得難い演劇体験「おちょこの傘もつメリーポピンズ」 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。

 
 
 
2024年6月16日19時公演
 
友人のおかげで、見ることができました。
なにしろ200人しか入らないテント劇場。公演は夜だけ。当日券はWEB抽選とか。
勘九郎に豊川悦司、寺島しのぶ、風間杜夫、六平直政という有名俳優がそろってるから人気も仕方ない。
 
豊川さんの登場時には「トヨエツ!」とファンらしき方々からの掛け声、そして勘九郎が出だしで見得を切るとすぐ近くから「中村屋!」とお腹に響くよき声が。
ああ、いいなあこういうの。小さな小屋でお芝居観てるって感じだわーとじわじわ喜びが。
そうなんです、こういうのは配信では味わいづらい体験。
狭い椅子と平場、木を組んであって足元悪く、転びそうな客席。足の後ろは開いてるので物を落としがちだから気をつけて!と案内係(の俳優さん)が叫んでる、そんな風景。
 
最近考えたのですが、配信ってもう、めちゃめちゃありがたいシステムで涙出るし、経営の助けになること甚大…ではあると思うのですが、「旅番組」を観るに似てるなと。これは本題ではないのでまたの機会に。
 
さて、話はというと、3年ぶり唐十郎芝居(←泥人魚を見た)は情報?というのかな?科白も動きも感情も過剰で、いちいち考えていられない…唐芝居、通常運転です。
人間の考えてること全部科白にしてるのか?いやそうでもない、でもめちゃくちゃ突飛な行動に出る登場人物のかたがた。ついてくのに体力要ります。
 
そしてとても昭和…こんなにタバコが出てくる芝居ってありますかね?保健所は野犬狩りとかしてるし、女は◯◯で考える、とか言うし。でもそういうお芝居なんだもんね。
こんなに短い間に価値観は変わるのだ…それこそ、コペルニクス的転回。
 
話の軸が最後までなんだか腑に落ちないのだけど、ラストシーンが待ってました!とばかりの愉しさなので、まあいいかと。
 
いちいた科白のあれこれを吟味して「何かの伏線か?」みたいに考えてもしょうがない。
考えるより、ノリで感じろ!ってところでしょうか。
プロジェクションマッピングとか回り舞台とかの力を借りられないからこそ、役者さんの力量がくっきり迫ってくるし、エネルギーを近く感じられました。これぞ「場」の共有。
 
若干余談ですが、こんなことがあったらしい。
 
そして、持ち帰った演劇のフライヤーのかずかず…40枚くらいはあったかな。こんなにいろいろな舞台がかかっていて、役者さんが鍛練し、客を待ってる。見てみたいものもいろいろあるけどとても一人の体ではたちゆかぬ。
役者さんも、不勉強な私が存じ上げてるかたは全部見ても数えるほどで、宝塚OGは(見間違えでなければ)咲妃みゆちゃんだけでした。
 
宝塚ファンは「宝塚っていまいちメジャーになりきれない、マイナー舞台」ってお思いかもしれないが、いやいや、そんなことないんだなー立派な、大衆芸能ですわ、と感じてしまいました。
 
アフターは四丁目近辺(多分)居酒屋で。日曜なのにまたまた夜更かししてしまった…。