人生には、薔薇のような女たちが必要だ。 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。


2019年4月9日18時公演

大劇場で初日&翌日を見て以来の『カサノヴァ』。

今回心を奪われたのは花娘たちの美しさ。品のある色っぽさ。
たびたび、みりおさまを取り巻く女たちのコールド…っていうか群舞がありますが、ほんとうにみんなきれい。可愛くて妖艶で、でもけっして安っぽくならないの。
赤いドレスの群舞は、まさに薔薇の化身みたい。

終盤、みりおさまがゆきベアトリーチェを『ひとりのひと』みたいに心に決めて歌う場面、取り巻いていた娘たちがひとりずつ、思い思いに笑顔で別れを告げていく。
『バイバイ、カサノヴァ』
『あなたはついに、見つけたのね』
『もう、みんなのカサノヴァじゃない』
『そんなあなたも、素敵』
『しあわせに、カサノヴァ』
『さよなら、わたしたちのカサノヴァ』
みたいに。
ある娘は顔のちかくで可愛く手を振って、べつの彼女は薔薇の花弁ようにひらひらと身を翻して。
その美しい微笑。それぞれの、とびきりエレガントな挨拶。
もう、みりおさまの素晴らしい歌をバックにこの美しすぎる場面、涙がじんわりと…。

なんでこんなに、綺麗なんだよー!

花組の舞台の完成度の高さ、バックグラウンドのひとつには、娘役のレベルの高さにありますよねー。

手のひらや二の腕の見せ方、からだをひねる角度、ドレスの裾に手をやるさま、目線。いったいどうやって身につけるのか…。
その身のこなしをみていると、目鼻立ちの小さな差や少しのボディラインの優劣なんてふっとんでしまい、一人残らず絶世の美女に見えてきます。
仕草とは、動きとは、かくも印象に大切…。
市井に生きる(笑)私たちにも、学ぶことがありそうですよね。

娘役が男役を素敵に見せる、とは宝塚の定石。
それがこんな美しき集団で来られると…もはやみりおさまは天上の美男にしか見えませんね♥️

カサノヴァは、全ての女たちを愛し、ドン・ジュアンは誰も愛さず自分だけを愛した。

『カサノヴァ』は皆を幸せにしたのですね。

薔薇は出るものではなく、咲くものだ❗