雑話182「記録ずくめの現代美術オークション」
この5月にNYで開催されたクリスティーズの現代美術オークションが、美術品のオークションとしては史上最高の売上高を記録しました。
ポロックの作品を競売中のクリスティーズのオークション会場
クリスティーズは、この夜だけで4億9502万1500ドル、日本円にして約500億円の美術品を売ったのです。それまでの記録は、クリスティーズの印象派のオークションが2006年に達成した約4億9400万ドルでした。
今や、オークション市場では、現代アートが印象派を完全に凌駕したといっても過言ではないかもしれません。
それでは、その記録に貢献した高額作品のいくつかをご紹介しましょう。この夜最も高額な作品となったのが、ジャクソン・ポロックの「ナンバー19、1948」です。
ジャクソン・ポロック「No.19、1948」1948年
このドリッピングと呼ばれる、刷毛やコテから絵具を滴らせる技法を使った絵画は、約5836万ドル、日本円にして約60億円で落札されました。
落札予想価格が2500万ドル~3500万ドルでしたので、かなり白熱したオークションだったようです。これは、オークションで売れたポロックの作品につけられた、史上最も高額な価格となりました。
次に高額な作品となったのが、ロイ・リキテンシュタインの「花飾りの帽子の女性」です。
ロイ・リキテンスタイン「花飾りの帽子の女性」1963年
ピカソの作品にポップアート方式のアレンジを施した作品は、5612万ドル、日本円で57億円で落札されました。この作品も、リキテンシュタインのオークション最高価格を記録しました。
この作品の落札予想価格は問い合わせが必要だったのですが、3000万ドルから4000万ドルでしたので、ポロック同様予想を大きく上回る結果になりました。
3番目に高額だったのが、ジャン=ミシェル・バスキアの「ダストヘッズ」いう作品です。
ジャン=ミシェル・バスキア「ダストヘッズ」1982年
この巨大でファンキーな絵画は、4884万ドル、日本円で約50億円で落札されました。この作品もまた、2500万ドル~3500万ドルという落札予想価格を大きく超えて、バスキアのオークション落札記録を更新しました。
この夜のオークションでは、70の作品のうち不落札だったのはわずか4作品で、落札された66作品のうち、なんと59作品が100万ドル(1億2千万円)を超える価格で落札されました。
さらに、23作品が500万ドル(6億円)を超え、9作品が1000万ドル(1億2千万)を超えました。
日頃、あまり目にする金額ではないだけに、現実的には聞こえないかもしれませんが、世界中のお金が現代アートに集まっているといえるのではないでしょうか?



