☆東京芸能人野球リーグ体験記~バントシフト<セイギョウテクニカルブログ> | 松林正曉(SEIGYO)オフィシャルブログ

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プロドラマー/タレント/プロベースボールテクニカルコーディネーターとしてマルチに活動するSEIGYO-セイギョウこと松林正曉が音楽・野球・芸能などの分野をテーマにブログ配信していく。

セイギョウ松林です。今回は自分の在籍したチーム体験談からブログメイクしたいと思います。



私は2009~2011まで東京芸能人野球連盟(マンボウベースボールクラブ)に所属・テクニカル・ディレクターとして選手の技術面、戦術面など、サードコーチを任されていました。



<前列中央が私>     --⇧東京ドームにて2009年8月9日☆秋季大会優勝から2010年春・秋季大会と3連覇した。
<私を挟んで左手が名誉監督・声優の黒田崇矢氏/右が元俳優で監督兼任選手の蓮本剛氏>


(この2009年の8月15日に私の父は浄土へと他界した。後直ぐに父が東宝社長シリーズで父監督と俳優の深い親交にあった森繁久彌氏が他界されたのだが、この東京芸能人野球リーグ連盟の設立発足に御尽力頂いたのは森繁久彌氏であり当時からプロ野球界からの選手や俳優で野球に長けた選手でチーム形成され硬式野球連盟
として発足されてから五十年の歴史がある。秋季大会開会式で連盟会長の俳優・森山周一郎会長(東京芸能人野球リーグ連盟)から森繁氏の葬儀に当リーグから献花される事を聞かされて驚いた。

私の父と森繁氏は『無二の信友』親友を超えた仲であった。2人してお浄土から私のチーム参加と優勝を喜んでいてもらえると思うと、私がこの独立リーグ草分けの歴史のある東京中日スポーツ新聞社後援・連盟チームに所属したのも必然性としか言いようがない。それも長きに渡り私の父は中日新聞で執筆していた経歴を持つ...これもまたふしぎなご縁であった。)

前置きが長くなったがチームエピソードの中からベースボールセオリーにおける落とし穴。ゲーム一例からブログメイクしたい。
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◇2009年のリーグ戦でバントシフトのセオリーを巡って野手との間で意見トラブルが発生◇

大会の優勝を賭けた大切なゲームでの事。

イニング中盤の守る我がチームはノーアウトからヒットと四球でノーアウト1・2塁とランナーを背負った。相手チームは下位打線からで、点差も1、2点を争う攻防、マンボウ内野陣は確実に送りバントを警戒。我が投手は送りバントのシフトからの初球をピッチャー右サイドに転がされた。
戦術として私はサードで1つアウトをとりにいき、万が一アウトに出来なくても満塁なら守りやすいと指示し、バントさせて1つバッターをアウトにすればよいとも考えての最中にバタバタのミスが起こった。

(つまりブルドックシフトとしてのミス)

バッターは右打者。予測通りバント。ボールはピッチャーの右側へ比較的回転の早いバントゴロが転がった。ところがバント処理しようとした投手はサードが打者にプレスをかけて多少だがサードベースが空いていたためピッチャーはファーストへ送球しようとした。しかしファーストもプレッシャーがけで前に出ていてベースへ戻る事が出来ず。ピッチャーが1塁に投げた送球が反れて得点を献上してしまったのである。<ファースト・ベースカバーのセカンドの選手はどこに...>

※ここでセカンドの選手へ責任追求が促された。ファーストベースのカバーに入って居なかった事。センターがバックアップに遅れたこと。

◇セカンドの選手はベテラン名手でプロにも行けた程のテクニックを持つ私の球友だ。つまりセカンドの彼はセカンドベースのカバーに入っていた。これは正解なのである。

サードがプレスしかけで前に出てしまいショートがサードベースカバーにまわりセカンドが空いてしまった事からセカンドの彼はファーストを回るランナーをセカンドベース上でアウトにする準備を選択した訳だ。

◇野球を熟知しない事の怖さ...プロ野球でも見掛ける送りバントへの警戒プレスチャージ◇

<各プレイヤーの意見はこうだった>

∇ファーストの選手の主張はファーストとピッチャーの間へのバントシフトでプレスがけの為前に出たと主張。

∇ピッチャーは通常のシフトでいい。3塁でランナーを封殺出来なければセカンドはアウト一つに備えてファーストベースカバーを主張。

∇サードはプレスで前に出過ぎて、戻れなかった事への反省を言葉にした。

∇しかし他のチームメイトは『通常の送りバントシフトでよい!』とセオリーで責められたのは(セカンドの選手)であった。ちょっと待てこれはおかしい。彼セカンドが間違えた選択はしていないと私は反省会で論じた。何故ならば、バッターランナーの2塁封殺を予測して2塁ベースのカバーに入ろうとしたセカンド選手の判断が正論だったからである。と同時に、当たり前であるシフトチャージの的確な(かたち)を事前に確認せずに選手に任せた私の責任でもあり反省した。

◇ベストアンサーをアメリカンベースボールからポイント整理して正しい選択肢を解説しよう◇

<アンサー>
ノーアウト1・2塁。バント処理はピッチャーとキャッチャーが動く。

したがってサード、ファーストはベースを離れずプレスはかけない。よくこのケースでプレスをかける(ブルドックシフト)チームを見かけるが(サードが無理ならバッターランナーを1塁で1つアウトにする)(ランナー1塁のケースとランナー1・2塁の場合ケースによりシフトは変わるのが基本)通常シフトはランナー、1塁である時のためのセオリーであり、野球経験者でもチーム戦術が整わないチームでの経験は実践では役に立たない。したがってケースによる戦術を学ぶとよい。

ショートはセカンドベース、サードへのベースカバー。レフトもライトも当然動く。セカンドはファーストのカバーとなる。---------------------
これがバントシフト戦術の基本。

ところが、今回のケースはファーストベースへの送球が反れた事からバッターランナーの2塁進塁を警戒した。セカンドベースが空いた事で、そこに動いたセカンドベースマンの選択肢は正しい。

つまりケースにもより打球の方向や、今回の場合、3塁封殺で在ればピッチャーかキャッチャーが打球処理をし、サードに間に合わないと判断すれば確実にまず1塁でバッターランナーをアウトにするのがセオリーである。

<メジャーでもケースにより動くシフト>
因みにメジャーで、ヤンキースの黒田投手が、ノーアウトランナー1・2塁のケースでの投内連携の練習でコーチがマウンドへ行き言った。『バントさせて2・3塁にしても構わない。投手はゴロが転がされた場所を確認してから動けばよい!得点されても打線が取り返せるから安心しろ...』黒田投手は驚きをかくせなかったと云う。これこそケースに備えて動く、ということである。
ヤンキースの場合は強力打線が有っての事だが私はアメリカンベースボールで極端な野手のシフトや打者へのプレス・チャージは必要ないと指導された記憶がある。日本ではバントさせないよう際どく打者のバントし難いボールを投げるが、カウントを不利にするからノー!と云うのがリスクや投手のルーティンを大切にするのだ。したがってバントシフトは極論1点差ゲームの場合はそのケースによっての予備練習をする。

[ケースバイケースの象徴、これぞアメリカンベースボールだ]しっかりとした戦術をケースに合わせて準備する事がチームにとって大切な事である。

<最後にマンボウベースボールクラブでの2年間はとても充実し、黒田崇矢名誉監督、蓮本剛監督並びに私をマンボウへ導いてくれた藤澤選手兼任コーチには深く感謝している。またチームメイト、チーム関係者の皆さんにはとても質の高いベースボールとまた貴重な経験をさせてもらった。特に東京ライターズとの対戦での平野謙さん(元中日~西武~ロッテ。現・中日コーチ)との対戦は私を成長させてくれた。東京芸能人野球リーグ連盟会長の森山周一郎さんの御尽力に深く感謝しつつ更なるリーグの発展を念じてやまない>
合掌
注意※プレーエピソードと戦術は数多く有る戦術の一例に過ぎません。また他の戦術等の作戦
を決して否定するものでない事をご了承の程。(選手諸君、指導者の方々の健闘を念じて)



セイギョウ松林
SEIGYO  M.#00

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