高架門で 11 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

SUPER JUNIORのキュヒョンと、
ウォンキュが中心のブログです。
たまに東方神起も☆
むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

Twitter→@gyuyes

※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。









みなさま深夜におこんばんみ。
一体いつぶりの更新なんでしょ(;´▽`A``
前の話はひたすらラブいのだけなのですが、
忘れちまったよって方は

↓ここをポチっとな。

『高架門で』10

ここからはスクロールでどうぞ♡

↓↓↓

















馬鹿な恋をした。
愛が哀になるなんて思ってもみなかった。

どのくらい時間が経ったのか分からない。
シウォンと夢中で愛し合った。

初めてひとつになれた喜びで自分の中がいっぱいになる。


「キュヒョナ…。」

「ん?」

「何考えてるの?」


シウォンの腕に包まれシングルの毛布にくるまって
小さい電気ストーブの灯りが二人を照らした。
温かかった。シウォンの温もりが、シウォンの腕の中が、シウォンと絡めてる足が。
シウォンの優しいキスも声も全てが温かかった。
僕の髪を優しく撫でながら、愛おしそうにおでこにキスをする。


「シウォナのこと…。」

「うん…?」

「こんなに好きだったんだなって。」


柄にもなく、自分からこんなセリフが出るなんて思ってもみなかった。
シウォンといると少し素直になれる気がする。
と言うよりも、シウォンが僕をそうさせる何かがあるような気がする。
シウォンの傍にいると自然体でいれた。


「キュヒョナ。」

「んっ…。」


甘い甘いとろけるようなキス。
シウォンの重みでさえ愛しくて、
ずっと感じていたくてもっと繋がっていたくて僕はシウォンの肩に手を回す。


「もっと…。」

「先生…なんだか今日は違う人みたいだ。」


シウォンがくすりと笑った。


「…嫌?」

「まさか。でも…その顔は俺の前だけにして。」


今、自分がどんな顔をしてるのか分からない。
分かっているのはもっとシウォンが欲しいということ。
高揚した頬が熱くて何度達しても一向に治らない疼き。
火照る躰は自分のものじゃないみたいだ。


「ああっ…。」

「キュヒョナの中、熱い。」


顎が上がり、中でシウォンを感じる度身体中が震えた。


「痕…。」

「ん?」

「僕に痕を付けて欲しい…。」

「でも…。」

「いいから…っつう。」


チクリと痛むシウォンのキスが痕を残す。
シウォンの柔らかい髪に手を滑り込ませ目を閉じた。

首筋から胸元に紅い点が色付いた。


「桜の花みたいだ。」

「そんなキザなセリフ…。」

「先生のせいだよ。」

「だからキュヒョンて。」

「キュヒョン。」

「ん?」

「愛してる。」

「シウォ…。」


痛みなんかとっくに忘れてた。
深く深くシウォンと繋がりたい。
躰だけじゃなく、もっと深いところまで。

あんなに激しく降っていた雨がいつの間にか上がり、外では鳥のさえずりが聞こえる。
少し白くなってゆく外をカーテン越しに見て、僕たちは深い眠りについた。













あれからどれくらい眠っていたのだろう。
今は一体何時なのか。
カーテンから差し込む光は螺旋を作りながらキラキラ輝き床を照らしていた。
少しずつ開いていく瞼で僕はずっとその光を見ていた。
光さえいつもより優しく見える。
僕は背を向ける形でシウォンの腕の中に包まれていた。
優しい光に触れたくて、手を伸ばしてみるとシウォンがゆっくりと覚醒したのが分かった。


「ん…キュヒョナ、起きてるの?」

「う、うん…」

「今、何しようとしてたの?」

「別に…ちょっと身体を伸ばそうかと思って。」


なんだか急に恥ずかしくなって素っ気ない態度を取ってしまう。


「キュヒョナ、こっち向いて。」

「やだ。」

「どうして?」

「…だって。恥ずかしいし。」

「え?恥ずかしいって、さっきまであんなに。自分から上にだって…。」

「わーーーー!!
何言ってんの!!何言ってんだよ!!」


僕は慌てて振り向いてシウォンの口を塞いだ。


「やっとこっちを向いてくれた。」


シウォンが目を細めて僕に微笑みかける。
まったく。
これじゃあどっちが大人だか分からない。
それでも今日だけはシウォンに甘えてみようか。
なんて思う自分がまた恥ずかしくて僕は顔が真っ赤になった。





゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚





まさか自分にこんな幸せな時間が訪れるなんて夢にも思わなかった。

僕たちは幸せだった。
幸せで。
幸せで。
幸せで。

『高架門』で出逢ったあの日から僕たちは始まった。
まるで引き寄せられるかのように偶然が重なり恋に落ちた。
何度も引き返そうと思った。
でも、出来なかった。
シウォンの真っ直ぐな目で射抜かれると嘘がつけなかった。
彼に抱きしめられたい。名前を呼んでほしい。微笑んで欲しい。
キスしてほしい。
僕は頭のてっぺんから足のつま先までシウォンのものだった。
愛しそうに僕を抱くシウォンは優しくて、ずっとこのままでいたいと思った。


それから僕たちは週末を二人で過ごすことが多くなった。
金曜の夜に塾が終わったシウォンは、
友人と勉強をすると親に嘘をついてウチに泊まりに来る。
こんな嘘も僕たちだけの秘密が出来たみたいで、子供のように嬉しかった。
玄関のチャイムが鳴るとそれだけで胸が踊った。
一秒でも早く顔を見たくてドアを開ける。


「おかえり。」

「ただいま。」


玄関でシウォンの体温を確かめる。
僕はシウォンに抱きしめられるだけで安心した。
シウォンの腕の中は暖かくて心臓の音まで心地いい。
ずっとこうやっていると自分の心臓までもシウォンとシンクロするように感じた。


土曜日は昼近くまで眠り、遅めの昼食を一緒に作った。
料理を少しずつ覚えたシウォンはいつの間にか僕よりうんと上手くなって、
中でもシウォンの作るオムレツは最高だった。


「うまっ!何コレ!」

「あ、これ?昨日の鍋の余った食材で作ってみたんだ。
キノコと小松菜、チキンにチーズ。隠し味はオレ。」

「な、なんだよ俺って!」

「何考えてんの?愛情だけど?」

「は?何も考えてないし。」


こんな他愛のないやり取りがすごく楽しかった。
教師でもなく生徒でもなく、ましてや年の差なんて感じることはなかった。
それでも時々会話が止まることがある。


「シウォナ、料理上手くなったね。
このオムレツなんて昼間からワインが飲みたくなっちゃうよ。」

「飲む?」

「何言ってんだよ。ダメダメ未成年。」


そこで会話が止まった。
未成年…。
そうなんだ。シウォンはまだ未成年なんだ。
ふと口から出た言葉に二人とも固まってしまう。


「キュヒョナ、カフェオレ作ろうか?」

「あ、うん。ミルク多めで。」

「オッケー。」


そんな時は決まってシウォンが話を逸らし、何事もなかったように振る舞う。
シウォンと同じ歳だったら。
シウォンが大人だったら。
僕がもっとしっかりしていたら。
その想いは日に日に強くなっていた。


「キュヒョナ。また余計なこと考えてるだろ。」


シウォンはなんでもお見通しだ。
幼い頃から大人に囲まれて過ごしてきたシウォンは人の顔色を伺うことが癖になっていた。

コポコポとドリッパーにお湯を注いぐ姿は格好良くて眩しくて、僕はつい居たたまれなくなる。
どうして彼はこんなに格好良いんだろう。
本当は僕じゃなくお似合いの女の子がいたんじゃないか?
僕のせいで彼の未来が変わってしまうんじゃないだろうか。

部屋の中はコーヒーの香りに包まれ、時折こっちを向いて微笑むシウォンと目があった。


「あ、ここの食器片付けちゃうね。」


僕がテーブルの皿を重ねようとした時はすでに手から滑り落ち、
そのまま床へスローモーションを見る様に落下した。


パリーン


「あ。」


真っ白な皿が粉々になって床に散った。


「キュヒョナ!大丈夫か?」

「うん大丈…いつっ。」

「キュヒョナ。」


僕の人差し指にぷっくりと赤い血が滲んだ。









つづく。














[画像はお借りしています。ありがとうございます]