先月に大阪で10年以上大手学習塾に勤務されて、2年前に名古屋に移り個人塾を開業した方と話す機会がありました。挨拶の後で定期テストと入試の話題になりました。さすが関西の方なのでいきなり本題にグイっと入る会話の上手さ!
「愛知の入試問題があまり難しくないことは知っていたんですけど、反対に定期テストが難しいことにビックリしていますわ。入学直後のテストでも400点取るハードルは高いように思いますし、5教科の平均が250点を切るようなことも普通にありますね。大阪で働いていた最後の2年は本部で全校舎の中学のテストを管理していたんですけど、その中でも一番難しいレベルが普通にバシバシ実施される感覚ですね」
私もこれは何となく感じていました。ネットの情報では以下のような発信をよく見ます。
「定期テストは80点以上が当たり前」
「国語なんか教科書題材から出されたらみんなできるでしょ」
「もうちょっと数学なんかは未見の問題も出してくれないと」
「うちの塾は生徒の30%が450点以上を達成!」
素直にすごいと思うと同時に「いやいや周辺の中学に全校750人いるけど、450点以上は4人だぞ。塾生の3割が450点って…」という思いもたびたび。
実際に数字やデータで調べてみましょう。
まずは愛知県公立高校入試のマーク化以降の平均点です(満点22点×5教科)
2023 国14.8 数15.2 社11.5 理12.3 英12.7 合計66.5(60.5%)
2024 国11.2 数12.3 社12.9 理11.3 英14.8 合計62.5(56.8%)
こちらはまた分析記事をアップしたいですが、23年の社会と24年の国語は過去最高レベルで難しかったです。マーク化以降他県より明らかに易しめなのが英語で、もしかしたら全47都道府県でも最も易しい入試問題かもしれません。
英語の易しさはこちらの表からも明らかです。多分愛知県の中学生の英語力は全都道府県で40~45番目くらいになると推測されます(これはこれで問題なのですが…)。名古屋市は昨年大幅改善したのですがそれ以外の地域は全国最低の水準なのは間違いありません。それでいて入試の平均得点率が67%ですから非常に簡単な入試問題なのです。
次に近隣中学の昨年度中3の2学期中間&期末テストの平均点を並べてみます。
A中 中間 国58.5 数56.3 社69.1 理53.0 英59.2 合計297.0(59.4%)
A中 期末 国56.5 数51.6 社43.4 理66.6 英51.5 合計269.9(54.0%)
B中 中間 国52.8 数53.6 社65.5 理66.2 英57.7 合計295.8(59.2%)
B中 期末 国60.9 数53.2 社63.2 理53.2 英62.3 合計292.9(58.6%)
C中 中間 国48.7 数44.0 社59.1 理42.0 英40.9 合計234.7(47.0%)
C中 期末 国53.3 数51.3 社63.4 理50.2 英51.4 合計269.6(53.9%)
D中 中間 国53.8 数46.7 社52.7 理52.4 英51.2 合計256.8(51.4%)
D中 期末 国45.8 数47.3 社52.6 理54.8 英44.4 合計244.9(49.0%)
こんな感じで公立高校入試の得点率よりも低い数字が目立ちます。特に英語と数学に関しては明確に入試の方が易しいと感じます。これは神奈川県や千葉県や大阪府ではあり得ない傾向です。ネット上の教育、入試関連の情報は首都圏や近畿圏の話題が多いのでこの点は勘違いがないようにしたいですね。
内申点の付け方も愛知県は他県と異なる傾向があります。その2ではその部分を書いていきます。