雑話30「印象派と同時代の画家① ピュビ・ドゥ・シャバンヌ」
ピエール・ピュビ・ドゥ・シャバンヌ(Pierre Puvis de Chavannes 1824-1898)の名前を知っている人は少ないでしょう。
彼は19世紀のフランスで、印象派とも、そして印象派と対立したアカデミズムの画家とも違う、独自の画風で活躍しました。
その絵は古典的なモチーフを抑制された色調と平板な表現で描かれており、その静かな画面は宗教的で静謐な雰囲気で満たされています。
シャバンヌの絵はデビュー当初、その高貴さや壁画的な簡潔さが理解されず、また寓話やロマン主義的な要素を取り入れずに一般人の生活を表現しようとした事で評価されませんでした。
ピエール・ピュビ・ドゥ・シャバンヌ「海辺の若い女性」1879
しかし、彼の絵に影響を受けた画家は数多く、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、ドニ、ピカソなど後の巨匠達もいます。
1890年にシャバンヌの「芸術と自然の間」の準備段階のバージョンを見たファン・ゴッホは彼の絵について”遠い過去と新鮮な現代性の不思議で幸せな出会い”であると言っています。
ピエール・ピュビ・ドゥ・シャバンヌ「芸術と自然の間」1888-1890
彼はまた、パリやリオン、ルーアンなどフランスの主だった都市やアメリカのボストンの公共的な建築物に数多くの壁画を描いており、19世紀最大の壁画家と称されました。
最後の20年は欠点とみなされた彼の特徴が評価され、フランスにおける地位はゆるぎないものとなりました。晩年の彼の絵画には皆人間の精神の持つ神聖さと、終わりなき探究心や熱望、人類の道徳の源泉を形作る不安を持って描かれています。
