絵画BLOG-フランス印象派 知得雑話 -40ページ目

雑話238「サンクス・フォー・ナッシング」

下の記号のようなもの、何だと思いますか?




実は、これも立派な芸術作品なのです。


作者は、ネイト・ロウマンという1979年生まれ、若干35歳のアメリカ人芸術家です。


ネイト・ロウマン

彼はしばしばアメリカン・ポップ・アートの暗黒面の後継者などと呼ばれています。


さて、この作品、よく見るとどこか見覚えがあるのではないでしょうか?


これは私たちが日常よく目にする2つの記号を組み合わせたものなのです。


ひとつは、黄色い円形に笑顔が描かれたキャラクターで、日本ではニコニコマークと呼ばれているものです。




もう一つは禁止を示す交通標識です。




そうすると、ニコニコマークと禁止のサインを組み合わせたこの作品にはどんな意図が含まれているのでしょうか?


笑顔禁止?もちろん、そうではありません。


ニコニコマークは若い世代にとって、象徴的な図像となっています。


ロウマンは、多くの人々はしばしば手紙を書くときに、この幸せのシンボルマークを使うが、自分が幸せだなんて表現するのは気違いじみた衝動であり、自分には受け入れ難いものだとしています。


タイトルの「サンクス・フォー・ナッシング(Thanks for nothing.)」とは、何もしてくれなかったり、役に立たなかった相手に対して、「ありがとう」をいう皮肉のフレーズです。


この作品は、ニコニコマークと禁止を意味する標識をうまく融合させて、現代の文化に溢れるニコニコマークの皮肉な相方を提供したのです。


ところで、この「サンクス・フォー・ナッシング」は今週ロンドンで開かれるオークションに出品されています。落札予想価格は何と10万ポンドから15万ポンド、日本円で1700万円から2250万円です。


この価格を聞いて、驚かれた方も少なくないことでしょう。この作品の落札結果は、機会があればまたご報告したいと思います。