書道用具~硯(すずり)…少々高価な硯でやる気もUP! | 心を癒す清美な書芸術の追求・書道家 鈴木曉昇

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    書芸術を通じ、人の心を豊かにする事を目標に研鑽しております

丁度、硯(すずり)を綺麗に洗った所なので
『硯』について綴りたいと思います☆

実は、私は数年前まで、硯には、あまりこだわりが
なかったのですが、最近どうも年齢を重ねたせいか
書道用品店にいく度に色々物色しています(~_~;)

※このお話はマニアックな部分も含まれているので
 そうなんだぁと思って頂けると幸いです☆


1.硯の有名な産地

  硯の有名な産地は中国の広東省になります。
   ※下の地図の赤いマーカーで引いた場所です。
  ここで採取される硯は
  『 端渓硯(たんけいけん)
  と呼ばれています。

 
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  なお、日本では、宮城県の雄勝硯(おがつけん)、
  山梨県の雨畑硯(あまはたけん)などがよく知られています。


2.端渓硯(たんけいけん)の種類

  端渓硯でも、採取できる場所によって種類が様々で
   ①老坑(ろうこう)…最高の石質。現在は採石自体はされていない。
   ②坑仔巖(こうしがん)…石質が細かい。現在は採石自体はされていない。
   ③麻子坑(ましこう)…表面が滑らかで「かな」に適する。
  などが有名です。

  私が持っているのは、③の麻子坑す。
  かな専門ではないのですが、
  (写真では分かりずらいですが)
  上部の、龍の彫りが気に入ってしまって
  愛用しています。

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  木の箱がついているので、
  普段は木の箱に入れて
  開閉しながら使っています♪

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3.墨が擦れる背景

  石の表面に「鋒鋩(ほうぼう)」と
  呼ばれる微細な突起があるため、
  墨が擦れます。
  この鋒鋩が細かい石ほど良い硯とされています。

  ちなみに、墨の擦り方は
   ①数滴の水を硯のおか(上の方)に落とす。
   ②力を入れずゆっくり円を描くように擦る。
   ③適当な濃さになったら、硯の海(下の方)に落とす。

  ①~③を繰り返すのが良いとされています。


4.その他の硯や墨池

  上記の麻子坑は、普段使うものですが、
  携帯用やちょっとしたかな書き用に
  小さい硯もあります。
   ※写真の下の硯
 
  また、条幅(長い紙)などに書く場合は
  墨池(ぼくち)と呼ばれる円形の入れ物を使います。
   ※写真の上の入れ物

  この墨池はエンジ色に金で模様が書かれており
  結構気に入っています♪

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5.硯ポスター

  説明だけでは何なので、
  硯ポスターみたいなものを作ってみました。
  硯は石なので、文字は少々ゴツゴツ感を出してみました☆

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以上見てきましたが、
良い硯を購入すると、木の箱も付いてくるし
何か気分がのって、やる気も出るので
少々高価な硯(5,000円~)を購入してみるのも
いいと思います。
ご参考下さい☆

※なお、書道では筆・墨・硯・紙を
 『 文房四宝
 と読んでいます♪