佐藤大介著「13億人のトイレ」を読みました。
毎日新聞記者によるインドの下から目線のルポです。
・家にトイレはないが、携帯電話ならある。
・トイレは1日1回で我慢していることがあった。
・夜の野外トイレは、蛇やサソリがいるため危険である。
・インドでは、地域による経済格差が大きく、高いゴアと低いビハール州では11倍に違いがある。
・インドでは水道管が老朽化して漏れてしまう。しかし、水道料金は上げることができない。盗水も多い。
・モディ首相が野外排泄がなくなったと宣言しても実態は違う。
・インドでは、16%が最下層がダリット。ダリットは、抑圧されていることに抗議する意味がある。
・トイレを作りがらないのは、トイレが汚いものであるから。
・インドの国旗は、サフラン、緑、白でできている。サフランはヒンドゥー教、緑はイスラム教、白はキリスト教や仏教、シク教などを示す。インドが融和的な政治を行うことを示すもの。
・昔は、緑が多く、どんなカーストでも野外排泄だった。しかし、都市化が進み、乾式トイレができるようになって、清掃することがダリットの仕事になった。
・コロナで清掃従事者を通じた感染に懸念が広がる。
などなど。
インドにおいて、排せつやトイレが不浄という概念が強く、その点がトイレ普及を遅らせていることが分かりました。
インドを知るために大変に有益です。