礼真琴の歌の力に泣いた。「BIG FISH」 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。




2024年6月2日11時、15時30分公演

下級生の応援かねて、久しぶりのマチソワ。
身体てきにしんどいかなーと思っていましたが、作品の良さにおされて堪能することができました。
素晴らしかったです。

映画やら先行上演ミュージカルはあるにしても、まだ開幕してまもないので詳細ネタバレ回避しますが…。

「Big fish」とはおおぼらふき?のスラングだとか。(友人から聞いたので詳細未確認)
家族の、特に父と息子の情愛を描いた作品です。

こないだから、星組前任トップスター時代の作品をスカステで流し見していたのですが、それと比較してしまうと、ほんとに同じ組とは思えない…す、すみません💦
それくらい全体のクオリティが違います。いや、宝塚はスキルだけではないよ、それはわかってるのですが今はスキルの話。
…やはりトップさんの技量はまことに大事なのだな、と。よくも悪くもそれが標準となる。

ラストのこっちゃんの歌には、知らぬうちに涙が流れて止まらずに困りました。この、圧倒的な歌の力よ…。
このシチュエーションが彼女の歌唱作法にぴったりだったのかもしれないけれど、泣きました。
そして涙で頬を濡らしている組子多数。それを見ると余計にぐっときた。お芝居上の涙の場面というよりは、トップスターの歌に感動してるのが伝わったから。礼真琴あっぱれ。この力には誰もが納得するだろう。

その他のキャストについて。

2番手は極美さん。頑張っていたと思います。最初のソロは聞かせるに充分で、だが進むにつれて(こっちゃんの穴なしパーフェクト歌唱とくらべてしまうと)、ま、いろいろなくもないのだが、ここ1年でぐんと成長したとおもいます。応援するしかない。
お芝居もよかった。意外と芝居好きなのかな…?
容姿はもはや申し分なく。劇団でもベスト3に入る完成度に恵まれてると思います。細くて頭小さくて胸なくて、10頭身くらい!そして美人。かっこよさと綺麗さを兼ね備えた理想の男役容姿。
これからの一層の輝きを期待します!

小桜ほのかちゃん。
上手いです。見た目もスキルも(かつての雪組2番手)彩吹真央さんそっくりだー。
ありさひとみちゃんと同じく多分娘①はないのだろうが、「頑張って歌ってます」ではなく自然に聞けて、誰もが「上手いねー」と思える汎用性の高いシンガーさんです。声質はちがうけど、シンガーとしての信頼度は真彩希帆さんに近いかな。

詩ちづるちゃん。
超絶可愛いのに上手い。そしてほどよく小柄で細い…脚なんて枝みたい。
男役にとっては、理想の宝塚娘役ですかね。次は彼女一択とは、おそらく誰もが異論なしでしょう。明日から日比谷界隈のミュージカルに出せます。
こっちゃんとのデュエット聞いていると、劇団は「だいきほ再び」と企てているのかなーと思いました。ダンスより歌の方がわかりやすいですものね。

その他のメンバー、安定のひろ香さんやらちゃりおやら、文字通りでっかい大希颯くんとか…みなさま本当に上手くて。
星組、安泰ですね。

…ここからは作品の話なのですが、このアメリカンドリームを内包した話、夢を語る膨らました話、若干妄想入ってる話…。
それが行きすぎると、ドナルド・トランプ的な話になるのかな、と思いました。
事実ではなく願望に根差した、いささか勝手なストーリー。いつしかそれが自分の本当になってしまうおとぎ話。
口達者なセールスマンが拵えたおはなし…そこに真実がないとは言わないけれど。

それがアメリカ合衆国という国の愛すべきところであり、内なる危うさだと思います。
この国は、いつまでも成熟から遠い。