野人と行く秘境のイワナ天国
どうです。旨そうでしょ?イワナのムニエルです。
ええ、私が釣って来て料理したものです。
23cmのボーンチャイナから尾が少しはみ出しているので
サイズは25cmって所でしょうか.....
久々の更新ですが今日はこいつと出合った日の事をお話
しようと思います。
昨年所属する1400GTRオーナーズクラブのロジャーさんにお願い
して渓流ルアー釣りの手ほどきを受け始めた私ですが、才能という
物は隠せない物で、あらよあらよという間に上達し、シーズンの終わ
りにはその奥義
「チョイチョイ寸止め合わせてパックン」を体得し、ロジャー師匠から
免許皆伝を頂き、
「ガングロ流スプーン術家元」を名乗る事を許されたのでした....
しかし幼少の頃、石神井公園ボート池のクチボソ釣りに始まり、
長じては房総、三浦の船はもとより伊豆神子元の磯にその人
ありと謳われた私にとって、この免許皆伝は当然といえば当然
の事だったかも知れません....
「おみゃ~さんみてゃ~な天才は見た事にゃ~わ」
ロジャー師匠は事ある毎にそう言って私の上達の早さに舌を
巻くのでした...
さて、渓流釣りというのは禁漁期と呼ばれるシーズンオフがあり、
河川により若干の違いはありますが、概ね3月から9月頃までが
シーズンとされています。
今年は春先から公私共に多忙でまだ釣行出来ずにいましたが、
新緑の山々と谷を流れる渓流、そしてそこに棲む魚達が恋しくなっ
ていた所、折り良くロジャー師匠からお誘いの電話が入りました。
ロジャー師匠近影(奥のミドリ虫)
「ああ、餃子君かね。ワシだわ。やっとか目(80日目:久しぶりの
意)だみゃ~、も~はい(もはや:既にの意)5月もしまい(終りの意)
だでね。川の水もだいぶぬくてゃ~(温かいの意)なってるもんで、
そろそろ釣りに行こみゃ~か?(行きませんか?の意)
受話器からはロジャー師匠のダミ声と早口の名古屋弁が飛び出
して来ます。
思えば18年前当地に赴任して来た当事は理解不能だった現地人
の言語も血の滲むような研究の結果、ほぼ理解出来るまでになり
ますた....
結局、金曜の夜一宮にある師匠の家まで私が迎に行き、そこから
世界遺産に選ばれた合掌造り集落で知られる白川郷近くのある林
道の奥にある川まで走り、車中泊して夜明けを待って入渓する事に
なりますた。
しかし、電話でロジャー師匠がブツブツ言っていたお化けがどうの
って言葉が気になります....
5月25日私は先月納車された新車のデリカD5に釣り道具を積み込
むと空いた名古屋高速に入り40キロほど離れた一宮を目指すのでした
つづく
復活か?気まぐれか?
わははははは、どうですコレ!お正月に引いたおみくじですが、
見事凶を出してやりました。
さて、更新をサボり続け、気が付けば2月....記録的な大雪や
寒い日が続きますが皆様は如何お過ごしでしょう?
私は相変わらず日々、ただ慎ましく正直に生きています。
先日、久々にバイクに乗ろうと、Ninja1000をガレージから出し
ましたが、2ケ月近く放置していたので、案の定バッテリーが
上がっていました。仕方なくブースターケーブルを車に繋ぎ
エンジンを始動。
気温4度とおっさんには寒さが堪えますが、充電を兼ねて昼飯を
食べに行く事にしますた。天気は良いですが高架の自動車専用
道路に吹く風は冷たく、グリップヒーターを入れても指先が凍えて
来ます。やはりハンドガードが無いとグリップヒーターのご利益も
イマイチですね。
23号を終点まで走り、やって来たのは明治から続く蒲郡のうどん
店やをよし
さんです。
私が注文したのは季節限定の牡蠣うどん、急須の様な形をした容
器ですが、蓋の部分が丼にになっていて、把手を持ち注ぎ口から
出汁を器に移して頂きます。
出汁は白醤油を使った上品な薄味で、プリプリの牡蠣がこれでも
かと入っています。ああ、温まるなぁ~
冬のツーリングはこうでなくっちゃね。
お腹もいっぱいになった所で帰路へ就きますが、来た道を帰るのも
詰まらないので、海沿いの道を走る事にします。
途中247号から316号に入り、忠臣蔵の上野介でお馴染みの吉良
温泉へ寄り道。あっ、ヤングには忠臣蔵自体がお馴染みじゃ無いですね。
温泉街の手前にあるオサレカフェたらそ さんです。
ここは名古屋人のドルフィン と呼ばれ、休日ともなれば名古屋
はもとより、設楽や鳳来寺の山奥からも流行に敏感なヤングが
詰め掛け、お茶を飲むまで1時間待ちもザラだと言う超人気のお店
です。
バイクを道路沿いの駐車場に止め階段を下りて行くと、目の前に
三河湾を見渡せるテラスが有り、そこでお茶が頂けるのれす。
いつの間にか風は収まり穏やかな海には知多半島や伊良湖岬が
浮かんでいます。
私は身体を冷やさない為、生姜入りのロイヤルミルクティー
(800円也)を注文しました。
テーブルの下に置かれたバスケットに用意されたブランケットを
腰に掛け、お茶を飲みながらこうしてボンヤリと海を眺めていると、
凶のおみくじの事も忘れてしまいます。
春はまだ先ですが暖かくなったら今年もバイクで色々な所へ行け
るといいな...それには、.あぁ、嫁のセツ子さえ邪魔をしなければ...
私はウエイターからペンと便箋を借りると、ある決心をしてマーカス・
モンゴメリーに出す手紙をしたためるのでした。
尾張一宮に焼そばの源流を見た!
先週末はチベット放浪の旅から戻られた1400GTRオーナーズクラブの
きこりさんに会う為、ロジャーさん、まぁさんと山口県の防府まで行って
来ました。
このチクワはその帰りしなにきこりさんから頂いたモノです。
「寂しくなったらオレ(の?)だと思って握ってくれ」
きこりさんはそう言うと、ぽっと頬を染め恥ずかしそうに腰をくねらせもじもじ
していましたが、遠く愛知より遥々会いに来た友人への土産がチクワ
一本と言うのも、これまた前代未聞の話です...
残念ながら私は道中、青い服のおじさんにサインを求められ快く応じる
と言う悲しい事件もありましたが
天気にも恵まれ、尾道に寄ってラーメンを食べたり、それなりに楽しい旅と
なりました。
日曜の午前9時に防府を発ち山陽道、中国道、名神と乗り継ぎ15時過ぎに
尾張の国は一宮着。
ここで解散と思いましたが、ロジャーさん行き付けのお店があると仰るので
案内して頂く事になりました。
どうやらその店は焼そばが名物らしいです....
こ、これは....
こう見えても私は焼そばには一家言持っている男です。
秋田は横手、静岡の富士宮、大分は日田焼そばと食べ歩いて来ますた。
しかし、その私にとってもこの店構えからは只ならぬオーラを感じます...
こ、これは....
古びた店内は小さなテーブルが3卓あり、ノスタルジックな雰囲気を
醸し出す為の演出と思われる座面の破れた椅子が置かれています...
ここまで徹底してこだわるとは....私は心の中で唸りました。
こ、これは....
タイルの壁を這い回る小さな昆虫を見つけると、ロジャーさんは、
「ああ、そいつはこの店のペットのフォレ夫だで気にせんでええわ」
そう言って、わははははははははははっと、豪快に笑うのですた....
もちろんこれも巧妙に計算され尽くされた演出に違いありません。
氏は常連らしく、カウンター越しの調理場に居るマダムに
うん、わしはいつものアレだわ。ほんでスープも付けたってちょ。
っと、流暢な名古屋弁で声を掛けます。
こ、これは....
壁に貼られたメニューはと見れば...
中華そば(並)が三百六拾円と昭和50年代にタイムスリップしたのでは
無いかと錯覚を起こす様なお値段が並んでいます....
ここ一宮にはまだ平成の世は訪れていないのでしょうか?
さて、肝心の焼そばですが、この店では蒸し麺では無く自家製の生麺を
茹で、それを専用の鉄板で焼くと言う非常に手間の掛かる製造方法が
取られていますた。
麺には時折薬缶からお湯が注がれ、徐々に焼き色を増して行きます。
さすが一子相伝の技だわ....ロジャーさんが呟きます。
氏によるとこの際ご飯で言う所の「おこげ」状の部分が出来、カリカリと
得も言われぬ独等の食感が生まれるそうです....
あ~っ、お前さん、この先どうするんだっけ?えっ?オレに聞くの?
狭い調理場にご夫婦の微笑ましい会話が響きます....
来ました!こちらがスープです。
ロジャー氏の言によるとラーメンのスープと同じ物だそうですが、
アッサリした鶏ガラ出汁と薄い醤油味が相まって、店構え同様に懐かしさを
感じる正統派のラーメンスープですね....
そしてこちらが件の焼そばです。
麺の上には軽く炒められた細切りのキャベツが載せられ、青海苔が振られて
います。
しかも驚いた事にこの時点では味付けはされておらず、客はキャベツと麺を
混ぜ合わせ、テーブルに置かれたウスターソースで自分好みの味に仕上げる
そうです。
私も作法に従い味付けを終わらせました。早速、食べてみましょう...
こ、これは....
キャベツの甘みに今まで知る焼そばの概念を根底から覆す食感....
決してウスターソースだけでは出し得ない深い味わい....
これなら近頃話題になっているB1グランプリに一宮焼そばとして参戦しても
いい線行くと思います....
こ、これは....
お土産用に頼んだチャーハン大盛は何とファミリーマートの袋に入っていますた...
防府から600キロを走り続け、少し疲れてはいましたが、寄った甲斐がありました。
ロジャーさん感動をありがとう。そしてご馳走様でした。