絵画BLOG-フランス印象派 知得雑話 -109ページ目

雑話169「ピカソのゴールデン・ミューズ」

先週に引き続き、2月のロンドンのオークションにて高額で落札された作品をご紹介します。


今週の作品は、サザビーズにて約2860万ポンド、約41億7500万円で売却されたピカソの「窓際に座る女性」です。


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パブロ・ピカソ「窓辺に座る女性」1932年 146×114cm

ピカソの「黄金の女神」であったマリー・テレーズ・ワルテルを描いたこの作品は、彼の最も伝説的な作品のひとつです。


この巨大で官能的な絵画は、20世紀美術における愛・セックス・欲望の象徴として絶大に君臨しています。


マリー・テレーズは愛・モデル・女神というピカソにとって理想的なタイプを体現していました。


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マリー・テレーズ・ワルテル

彼女はピカソに官能性への開放を促し、1930年代初めの寄りかかったり、寝ている裸婦のシリーズのインスピレーションを与えました。


ピカソはマリー・テレーズを通して、女性像の新たな豊かさを発見しました。それは、1920年代の堂々としたネオクラシックな裸婦ほど重々しくなく、豊かさと楽しみを約束するものでした。


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パブロ・ピカソ「浜辺を走る2人の女」1922年

こうしたマリー・テレーズを描いたすべての作品の中で、おそらく最も印象的なものが、1932年に描かれた、厳粛で輝きを放つ「窓辺に座る女性」でしょう。ここで、彼女は愛・モデル・女神の3つすべての役割を果たしています。


服は着ているものの、その容姿の官能性は、椅子や部屋、窓の直線と対照的に、身体や服のグラマーで、膨れるような輪郭の中に保たれています。


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「窓辺に座る女性」(部分)

彼女の堂々とした様子や雄大さのために、シンプルな服装でガランとしたスタジオにいるマリー・テレーズは、苦悶や性欲の雑念が見られない女性の姿で、伴侶の役割を担っています。


この絵画において、ピカソはトラブル続きの10年間(※1)の一時的な天国、昔ながらの静けさと平静を実現したのです。


※1 当時妻だったオルガ・コクローヴァとの結婚は破綻していましたが離婚できず、ピカソは妻の無残な姿を描くことに夢中になっていたそうです。