2026年夏の甲子園も智辯和歌山の優勝で幕を閉じました。熊本の有明高校の旋風など、見所が多い大会でした。
さて、今回は鹿児島代表の神村学園にスポットを当てます。神村学園は1回戦で東筑(福岡)に5対1で勝ち、2回戦は佐野日大(栃木)に1対3で敗れました。
神村学園といえば、ここ数年、全国でも上位を狙える強豪校になりました。
2023年、2024年と夏の甲子園でベスト4に入り、今年も全国制覇を狙えるチームだったと思います。
ですから、2回戦敗退という結果は、選手たちにとっても、応援していた方々にとっても、本当に悔しかったはずです。
しかし、試合後の神村学園の振る舞いが、とても話題になりました。
勝利した佐野日大の選手たちがグラウンドを去る際、神村学園の選手たちは小田大介監督を先頭に、相手校の選手1人1人に頭を下げ、「勝ち進んでください」「頑張ってください」と声をかけて見送りました。
中には、涙を流しながら、涙をこらえながら挨拶する選手もいました。
簡単そうに見えて、なかなかできることではありません。
高校野球を50年近く見ている私でも、敗れたチームが全員で、勝った相手チームの選手ひとり1人を見送る姿は、ほとんど記憶にありません。
少なくとも、ここまできちんと全員で相手を称える場面は、私は初めて見たかもしれません。この姿だけでも、神村学園というチームが何を大切にしているのかが伝わってきました。
さて、以前、私が神村学園の試合をラジオで聴いていた時のことです。
アナウンサーが、小田監督に「勝つチームの作り方」を質問した話を紹介していました。
小田監督は、こういう趣旨のことを話されたそうです。
他のチームも、神村学園も、みんなしっかり厳しい練習をしている。
その中で最後はやっぱり「運」なのかなと。
すごく良い当たりでも、野手の正面に飛べばアウトになる。
一方で、悪い当たりでも、うまく野手の間を抜けることがある。
野球には、そういう「運次第」の場面がある。
大切なのは「運だから仕方ない」と思うのではなく、できるだけ運が向くように日々行動することである。
神様も、毎日お参りに来る人と、お願い事がある時だけ来る人なら、毎日来る人を応援するのではないか。
だから、子どもたちには、毎日を大切に、地道にやっていこうと伝えている。
そういう毎日の積み重ねが、最後の場面で、ほんの少しだけ運をこちらに向けてくれる。
私はこの話をラジオで聴いていて、神村学園の強さが少し分かった気がしました。
そして、その時にアナウンサーが言っていたのですが、小田監督の帽子の裏には「凡事徹底」と書かれていたそうです。なるほどな~、と思いました。
特別なことをする前に、当たり前のことを徹底する。
挨拶をする。道具を大切にする。相手を尊重する。感謝を忘れない。野球以外のこともおろそかにしない。そういう毎日の積み重ねこそ大切。
神村学園がいつか全国制覇をする日も、そう遠くないような気がしました。
【追伸】
ちなみに、小田大介監督は亜細亜大学野球部の出身です。
亜細亜大学野球部といえば、全国でも最も練習と規律が厳しい大学野球部として有名で、プロ野球にも良い選手を多く輩出している名門です。
元阪神タイガースの外野手だった赤星選手もOBです。練習の虫で有名ですが、彼いわく「大学時代には二度と戻りたくない」と語るほどです。
小田監督の「凡事徹底」という考え方にも、亜細亜魂の土台があるは間違いありません。
最後に余談です。
神村学園の選手たちは、今の時代には珍しいくらいの見事なツルツルの丸刈りでした。
今は高校野球でも、丸刈り以外を認める学校が増えています。
それはそれで、とても良いことだと思います。
ただ、神村学園の選手たちの完璧な丸刈りを見ると、これはこれで実に気持ちが良いものがあります。
きれいに刈り込まれた丸刈りの姿が重なって、神村学園というチームの清々しさがより強く伝わってきました。






































































