東北の熱い夏 米沢牛に身もとろける
午前10時、昨夜の雨でぬかるんだダートに気を付けながら
宿を出発。
取り合えず田沢湖へ、T氏65歳（推定）がたつこ像を見たい
と言い出しますが、像までは湖を半周しなければならない
事が分かりこれは却下。次の目的地へ....
角館、大曲を経由し1時間ほどでＢ級グルメ、横手焼きそばで
お馴染みの横手市へやって来ますた。
市内には40軒以上、横手焼きそばを商う店があるそうですが
私達は超人気店は混むだろうと予想し、食べログの横手焼き
そばランキング5位という微妙なポジションの「ふじわら」さんに
来てみました。
年季の入った定食屋然とした佇まいはブームに肖り、昨日今日
開店したのでは無い歴史を感じさせます...
ガラガラと引戸を開けて入ると、店内は昼前にも関わらずほぼ満席で
私達は一脚だけ空いていたテーブルに座る事が出来ました。
お店は年配のご夫婦二人で切り盛りされている様です。
壁に掲げられたメニューはと見れば「肉入」と「肉玉子入」の普通、中盛り、
大盛りと言うシンプルにして揺るぎない自信を感じさせる構成です。
一瞥したT氏65歳（推定）は、ただ者では無いな....そう呟きました。
私達は「肉玉子入」の普通をご注文！
程なくしてベークのテーブルに横手焼きそばが運ばれて来ました。
こ、これは...あ、案外普通です。
所で横手焼きそば暖簾会さんによる横手焼きそばの定義とは太麺の
ゆで麺を使い、具は豚ひき肉にキャベツ、ソースは辛味を抑えたウスター
をベースに店独自の調合を行い、福神漬けを添え目玉焼きを乗せると
されています。
まさに絵に描いた様な横手焼きそばですが、実を言うと我が名古屋に
於いても焼きそばに目玉焼きを乗せるのはごく普通の事で、確かに旨い
ですが、焼きそばはどこまで行ってもやはり焼きそばです。かなり期待
して来ただけに、正直アレレ的な感は否めません。
店を出るとT氏65歳（推定）が「秋田に来たら稲庭うどんだよ」
そう訳の分からない事を言い出しました。
えっ、今焼きそば食べたばかりですよ。と、私。
お前はまた父さんにご飯をくれないんだね？あの嫁だって強いご飯
ばかり炊くし...
どうやら発作が出た様です。T氏65歳（推定）はたまにご飯を食べた事や
家族や友人の顔を忘れてしまうそうです...
仕方無いので私は氏を佐藤養助商店へ連れて行く事にしました。佐藤
養助商店は秋田が誇る稲庭うどんの老舗です。
秋田ふるさと村内にある店まではバイクで20分程でした。さすが人気の
店なので少し待ちましたが、少しでも焼きそばが消化出来て良かった
です。
私が注文したのは醤油とゴマのつけダレが付く二味うどんです。こちら
のうどんはたまに取り寄せで食べてはいますが店舗に来るのは今日が
初めてです。
白く透き通る様な麺は素晴らしい喉越しで、ついさっき横手やきそばを
食べた筈なのにツルツルとお腹に入ってしまいますた。
恐るべし稲庭うどん！
今回のお土産はこれに決めました。クロネコで発送して貰う様に手配して
今夜の宿がある米沢へ向かいます。
秋田新幹線と並走する13号をひたすら走り、長い夏の陽が暮れる頃、
ようやく米沢駅前のホテルにチェックインしました。しかしお目当ての
レストランは19時30分にオーダーストップとの事なので、シャワーを浴
び急いでタクシーで出掛けます。
やって来たのは地元の運転手さんも米沢牛を食べるならここは間違
い無いと太鼓判を押す登起波さんです。
まずはビールに付き出しの自家製ソーセージと牛肉の佃煮
下戸のT氏65歳（推定）はキムチ盛り合わせ...
そして絶滅が噂されるユッケ...これは私のユッケ史上最高の味で
した。おそらく値段も最高ですけど...
そしてメインはヒレステーキ！すき焼きやしゃぶしゃぶも悪くありませんが
炎天下をバイクで走り続けて来たので鍋物はどうもね...
それにしてもこの柔らかさは何なんでしょう？醤油ベースのオリジナルステ
ーキソースとの相性も抜群です。
ああ、贅沢してしまいますた。
でも仕方ありません。今回のツーリングはまず食べたい物を選んでコースを
決めたんですから...その代り観光は殆ど無しですWW
店を出てタクシーを待っているとT氏65歳（推定）が
餃子君そろそろご飯にしょうか？
そう言い出しましたが、私は無視する事にしました。明日は最終日、喜多方で
ラーメンでごんす！
東北の熱い夏 秘湯 鶴の湯温泉
2年前青森に来た時は季節外れの台風に遭い、奥入瀬は
茶色く濁った水が流れ、十和田湖も強風に波立ち観光船も
欠航していましたが、今回は十和田湖の湖面も鏡の様に穏
やかでしたし、澄んだ水の奥入瀬を観る事が出来ました。
十和田湖から103号に入り282→341で八幡平を経て北投石
で名高い玉川温泉を通り127号で田沢湖へ...
このコースは奥羽山脈の手付かずの原生林の中を走る事が
出来る素敵な道ですた。
ようやく民家が見えて来た乳頭温泉郷から更にダートを3キロほど
走りたどり着いたのが今夜の宿、鶴の湯温泉さんです。
大型ロードバイクの鬼門ジャリの駐車場に超気を使いながらNinja
を止め、チェックイン。
こちらは元秋田藩主の湯治場だったそうで門を入ってすぐ左手には
警護の武士が控えたと言う築300年以上経つ茅葺の陣屋が残って
おり、誰もが知ってる秘湯中の秘湯？にして、温泉好きの間では常
に一度は泊まりたい宿の上位にランクされる人気の温泉です。
なるほど、敷地内には川が流れなかなか趣があります。
私達の部屋は新本陣ですた。人気の茅葺陣屋ではありませんが、
まぁ、いいや。まずはビールを飲んで自慢の温泉を頂きましょう....
温泉は白湯 黒湯 中の湯 滝の湯と４種類が有り、どれも白く
濁っていますが、効能も違うそうです。T氏65歳（推定）はボクの
魔物にはどれが効くの？そう言ってフロントの娘さんを困らせて
います。
こちらは黒湯の内風呂で、すこし温めですが何ともいいお湯でつい
長湯してしまいますた。
そしてこちらがお待ちかねの混浴露天風呂です！
画像奥の方で女性の脱衣所と繋がっているらしいですけど....
ウヨウヨ居る筈のＦカップピチピチギャルが見当たりませんね？
その代わりと言っちゃ何ですがアブがブンブン飛んでいて、隙あらば
刺してやろうと私達を狙っています。
もちろんそれは宿も心得ていて迎撃用の「ハエ叩き」がアチコチに
置かれており、入浴客はそれを振り回しながらこの名湯を楽しむと
言う寸法です....当然その運動は血行促進にも良い影響を与えてい
る事は間違いありません。
風呂から上がれば夕食です。
まぁ、正直言ってこんな山の中の一軒宿じゃ食事は期待出来ない
だろう...私はそう考えていましたが、それは間違いでした。
まずはビールをキューっとやってから、岩魚の骨酒ですね。
豪快に大皿で運ばれて来ました。これはいい香りでげすよ。
夕食に供されるのは素朴な田舎料理ですが、どれも美味しいです。
野菜は甘く、食材を生かした手抜きの無い料理はいい年をして好き
嫌いが多い私でも残さず食べられますた。
特にこの宿の名物「山の芋汁」は絶品です。鉄鍋でグツグツと煮立つ
具沢山の味噌仕立てですが、思わずお代わりしてしまいますた。
もう一度温泉に入り早めに就寝、山の夜は涼しくエアコンが無くてもグッスリ。
疲れたせいもあり、T氏65歳（推定）の鬼の叫び声の様なイビキも気になり
ませんですた。
皆さんすみません。またもや混浴はハズレましたが、私的には良い温泉
に入れ満足です。
朝風呂を浴びての朝食、炊き立ての秋田こまちが死ぬほど旨いです。
昨夜少し雨が降ったようですが、出発の時には晴れて来ました。
今日は横手で焼きそばを食べた後、山形の米沢まで走る予定です。
米沢かぁ～和牛が鉄板の上で私を待っているに違いありません。
私は見た。サウナの荒業師
私はとりわけ潔癖症と言う訳ではありませんが、
昨日行ったスーパー銭湯での話。
休日の夕方、スーパー銭湯は結構混んでいて、良い子の
坊っちゃんを連れた若いお父さんや、私の様に狭い内風呂
より大きな湯船に伸び伸び浸かりたいと、ささやかな贅沢を
楽しみに来ている人で一杯です。
今日はだいぶダシが出ていそうだな....
私は掛け湯をしながらそう呟きますた。
私の楽しみはサウナ！そう何と言ってもサウナです。
まずカランで丁寧に身体を洗い、シャンプーを済ませサウナに
突撃です。
階段状になったサウナ室に敷かれたマットの上では裸の男達が
無言で汗を流しながらテレビに映る世界陸上に見入っています...
私も入り口に掲げられた12分計の針を確認し100℃近い熱気に
耐え汗を搾ります。ここで弛んできた腹の肉を摘み揉みほぐす事も
忘れてはいけません。
私的には10分間我慢し、水風呂に浸かり、更に10分と水風呂
を4回繰り返すと風呂上りのビールが極上のモノとなる事が過去
の実績から明らかになっているので、これをサウナ入浴時の私的
ルールと定めております。
10分！時間が来ました。
私はサウナを飛び出し掛け湯で汗を流して水風呂に入ります。
火照った体が急激に冷やされ思わず「うう」と声が出て、脳内が
マゾヒスティックな快感に満たされます....
と、ここでおっさん登場！年の頃なら私より5つほど上でしょうか？
おっさんはサウナから出ると掛け湯もせずにサウナで搾り出した
脂ギッシュな汗に塗れたまま水風呂に飛び込んで来ますた。
更にそのまま潜水し、土左衛門よろしく水面下に沈んでいます...
程なく(￣▽￣)=３ プハァー と言って水から顔を出すと、今度は手
で掬った水を頭から掛け恍惚としています....
おいおいおいおいおいおい...と、頭の中で呟く私...
実を言えばこの手の荒技師はスーパー銭湯に意外に沢山出没し
ている様です。観察してみると常連さんのどちらかと言えば年齢が
高い方に多く見受けられる様な気がします。
今日だってこの水風呂ではこのおっさん以前にも複数の男達がこれ
と同じ様なアラワザを披露した事は想像に難しくありません。
循環ろ過されているとは言え、おやじのエキスをたっぷりと含んだ
水に頭からダイブする勇気など私にはありません。
また、夏休み中良い子のぼっちゃん達もプールと勘違いしてキャッ
キャと水風呂で遊んでいたりしますから、有り得ない事とは思いま
すが彼らの急激に冷やされた身体に起こる生理的欲求を想像す
ると尚更です....
えっ？そうですよね。考え過ぎですよね。有り得ないですよね...
もちろん私だって信じています。じゃなきゃこんな所には来られま
せんよ。
それでも私はおっさんの勇気ある行為に驚きを禁じえないのであり
ますた。きっと少しは水飲んじゃったりするよね？大丈夫？
お願い。ボクチン心配だからそんなに潜りたきゃ家でやってよ。