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雑話151「秋のNYオークション 注目作品その①」

11月も間近に迫り、いよいよニューヨークのオークションシーズンがやってきました。


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サザビーズのオークション会場

今年の5月、ムンクの「叫び」が競りにかけられている時の様子

世界の2大オークション会社であるサザビーズ、クリスティーズには、毎回印象派やモダンアートの有名作家の作品が多数出品されていて、見るだけでも十分楽しめる内容です。


さて、このブログでは、今週から2週に渡って両社それぞれの最高の落札予想価格がつけられた作品をご紹介します。


今週は、世界最古の美術品オークション会社である、サザビーズの作品を取り上げます。


サザビーズの作品の中で、最も高額なものとなったのは、ピカソの「チューリップのある静物」です。落札予想価格は3500万ドルから5000万ドル、日本円にして28億円から40億円です。


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パブロ・ピカソ「チューリップのある静物」1932年

これはマリー=テレーズ・ワルテルという女性を描いたもので、彼女は当時ピカソの愛人であり、彼の芸術のインスピレーションを呼び起こす女神でした。この絵の中で、マリー=テレーズは神聖な崇拝の対象として描かれています。


ピカソが彼女と出会ったのは1927年1月、ピカソが45歳の時でした。彼はパリの有名百貨店であるギャラリー・ラファイエット近くの路上を歩いていた時に、地下鉄の出入口から出てくる彼女を見て思わず腕をつかんだのだそうです。


そのときまだ17歳だったマリー=テレーズは額から真っすぐに伸びるギリシャ風の鼻とうつろなほどの青灰色の瞳、北欧人のようなブロンドの髪と健康そうな体つきをしていました。


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マリー=テレーズ・ワルテル

彼女の腕をとったピカソは、モデルになってくれるように頼んだあと「君と僕とはすごいことをしようとしているんですよ」といったそうです。


ピカソは最初、マリー=テレーズをモデルに巨大な石膏の彫刻を制作しました。石油ランプの明かりのもとで、薄暗い空間に浮かび上がる白く輝く姿はピカソを虜にしました。


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パブロ・ピカソ「女性の胸部」1931年

1931年の終わりごろから、ピカソはその彫刻のイメージを絵画の中に取り入れるようになりました。彫刻となったマリー=テレーズの頭部は、高い台座に載せられ、蔓の冠を被せられて、崇拝の対象となったのです。


この作品を描いた1932年は、ピカソの輝かしい経歴の中でも絶頂期にあたり、他にも多くの傑作を生み出しています。


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パブロ・ピカソ「夢」1932年

※ピカソの最高傑作のひとつ、モデルは同じマリー=テレーズ

さて、この「チューリップのある静物」は2000年の5月に、クリスティーズのオークションにて2860万ドルで落札されています。


今回のサザビーズの予想価格は、最低でも2000年の落札価格より25%アップを見込んでいるようです。確かに、ピカソの価格は2000年から比べてもずいぶんと高くなっていますが、はたしてどうなるのでしょうか?


注目のオークションは、11月8日の現地時間の19時から始まります。高額で落札された場合は日本のメディアにも取り上げられることでしょう。


当ブログでも、帰国後にこの報告をさせていただきます。

お楽しみに。