アルセンチンタンゴの魅惑 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。




2024年6月19日19時公演

「キンテート」=クインテット
ヴァイオリン、ピアノ、バンドネオン、コントラバス、ギターの五重奏

アルゼンチンタンゴの、濃い陰影に惹かれます。
鋭いリズムに乗った哀愁のある旋律は、人生ってものの悲しさや切なさ、美しさの全てをのせているような気がします。
リズムは歯切れよく旋回してベースをかたどり。
旋律はあの独特の「行きつ戻りつ感」が切なくて、ただならぬ焦燥感、行き場のない想いを奏でる。

社交ダンスなんかにある、いわゆるダンス区分の「タンゴ」といささか固有名詞っぽい「アルセンチンタンゴ」の区別がついてなかったのですが、もともとタンゴはアルゼンチン…ブエノスアイレス生まれなのですね!それがヨーロッパに伝わって「コンチネンタルタンゴ」になったのだと…。

故郷を懐かしむブルーカラーの男たちが踊る、アルセンチンタンゴ。
いつまでも哀愁の残り香が消えないのは、それが発祥だからなのね。

ときどき、ラテン音楽をたまらなく聞きたくなるのは何故だろう。
合理性とか知的な止揚とかから離れて、人間らしい愚痴とか嘆きを思い出したい、感情に身を任せていいんだよ…って、言われたい気持ちがあるのかな。

このキンテート・レンテスのリーダー大柴拓さんは、音楽以外のパフォーマンス(お芝居とか朗読とか、もちろんダンスも)とのコラボや、アニメーション作品制作などにも挑戦している、才人。
才能溢れる人のエネルギーは、波動がこちらにまで伝わってくるようでした。