。

この身体でできること、自分にはバントしかない!という思いで、日々ひたすらバントの技術を磨いたといいます。

 

試合後、安松選手は『緊張はなかった。死ぬほどバントの練習をしてきたから。』と語りました。その言葉からは、彼が如何にして自分に与えられた役割をまっとうするために努力してきたかが伝わってきました。

 

その後 大社高校は準々決勝で青森山田高校に敗れはしたものの、大会を通じて高校野球のすばらしさを私たちに教えてくれました。

 

さて、冒頭の「一隅を照らす」ですが、大社高校の安松選手のバントを見て、また、その後のインタビューを見て、私はこの言葉しか思いつきませんでした。

 

彼にとっての一隅は、「バント」であり、この技術を猛練習で極めたことで、大社高校に大きな光をもたらしたと感じました。

 

組織においても、一隅を照らしている社員を見逃さず、その貢献をしっかりと評価することが、強い組織を作るための重要なポイントなのではないでしょうか。

 

大社高校の安松選手が照らした一隅の光のように、私たちも日々の暮らしにおいて、どんなに地味な小さな役割であっても、そこで全力を尽くすことが大切だと改めて感じました。

お天道様は必ずそれを見てくださっています。

 

大社高校の活躍に、大きなパワーをもらいましたので、今回のテーマにさせていただきました!

先日、大学時代の音楽サークルの同窓会を兼ねたバンド演奏会に参加しました。参加者は約20名。ほぼぶっつけ本番で演奏という感じでした。

ちなみに、私はギターやボーカルで参加しました。

 

このようなバンド会の場合、どんな曲を演奏したらいいのかということが1つの関心事ですが、私が常に思っているのが以下の3つの考えです。

 

①皆が知っている曲

久しぶりの演奏で不安を感じるメンバーもいる中で、皆の知っている馴染みの曲を選ぶことが大切だと思っています。この手の曲は、観客も一緒に歌ったり手拍子をしたりと簡単に盛り上がれるため、一体感も自然と高まります。

つまり、曲に助けてもらうことができる、それが「皆が知っている曲」です。

 

②テンポ、ノリの良い曲

テンポの良い曲は、リズムを感じやすく、演奏者全員が同じビートを刻みやすいものです。これにより、演奏中の小さなミスも覆い隠し、全員がリラックスしてパフォーマンスを楽しむことができます。さらに、観客もリズムに乗りやすく、会場全体が一体となる効果があります。

逆に、静かなバラード等は、失敗が目立ちやすく、私のレベルではリスキーです(笑)

 

③シンプルで簡単な曲

演奏時間がほどよく短く、構成がシンプルな曲を選ぶことで、集中力を維持しやすくなります。長時間演奏することは疲れるだけでなく、注意力が散漫になりがちですが、短い曲なら最初から最後までエネルギッシュに演奏を続けることが可能です。

 

これらを一言でいうと「曲に力をもらう」というイメージです。

 

私が出演したバンドは、ミスもありましたが、楽しく楽器を演奏できたとともに、長い間会っていなかった仲間たちが再び一緒に時間を共有し、昔の良い記憶を呼び起こす素晴らしい機会となりました。また、曲の力を借りることの大切さを改めて感じるものでした。

ちなみに、他バンドも上記①~③に合致した曲が大半だったので、とても盛り上がりました。

 

ところで、上記の3つの考えは、ひょっとしたら仕事のコミュニケーションにも生かせる考え方なのではないか?とふと思い、少し考えてみました。

 

①誰もが知っている言葉で表現する

職場で何かを伝える際には、誰もが知っている明瞭な言葉を選ぶことが大切だと思います。コンサルタントが好んで使うような専門用語や複雑な表現は避け、全員が理解しやすい言葉を使うことで、スムーズな理解と行動につながります。

 

②前向きな表現を心がける

音楽でいう「テンポの良い曲」は、そのリズムが聴く人の心を高揚させ、エネルギーを与えます。まさにこれは、前向きな言葉が持つ力にも似ています。前向きな言葉は、コミュニケーションの雰囲気を明るくし、職場のチームメンバーに活力を与えるからです。

 

③表現のシンプルさと明確さ

短くてシンプルな曲は演奏に集中でき、参加者も達成感を得やすいです。同様に、職場でのコミュニケーションの際、ポイントを絞り、短く具体的に話すことが大切です。それによって、メッセージの効果が高まり、誤解を防ぐことができます。

 

音楽が人々を一つにするように、良いコミュニケーションもまた、職場メンバーを強く結びつけるように感じます。

逆に、「自己満足・自己主張」に偏り過ぎると、どちらもあまりうまくいかないのではないかとも思いました。

また次回の選曲の際も考えてみたいと思います。

「人生の中で、今日が最も年を重ねた日であるが、これからを考えると最も若い日でもある。」という考え方があります。

そう、今日が一番若い日なのです。

たとえ平凡な一日であっても、今日という日は自分自身一番若く、残り日数の最も多いとても貴重な日です。これを意識しておかなければ、無駄に貴重な一日を過ごしてしまうかもしれません。

 

ということで、今日という1日を無駄に過ごさないための工夫ですが、私は「プライベートで明確な目標を立て、その達成に向けた行動を1つとる」ことだと思っています。

たとえば、「今日は30分間読書をする」「新しい料理に挑戦する」「1時間ジョギングする」など、小さな目標を立ててみましょう。

これにより、毎日が充実し、目的意識を持って過ごすことができます。

 

また、毎日の小さな進歩を認識することも重要です。

たとえ小さな一歩であっても、昨日よりも目標に近づいたと感じることができます。

たとえ後退・失敗したとしてもそれは将来の前進のための大切なステップであり、次の成功のための一歩であることを忘れないことがとても大切だと感じています。

後退や失敗は成長の一部であり、それを受け入れることで前向きに進むことができます。

 

趣味が無い人にとっては、新しいことを始めるためのいくつかのコツがあります。

それは小さな一歩を踏み出すことです。

大きな目標を設定すると、それに圧倒されることがあります。

ですので、小さな一歩を踏み出すことがポイントです。毎日15分だけ取り組む、それで十分だと思います。

0分と15分の差は、365日後には、約90時間の差になっています。

 

また、失敗を恐れないことです。

新しいことに挑戦する際には、失敗がつきものです。しかし、前述のとおり、失敗は成長の一部です。コツコツ継続することが得意な人は、失敗を失敗とはとらえず、成長のための機会ととらえています。失敗を恐れず、挑戦を続けることで、次第に成功に近づくことができます。

 

「人生の中で、今日が最も年を重ねた日であるが、これからを考えると最も若い日でもある。」という考え方は、私たちに新しい挑戦を始める勇気を与えてくれます。年齢にとらわれず、新しいことに挑戦し続けることで、人生を豊かにすることができます。

毎日が最も若い日であることを忘れずに、楽しみながら進んでいきましょう!

 

私は読書も趣味なのですが、2023年読んだ本で最も面白いと思ったのが『成瀬は天下を取りにいく』でした。読書好きの友人に貸してもらって、何気なく読み進めたところ、ハマってしまいました。

また、この本が2024年の本屋大賞を受賞しましたので、今回は本紹介と簡単な感想を書かせていただきます。

 

宮島未奈の『成瀬は天下を取りにいく』は、2024年の本屋大賞を受賞した青春小説です。

物語は、中学3年から高校生活の中で、主人公・成瀬あかりが様々な挑戦を通じて成長していく姿を描いています。滋賀県出身の作者による「滋賀県愛、近江愛」が随所に感じられ、現実に存在する学校、デパート、行楽地が登場することで、物語に一層のリアリティと親しみを与えています。

 

物語は、中学3年生の成瀬あかりが地元の大津市の西武百貨店の閉店を知るところから始まります。成瀬は、西武百貨店への感謝の気持ちから、その歴史的な瞬間を記録に残そうと決意し、西武百貨店から中継されるテレビ番組のお別れコーナーに毎日映り込むことを決めます。彼女は単に目立ちたいのではなく、心からの感謝を伝えるために行動するのです。

 

成瀬の挑戦はこれだけでは終わりません。彼女はお笑いの才能を試すため、幼馴染で親友の島崎みゆきを巻き込み、「ゼゼカラ」という漫才コンビを結成しM1に挑戦します。二人は学校の文化祭や地元の夏祭りでパフォーマンスを披露し、その才能を磨いていきます。現実の地名や行事が登場することで、成瀬の物語にリアリティが増し、読者は彼女の成長をより身近に感じることができます。

 

高校に進学した成瀬の生活も波乱に満ちています。彼女は滋賀県の進学校である膳所高校に通い、入学式には丸坊主で現れるという大胆な行動を見せ、周囲を驚かせます。この行動は、彼女の個人的な実験の一環であり、入学式に丸坊主にしたら卒業時にはどこまで伸びるのかという素直な疑問から生まれます。また、現実に存在する学校が登場することで、読者は物語にさらに親しみを感じると思います。

 

物語のクライマックスは、親友の島崎が東京の大学を受験することを決めた時です。これに対して成瀬は動揺し、一見冷静な彼女の心に初めて揺れが生じます。受験勉強が手につかなくなり、特技のけん玉もうまくできなくなるなど、成瀬の人間味が垣間見える瞬間です。このエピソードは、成瀬が他者との関係を深く考え、自分自身の成長にも繋がる重要な場面です。

 

『成瀬は天下を取りにいく』は、自己実現と個性の大切さを教えてくれる作品です。

成瀬は誰にも迷惑をかけず、誰にも嫌な気持ちにさせることなく、自分の個性を全面に出し、信念を曲げずに突き進んでいます。

我々が社会人として日々過ごしているとついつい忘れてしまう「純粋な情熱」「自分の信念を貫くことの大切さ」を成瀬は思い出させてくれます。

この本を読んだ多くの読者は、(年齢に関係なく)自分の個性を大切にしながら夢を追いかけることの大切さを感じるのではないかと思います。

ユニークなストーリーとキャラクターが、読者の心を深く揺さぶることでベストセラーとなり、本屋大賞にまで上りつめたと思います。

さくさく読み進めることができる本ですので、皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。

2024年4月10日、日本中央競馬会は1人の輝かしい星、藤岡康太騎手を若くして失いました。レース中の落馬事故でした。

35歳の若さながらも、通算勝利数800勝をあげている一流ジョッキーでした。

 

藤岡騎手の訃報から4日後の2024年4月14日に行われたG1レースの「皐月賞」では、彼が生前に調教で乗っていた馬、ジャスティンミラノが見事な勝利を収めました。

競馬の神様っているのだなと皆が思った瞬間でした。

 

このレースは千葉県の中山競馬場で行われ、戸崎圭太騎手の魂のこもった騎乗で1分57秒1の新コースレコードを樹立した見事な優勝でした。

 

この勝利は、藤岡騎手が事故の数週間前に手掛けた調教の成果でもあり、また最後の直線で猛烈に追いかけてきた2着馬を最後まで抜かせなかったのは、藤岡騎手がそっと馬の背中を押したのではないかとも言われました。

 

戸崎騎手も「最後のこの差は、康太が後押ししてくれたのだなと、康太も喜んでくれているんじゃないかと思っています。康太ありがとう、お疲れ様でした、と伝えたいです。」と涙ながらにコメントしました。

 

また、藤岡騎手の葬儀での弔辞において、レジェンド武豊騎手が人目をはばからず大泣きしながら読み上げた言葉は多くの心に響きました。

武豊騎手は「突然の別れを数日たった今でも受け入れることができません。後輩の騎手から慕われ、年上の騎手からの信頼も非常に厚く、騎手クラブの役員に早くから選ばれていました。今後、君の思いを胸に乗っていきます。われわれはあなたのことを忘れません。」と述べ、彼の人格とプロフェッショナルな姿勢を称えました。

 

ジャスティンミラノの勝利は、藤岡騎手の遺志を継ぐものとして、競馬ファンにとって感動的なものであり、今後の日本ダービーへの期待を高めるものでした。

彼の精神は、今後も多くの騎手、調教師、そして競馬ファンに影響を与え続け、彼の遺した足跡は、競馬界にとってかけがえのない宝となり、彼の物語はこれからも語り継がれると思います。

NHKの朝ドラ「ブギウギ」が終わりました。私も見ていました。

一方、BSで再放送していた朝ドラ「まんぷく」を、数年ぶりに見てしまいました。

このドラマは、インスタントラーメンおよびカップヌードルを生み出した安藤百福氏の生涯を描いています。

インスタントラーメンが大好物である私は、再放送を通じて「まんぷく」に改めて惹かれ、安藤氏の挑戦とイノベーションへの絶え間ない追求に深く感動しました。

 

安藤氏がチキンラーメンを開発した際の苦労話は、特に印象的でした。

食糧不足が社会問題となっていた時代背景の中、家庭で簡単に調理できる新しい食品としてインスタントラーメンのアイデアを思いつきました。

油で揚げることによって麺を乾燥させる方法を開発するまで、多くの試行錯誤がありましたが、安藤氏は新しい解決策を模索し続ける姿勢で、これらの困難を一つひとつ克服しました。

 

安藤氏の経験から学ぶべきは、新しい発想の追求と困難に立ち向かう精神、そして何よりも失敗を恐れず、成功へのステップと捉えることの重要性です。

 

会社組織でいうと、このような社風・文化が備わっている場合、賃金だけでは測れない独自の魅力が形成されます。

社員一人ひとりが自らの想いや意見を自由に表現し、新たな挑戦に恐れずに取り組むことができる職場環境は、職場の満足度や帰属意識を高め、それが結果的に組織全体のパフォーマンスの向上に繋がると思います。

 

採用難や人材難が大きな課題である現代において、安藤百福氏の挑戦は、組織の真の魅力を教えてくれているような気がします。

オープンなコミュニケーション、失敗を許容する文化、個々の成長を支援する仕組みなど、社員が自らの信念を持ち、それを貫くことができる社内文化の形成は、組織の持続的な成長とイノベーションに不可欠です。

 

今の日本では、なかなか賃上げに踏み切れない中小企業が大半だと思います。

「まんぷく」を通じて安藤百福氏の生き方に再び触れ、労務管理において賃上げ以外に大切なことがたくさんあるという点に気づかせていただきました。

プロ野球のキャンプも終わって、オープン戦に入っています。シーズン開始が待ち遠しいです。

果たして、阪神タイガースの「アレンパ」は達成されるのか!

 

さて、昨年2位の広島カープの新井貴浩監督ですが、選手たちとのコミュニケーションや指導方法において、独自のアプローチをとっています。

その中でも特に注目されるのが、彼の使うプラスの言葉と、兄貴的な立ち位置でのマネジメントです。

 

このキャンプでは、新井監督の指導法が注目されました。

例えば、若手選手たちとのコミュニケーションにおいては、新井監督は一人ひとりの特徴や課題を把握し、彼らの成長を促すための前向きなアドバイスを丁寧に行っています。

 

キャンプ中の練習で、若手選手が技術や戦術に関する疑問や不安を相談すると、新井監督は積極的に耳を傾け、適切なアドバイスや指導を提供しています。

また、新井監督は選手たちに対して厳しさを示すこと以上に、前向きな言葉を使って彼らを鼓舞しています。

 

例えば、練習中にミスをした選手に対しても、「次は成功するように頑張ろう」といったような励ましの言葉を常にかけ続けています。つまり、プラスの言葉を使い、自信を持ってプレーできるように励ましているのです。

 

一方で、ベテラン選手たちに対しては、経験を生かしたアドバイスを重視しています。

キャリアを積んできたベテラン選手たちに対しては、彼らのプレースタイルや戦術について深い理解を示し、彼らの強みを最大限に活かすための助言や戦略を提供しています。

また、時にはベテラン選手たちとの個別の面談を通じて、彼らの役割期待を伝達し、具体的なアドバイスを行っています。

 

新井監督の指導方法は、若手選手とベテラン選手の両方に対して適切なサポートを行うことで、チーム全体の成長と結束を促しています。

彼のリーダーシップやコミュニケーション能力は、広島カープの選手たちにとって大きな心の支えとなっていることでしょう。

 

このように、新井監督は選手たちと同じ目線で接し、時には兄貴的な立ち位置で、彼らの心情や状況を理解しようとしています。よって、選手は安心して試合に臨むことができるのです。

少し難しい言葉でいうと、チーム内の「心理的安全性が高い」ということです。

 

心理的安全性の高い組織では「リスクを取ること」が奨励されます。たとえそのチャレンジが失敗に終わったとしても、その試み自体が価値あるものとして認められる、そんな組織です。

広島カープの選手たちは、シーズンに入ったら、たとえば盗塁や進塁等について、失敗を恐れずどんどん攻めていくのではないでしょうか。

 

失敗を責めず、チャレンジを褒める組織は、一致団結しますので実力以上の成果を上げる可能性があります!

 

主力選手がFAで抜け、決して戦力的に充実しているとはいえないカープが、新井監督のもとどのような戦いをするのか。

特に優勝候補の阪神タイガースにどのように挑むのか。

今シーズンのプロ野球が楽しみであるとともに、彼の指導法から学ぶことも楽しみにしています。