2023年12月07日(木)、山口県萩市「萩BIZ」の評価を読み解く。 | その名も、あきらくん~思いもよらない毎日~

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山口県萩市は秋田県湯沢市と同じ規模の市で、人口は2023年11月1日現在41,802人、1平方キロメートル当たりの人口密度は湯沢市の49.6人より10名ほど多い59.9人です。

 

ここでもBIZがあり市民をサポートしています。

 

 

ここのセンター長も給料は月100万円、社会保障費が135万等、結構な額ですね。

 

定量的評価を見ますと、

①相談者数見込みが660件に対し到達(見込みも含む)541件と到達率82%で評価5

②相談に係る満足度の数値92%(満足53%、おおむね満足39%)

③相談により効果があった人の数値が88%

と高評価でした。

 

一見しますと、これをみたほとんどの人は、

 

②の相談に係る満足度92%・・・・541件×0.92=496人が満足

③の効果を感じた人の割合88%・・・・・・541×0.88=476人に効果があったと感じた

 

と受け取ってしまうでしょう。

 

異様に効果があるなあと疑問に思った私は、萩市にさらに情報公開請求をしました。「どのような方法でアンケートを取ったのか」と。

 

それに対する返答がこちらです。

 

 

『令和2年2月6日~令和2年1031日までの来所相談者101件に対して

調査票の郵送によるアンケートを実施し、51件の有効回答いただいており、

その割合を結果として公表しているものです。

 よって、ご指摘いただきましたとおり、未回答分については、

その割合に含めておりません。

 

との事。

 それでは萩市のこの返答を基にデータを読み解いていきましょう。

 

このアンケートでは

101件に対しアンケートを取った。50件は未回答であった。ですから全体的には

「①満足した、②効果を感じた」人の割合は

①満足した人の割合

未回答49%、満足・おおむね満足の合計46.92%、満足していないと回答1.38%

②効果があったと感じた人の割合

未回答49%、効果を感じた44.88%、効果を感じないと回答6.12%

 

と、なります。これを利用者541名にパーセンテージをかける

①満足した人・・・・541×46.92%≒254人

②効果を感じた人・・・・541×44.82%≒243人

 

 

これでも萩ビズには効果があるように見えますが、実際は、両項目とも半分以上が「満足」以外です。

 

 

統計学に弱い方は「なんで未回答の数値を考慮するの?」と思われるでしょう。

私はいつもこう答えます。

「あるレストランが、お客さん100人にアンケートを取った。100人のうち99人が答えなかった。一人がおいしいと答えた。そのレストランは1人答えて1人がおいしいといったから、このレストランをおいしいと思った客の割合は100%だといったら、あなたはどう思いますか?」と。

 

忙しい時に街角で声を掛けられる(自分生活とあまり関係のない)アンケートとは異なる、自分が必要性にかられ利用した施設のサービスに対するアンケートに未回答の態度を示す、これは無視してはいけない「一つの回答」として示すべきなのですよ。

 

そこを萩市商工政策部の業績評価会ではそこを外し、利用者の9割が満足しているかのようなデータを載せている。

 

それに対し湯沢市商工課の評価レポートでは

同じ手法を用い、同じく9割近くにいい評価を得た的な報告をしているが、よく見ると「未回答も含めた全体では、満足度は38.8%、前向き率は35.9%」と、実際の数値をアップしている。

 

この評価レポートを作成した方には、湯沢市民に対して誠実でありたいというギリギリの良心があったのだ。

 

自分はそれを汲み取らず、「ウソの数値をでかく載せて実際の数値を小さく載せやがって」と彼を責めていた。

 

・・・・・・ごめんね、てへぺろ。

 

萩ビズは以上のような査定で高評価を得たわけですが、実際に萩ビズに効果があったかどうかは「客の感想」で判断するのではなく

①「利用者の利益増加分から利益減少分を引いた残りが萩ビズ運営経費を上回ったか否か」を問い、

②「利用者以外にも景気についてアンケートをとり、景気が悪いと感じる人が多い中で①が達成されている」

時に「効果あり」と判断すべきでしょう。

👇ここに図入りで説明しています。

 

なんでこれで判断しないんだろ?市税を投入し、年間1300万以上のギャラで経済活性化のプロを雇ったのであれば、彼女に払った以上の利益が実際にあったかどうかが問われるべきであって、ビジネスセンスやコミュニケーション能力、情熱、地域連携なぞ彼女の評価には必要ないでしょう。それらがいかに素晴らしくとも施設利用者の利益が経費以上に無ければむしろ損なわけですし。

 

《結論》

行政側が出すデータは、まったくのうそではないが、実際の数値を自分らの都合のいいように利用していることが多いので、気を付けろっつうハナシ。

 

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※真宗大谷派行円寺は高森顕徹や一万年堂出版、「親鸞会」とは一切関係ありません