10月17日は、旧暦の9月9日、重陽の節句でしたね。
ちょうど白山の旅帰ったばかりなのですが、今日はいつもの明治神宮の参拝のときに、代々木八幡宮にもお参りしてきました。
もう20年以上前になりますが、東京で一人暮らしをはじめたときの氏神様でした。
でも当時は鬱蒼とした森がなんだか近づき難くて、1度しかお詣りしたことがありませんでした。
当時のお友達でうちに遊びに来られるときに、毎回必ず一つ手前の駅で降りてお詣り来る方がいて、
「いい神社だからみんなで行こう」と一度だけみなでお詣りしたことがあっただけでした。
よく通る道なので、鳥居の前では一礼していましたが、なんとなく近づき難くて、
そのうち海外に引っ越したりで、再び代々木八幡宮の話を聞いたのは、
「パワースポット」として有名とこの10年くらい、お詣りする方が増えてからです。
本殿の横にある「出世稲荷」と呼ばれるおいなりさんがあって、
そこに有名人がお詣りに来られるらしいので、そちらが有名みたいです。
わたしがかつて怖いと感じるくらい鬱蒼とした森は、縄文遺跡のあった場所で、遺跡も保存されています。
先週白山麓に住む友人の案内で、
石川県の白山比咩神社と、白山中居神社(岐阜県)、白山長滝神社(岐阜県)、平泉寺白山神社(福井県)
の三馬場の神社を
お詣りさせていただいたこともあり、
「白山菊理媛神(しらやまくくりひめ)」のくくりの力について、
感じることがたくさんありました。
白山菊理媛神様は、白山比咩神社の奥宮のある、白山山頂におまつりされている神様です。
白山菊理媛神は、活火山である白山に住まう女神様ですが、
白山から清らかで豊かな水が、
九頭竜川をはじめ、庄川、手取川、長良川と、
5県を通って農地を潤し、海へと流れていることから、水の神様とも言われているそうです。
瀬織津姫と同体とも🐉🐲
白山麓は、一向一揆のあった場所であったり、悲しみの歴史もたくさんあった場所のようですが、
白山の清らかな水で過去は洗い流して、くくりの力を発揮していらっしゃるのかもしれません。
今朝は、抜けるような青空で、「代々木八幡宮まで行ってみよう」と思ったのは、偶然ではなかったようで、
代々木八幡宮は、主祭神は応神天皇(八幡大神)ですが、白山社(白山媛神)もおまつりされていました。
パワースポットとして有名な出世稲荷は、
空襲で家々でおまつりされていた祠やおいなりさんが壊れていて、それらを集めておまつりしたのが始まりと書かれていたので、
悲しみの記憶を、菊理媛神さまが、辛い思いは水に流して平和な未来へ進むために、くくってくださったのかもしれないと思いました。
先日、ペットロスを乗り越えた友人と話していて、
「忘れる」「水に流す」ということが、結局ロスを乗り越えるのに必要だったと思うという話をしていました。
彼女はペットが亡くなったときに、目に入ると悲しいからと首輪や食器は全部燃やしてしまったのだそうです。
わたしたちは、愛する人を喪った時に、
「忘れる」ことが罪悪のような気がしたり、
「忘れない」ことが大事だと教わっていますが、
「忘れる」ことは癒しに必要なのではないか、
と思うのです。
動物は、子を失ったからといって、いつまでも悲しみません。
忘れて、今を生きていきます。
もし忘れずに悲しみを持ち続けていたら、たぶん野生動物は生きていけないでしょう。
人間も、今を生きるために「忘れる」ことが必要なこともあるのだと思います。
そして悲しみを洗い流して、心のくもりがとれたら、美しい思い出として、これからを生きる力にしていくことができます。
今くくりの女神は、いろんな罪や穢れを洗い清めて、新しい時代への変化を助けていらっしゃるのかもしれないと、久しぶりに代々木八幡宮におまいりして感じたのでした。