雑話49「モディリアーニの伝説と芸術①・・・伝説」
先々週の11月2日、NYのオークションにてモディリアーニの「安楽椅子の上の裸婦」が彼の作品の最高落札価格記録を更新する6896万ドル(約56億円)で落札されました。
アメデオ・モディリアーニ「安楽椅子の上の裸婦」1917年
当初の落札予想価格である4000万ドル(約32億円)を大きく上回ったこの作品は、モディリアーニが1917年に描いた最も重要な裸婦のシリーズの1つだと言われています。
モディリアーニは、エコール・ド・パリと呼ばれている、20世紀初頭にモンマルトルやモンパルナスを拠点として活躍した、主に外国から来た芸術家のグループの一人で、彼の出身はイタリアです。
ハンサムでお洒落だったモディリアーニ
ピカソに”パリで唯一ドレスアップの仕方を知っている男”だと言わしめた
彼の描く、面長で首が長く瞳のない目の肖像画は誰が見てもわかるほど特徴的で有名ですが、彼についての伝説も彼の絵に勝るとも劣らないほど有名でしょう。
ここにモディリアーニの伝説となった人生を簡単にご紹介しましょう。
イタリアから芸術家を目指して出てきた、ハンサムでお洒落なモディリアーニは女性にはめっぽうモテますが、肝心の芸術は理解されず、まったく売れません。
子供の頃から病弱だった彼は、病気の苦痛と将来への不安から逃れるように酒と麻薬に溺れ、生活は荒廃していきます。
極貧生活の中で治療もままらなず、失意の中で若くして病死してしまいます。
すると、両親の反対も押し切って一緒に暮らしていた若く美しい妻のジャンヌも、身重であるにもかかわらず、2日後に後追い自殺をしてしまうのです。
モディリアーニの妻、ジャンヌ・エビュテルヌ
モディリアニと出会う前は藤田嗣治のモデルをつとめた
モディリアーニのこうした伝説は映画にもなり、中でもジェラール・フィリップ主演の「モンパルナスの灯」が有名です。
映画「モンパルナスの灯」のポスター
フランス映画界きっての美男子だったジェラール・フィリップもモディリアーニと同様若くして亡くなっており、今でも中高年のファンが多いのだとか。
こうしてゴッホと同様にモディリアーニは、生前その芸術が認められることなく、また幸せな人生を送ることもないまま亡くなってしまい、故人になってようやく評価されることになった悲劇の芸術家の代表となったのです。
しかし、荒廃した人生とは対照的に、モディリアーニの芸術は真面目で野心的なものでした。
次週はその芸術についてご紹介しましょう。