初Kindle読書として、ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」を読みました。本当はちびちび読んでいきたかったのですが、けじめをつけることができず、ずるずると読み進めてしまい、気づいたら昨日今日で読み終えていました…。
それにしても、なかなか読後感が爽快なストーリーですね!好きな人が多いのも分かる気がします。私も好きになったので、他のハインライン作品も読んでみようかという気持ちになっています。
まあストーリーを振り返ってみると、小説のつくりとしては「そこまで面白いか?」という感じもあります。プロット自体は単純だし(1950年代の作品なので、当然といえば当然か?)ストーリーはけっこう強引、演出にしても「もうちょっとなんとかならなかったのだろうか…」という感覚が少しあります。それでも「面白い」と感じられるのは、いったいなにゆえなのでしょう?
私としては、「夏への扉」があくまで「ドラマ」であり、SF的(もちろんサイエンスフィクションです)要素は舞台装置に過ぎない、という点が重要なのではないかと思います。確かにこの小説は「ザ・SF」というくらいSF比率が高く、それなしには物語自体が成り立たないわけですが、一方で語られているストーリー自体は「ふつうのドラマ」と言って差し支えないくらいのドラマになっていると思います。少なくとも私にとっては、登場人物は「その辺にいそう」な感じの人たちばかりであり、(必ずしも善ではないけれど)それなりの個人的な信条に従って動くまっとうなキャラクターでした。描かれているトピックもけっこう普遍的なものばかりであり、おそらくそれが時代を超えた人気の理由の一つでもあると思います。
おそらく私は、そういう人間ドラマが好きなのだと思います。確かに普通のドラマとかノンフィクションに比べるとファンタジーとかSFとかの方が好きなのですが、それはあくまで「舞台装置としての」ファンタジー/SFなのだと思います。そしてむしろ、そういった「もしもの世界」で描かれる仮想の、しかし現実世界にも敷衍しうるような種類の問題に対して、リアルなキャラクターがどう考え、どう行動するか、ということに、私の興味はあるのではないかと思います。(なぜ「もしもの世界」なのでしょう?…よくわからないのですが、恐らくは「リアルな世界」だと「リアルな展開」以外があまりにご都合主義的に見えてしまうせいなのではないかと思います)
考えてみると、私は自分と同じかそれ以上にヘタレたキャラクターは嫌いです。少なくとも、「弱さを見せるにしても、それを見せてもしょうがないと『私』が納得できるような状況を描いてほしい」と思っています。それも恐らく、キャラクターの気持ちや行動をリアルに感じて、感情移入したいからなのではないかと思います。
「夏への扉」でもう一つ小気味よかったのは、文章の雰囲気です。比較的どうでもいいような地の文でもウィットに富んでいて面白かったし、最後の終わり方もけっこう好みでした。もちろんこれは、翻訳した人のやりかたもうまいのでしょうね(福島正実さんという方でした)。うまく元の文章の魅力を引き出せているように感じました。
しかし、Kindle版のハヤカワは、なんとも味気ないですね…。表紙もないし、最初のページに原題も書かれていない、「翻訳権独占」みたいな記載も出てこない(まあこれは単にこの本がそうでないだけ、という可能性が高いですが)。紙の本のときのような「本の世界への入り口」がなくて、なんとなく勿体ないと思いました。
我が家はアパートの最上階です。冷房も設置されていないので、最近はとにかく暑い…。とくに午前中は直射日光が部屋に入るので、カーテンを閉めても蒸し風呂状態です。冷房無しで空気を冷却するには、どうしたものでしょうね。
引き続き、気が進まなくて辛い作業に従事している。以前、「気分の維持にポジティブフィードバックが重要」ということを書いたけれど、それ以外にも自分のモチベーションを上げるのに役立ちそうな方法に気づいたので、覚え書きとして記録する。考えてみると、ビジネス書などではよく出てくる気がするのだけれど。
それは、「初心を思い出す」ということである。普通に仕事をしていると、どうしても「この目標を達成するために、いつどのような手段を講じるべきか」という逆算型の思考に陥ってしまう。この考え方は確かに便利な反面、「過去の自分が決めたレールに、現在の自分が縛られる(しかもその有用性は分かるから、レール自体を捨てるわけにもいかない)」という状況が大きな閉塞感を生むことがある。
こんなときに重要なのは、いったん上のスケジュールを忘れて、「自分は何をするのが好きでこの仕事をしているのか?」という原点に戻ってみる、ということである。とくに自分にとって重要なのは「目標指向」ではなく「状態指向」だと思う。すなわち、自分の場合は「~を達成するために」という考え方ではなく、
「~という作業が好き」
「だから今、この仕事をしている」
「だから今、ここにいる」
という文言をリアルに思い浮かべて噛み締める、ということで、ある程度リフレッシュして「つらいスケジュール」に向き合うことができるような気がする。あるいはもしかすると、単に自分の場合を考える前に、「『自分の原点に返って、絶望・失望を乗り越える』というタイプの物語を読み返す」という方法の方が、案外よりスムーズに「そういう」心境に入れるかもしれない(というより、そもそもこれに気づいたのが、現実逃避的に読んでいた漫画にこういうタイプのエピソードが出てきたおかげなのだけれど)。
考えてみると、それこそ「初心」というものなのではないかと思う。「初心忘るべからず」は、単に自分のこれからを考え直すときだけでなく、自分の前の壁を乗り越えるときにも重要な考え方であるように思える。
引き続き、気が進まなくて辛い作業に従事している。以前、「気分の維持にポジティブフィードバックが重要」ということを書いたけれど、それ以外にも自分のモチベーションを上げるのに役立ちそうな方法に気づいたので、覚え書きとして記録する。考えてみると、ビジネス書などではよく出てくる気がするのだけれど。
それは、「初心を思い出す」ということである。普通に仕事をしていると、どうしても「この目標を達成するために、いつどのような手段を講じるべきか」という逆算型の思考に陥ってしまう。この考え方は確かに便利な反面、「過去の自分が決めたレールに、現在の自分が縛られる(しかもその有用性は分かるから、レール自体を捨てるわけにもいかない)」という状況が大きな閉塞感を生むことがある。
こんなときに重要なのは、いったん上のスケジュールを忘れて、「自分は何をするのが好きでこの仕事をしているのか?」という原点に戻ってみる、ということである。とくに自分にとって重要なのは「目標指向」ではなく「状態指向」だと思う。すなわち、自分の場合は「~を達成するために」という考え方ではなく、
「~という作業が好き」
「だから今、この仕事をしている」
「だから今、ここにいる」
という文言をリアルに思い浮かべて噛み締める、ということで、ある程度リフレッシュして「つらいスケジュール」に向き合うことができるような気がする。あるいはもしかすると、単に自分の場合を考える前に、「『自分の原点に返って、絶望・失望を乗り越える』というタイプの物語を読み返す」という方法の方が、案外よりスムーズに「そういう」心境に入れるかもしれない(というより、そもそもこれに気づいたのが、現実逃避的に読んでいた漫画にこういうタイプのエピソードが出てきたおかげなのだけれど)。
考えてみると、それこそ「初心」というものなのではないかと思う。「初心忘るべからず」は、単に自分のこれからを考え直すときだけでなく、自分の前の壁を乗り越えるときにも重要な考え方であるように思える。
Amazon Kindleが届きました。思っていたほどではありませんが、なかなか快適です。これで読書もはかどりそうな予感がします。
クラシック音楽の場合、面倒な要因になりうるものの一つが「楽章」やらの存在だと思います。確かに慣れればそれらも構成要素の一つとして楽しめるし、別に特定の楽章しか聴かなくても何ら悪いことはないのですが(別々に演奏されていた時代もあるくらい)、「~楽章だけ聴く」というのもやはりハードルが高いように私は感じます。
さらに問題になるのが、「つかみ」がわかりにくい、というところだと思います。必ずしも分かりやすいメロディーラインがあるわけでもないので、慣れないと「主題って、どれ?」「え、まだ提示部なの?」みたいな状況がよく出てくる気がします。そんな五里霧中な状況では、聴いていても苦行になることが多い気がします。
そういう問題がある場合にお薦めなのが「序曲」です。元々は歌劇やオペラなどの序曲、という意味ですが、本編のない「序曲という形式の曲」、というものもけっこうあります。言うなれば、色々な要素を詰め込んだ「テーマ音楽」としての位置づけになると思います。必ずしもソナタ形式に沿っているわけではないのですが、序曲の場合、
そのなかで紹介させて頂きたいのは、チャイコフスキーの序曲「1812年」です。調べてみると、「のだめ」の「最終楽章」でも使われたそうですね。
序曲「1812年」
あくまで個人的な感想なのですが、チャイコフスキーは序曲に限らず、キャッチーな曲を作るのが本当にうまいと思います。「白鳥の湖」「くるみ割り人形」を始めとして、交響曲や協奏曲などでも「記憶に残るメロディー」「わかりやすい盛り上がり」という構成要素を持った曲をたくさん作っていると思います。
しかもチャイコフスキーがすごいのは、「記憶に残るメロディー」が曲ごとにかなり違う、ということなのです。J-POPなどでも、人気アーティストの曲はだんだん「王道」が決まってきて、良くも悪くも期待を裏切らない感じになってくることが多いですが、チャイコフスキーの場合はそういう要素が非常に少ないと思います。ここは本当に尊敬します。
「1812年」について、説明することはあまり多くありません。これはナポレオンのロシア遠征を、ロシア側の視点から描いた曲です。
「ナポレオン率いるフランス軍が破竹の勢いで進撃してきて、一旦はモスクワ制圧まで至るが、ロシア軍が全軍を集結させて反撃し、冬将軍もあってフランス軍は潰走する」
という筋書きです。曲自体も非常に叙事的な上、もともと巷で知られていた曲を織り交ぜて作っているので、描いている対象もけっこう分かりやすいと思います(さっきまでのチャイコフスキー上げとは矛盾していますが…)。大砲を使った演出など、非常にドラマチックな出来の曲です。紹介している演奏ではバンダ(Banda; 別働隊の管楽器群、12:24ごろから出てくる)も使用しており、さらに華やかな感じになっています。
主に出てくるモチーフは、以下の通りです(以下に示した場所だけでなく、断片となって他の部分にも出てきます):
他にも「序曲」に相当するものはいろいろあります。他に個人的に好きなのは、以下の曲です。1曲ずつ語りたいのはやまやまなのですが、おそらく余計に鬱陶しくなると思いますので、やめておきます。気に入った曲があれば、同じ作曲家の別の序曲も聴いてみるのがよいかもしれません。
チャイコフスキー 幻想序曲「ロミオとジュリエット」
ヴェルディ 「運命の力」序曲
サン=サーンス 死の舞踏
ウェーバー 「魔弾の射手」序曲
モーツァルト 「フィガロの結婚」序曲
ワーグナー 「タンホイザー」序曲
ベートーベン 「エグモント」序曲
クラシック音楽の場合、面倒な要因になりうるものの一つが「楽章」やらの存在だと思います。確かに慣れればそれらも構成要素の一つとして楽しめるし、別に特定の楽章しか聴かなくても何ら悪いことはないのですが(別々に演奏されていた時代もあるくらい)、「~楽章だけ聴く」というのもやはりハードルが高いように私は感じます。
さらに問題になるのが、「つかみ」がわかりにくい、というところだと思います。必ずしも分かりやすいメロディーラインがあるわけでもないので、慣れないと「主題って、どれ?」「え、まだ提示部なの?」みたいな状況がよく出てくる気がします。そんな五里霧中な状況では、聴いていても苦行になることが多い気がします。
そういう問題がある場合にお薦めなのが「序曲」です。元々は歌劇やオペラなどの序曲、という意味ですが、本編のない「序曲という形式の曲」、というものもけっこうあります。言うなれば、色々な要素を詰め込んだ「テーマ音楽」としての位置づけになると思います。必ずしもソナタ形式に沿っているわけではないのですが、序曲の場合、
- 1曲でひとまとまりになっている
- たいがい、1曲のなかにわかりやすい起承転結(あるいは序破急)がある
- メロディーがわかりやすい場合が多い
そのなかで紹介させて頂きたいのは、チャイコフスキーの序曲「1812年」です。調べてみると、「のだめ」の「最終楽章」でも使われたそうですね。
序曲「1812年」
あくまで個人的な感想なのですが、チャイコフスキーは序曲に限らず、キャッチーな曲を作るのが本当にうまいと思います。「白鳥の湖」「くるみ割り人形」を始めとして、交響曲や協奏曲などでも「記憶に残るメロディー」「わかりやすい盛り上がり」という構成要素を持った曲をたくさん作っていると思います。
しかもチャイコフスキーがすごいのは、「記憶に残るメロディー」が曲ごとにかなり違う、ということなのです。J-POPなどでも、人気アーティストの曲はだんだん「王道」が決まってきて、良くも悪くも期待を裏切らない感じになってくることが多いですが、チャイコフスキーの場合はそういう要素が非常に少ないと思います。ここは本当に尊敬します。
「1812年」について、説明することはあまり多くありません。これはナポレオンのロシア遠征を、ロシア側の視点から描いた曲です。
「ナポレオン率いるフランス軍が破竹の勢いで進撃してきて、一旦はモスクワ制圧まで至るが、ロシア軍が全軍を集結させて反撃し、冬将軍もあってフランス軍は潰走する」
という筋書きです。曲自体も非常に叙事的な上、もともと巷で知られていた曲を織り交ぜて作っているので、描いている対象もけっこう分かりやすいと思います(さっきまでのチャイコフスキー上げとは矛盾していますが…)。大砲を使った演出など、非常にドラマチックな出来の曲です。紹介している演奏ではバンダ(Banda; 別働隊の管楽器群、12:24ごろから出てくる)も使用しており、さらに華やかな感じになっています。
主に出てくるモチーフは、以下の通りです(以下に示した場所だけでなく、断片となって他の部分にも出てきます):
- ロシア国民のモチーフ(最初~、12:24ごろ~) 正教会の聖歌「神よ汝の民を守りたまえ」らしいです。
- 「第1主題」(1:53ごろ~) フランス軍が近づき、高まる緊張感・恐れ戦くロシア国民を反映しているようです。
- ロシア軍行進のモチーフ(3:53ごろ~、13:23ごろ~) これもチャイコフスキーのオリジナルなのでしょうか。
- フランス軍のモチーフ(5:03ごろ~、9:35ごろ~、11:00ごろ~) フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」の一部(サビ)です。
- 「第2主題」(6:22ごろ~、10:03ごろ~) ロシアの情景らしいです。戦闘があった地域の民謡を取り入れているそうです。
- ロシア軍凱旋のモチーフ(13:33ごろ~) ロシア帝国の国歌「神よ皇帝を守りたまえ」の一部です。
他にも「序曲」に相当するものはいろいろあります。他に個人的に好きなのは、以下の曲です。1曲ずつ語りたいのはやまやまなのですが、おそらく余計に鬱陶しくなると思いますので、やめておきます。気に入った曲があれば、同じ作曲家の別の序曲も聴いてみるのがよいかもしれません。
チャイコフスキー 幻想序曲「ロミオとジュリエット」
ヴェルディ 「運命の力」序曲
サン=サーンス 死の舞踏
ウェーバー 「魔弾の射手」序曲
モーツァルト 「フィガロの結婚」序曲
ワーグナー 「タンホイザー」序曲
ベートーベン 「エグモント」序曲