「紫式部ひとり語り」:不穏の時こそ施し | リベラルアーツの精進と実践の日記

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山本淳子著「紫式部ひとり語り」を読みました。

 

紫式部研究者による紫式部の心を読む小説です。

 

・地方務めは、男にとっては重要な任務かもしれないが、女にとっては京の雅から遠ざかることでしかない。

 

・女官や女房は人に顔をさらす。女官など下の身分の者がなるもの。

 

→なるほど。こんな考えなのですね。女官は高位高官の娘とかでないとなれない高貴なものと思っておりました。

 

・絶対に漢籍の素養を見せない。源氏物語でも、漢詩の箇所は、女が知りもしないことを書くべきでないので省くとした。

 

・大学で学問を究める者は縁故を持たないから。

 

・道長は伊周の不祥事の際に便乗を諫めた。不穏な時は、民の施しをするか、人材を集めて足場を固める。

 

・女房は雇われ人だ。それだけでもつらくなる。

 

・夫婦でない男女の場合、男は熱く迫り、女は冷たくあしらうのが定石。

 

言葉から思いがあふれていますね。