机上とYouTubeだけでは辛い問題 その3(終) | ワンラン日記

ワンラン日記

愛知県岩倉市八剱町「ワン学習塾」の日記。
さらに、代表・犬童の「ラン日記」の二本立て。
2017年は記録足踏みも2018年こそ目指せサブ3!
BEST:10km…40:01 ハーフ…1:26:45 フル…3:10:55

 

過去2回のブログの続きです。

 

 

 

海もいいけど高千穂峡も行ってみたいな。

滝もあって、神秘的な雰囲気を感じられる所だと思うよ。

かつては日向国と呼ばれ、天孫降臨の地、神々が降り立った地とも言われているみたい。

⇒【学校度0】今回取り上げた問題で最も難しい文章だと感じたのがコレでした。高千穂も日向国も授業では取り扱われませんね。自分が知ったのは信長の野望ですかね。また伯父が霧島に住んでいるので「あれが新燃岳、あちらが韓国岳、向こうが高千穂峰じゃ」と話されたことがありますね。東海地方の一般的な中学生には難解です。

 

① 温暖な気候を生かして、野菜の促成栽培がおこなわれ、おもにピーマンやきゅうりなどが冬の時期に大都市に出荷される。

⇒【学校度100】促成栽培は頻出ですね。ここで高知と宮崎だな!とすぐ出てくるかがポイントですね。

 

② 桜島がある。この地域一帯には過去の山々の噴火による噴出物が厚く堆積しており、シラス台地が広がっている。

⇒【学校度100】こちらも鹿児島を表すときに頻出でされる表現です。北も南も2番目までは理解が良いんですよね。北海道・青森と沖縄・鹿児島。これが岩手や秋田、熊本や宮崎になると正答率が下がりますね。

 

③ 気候が温暖で、地形的に山がちな斜面の多い地域であるため、果樹栽培がさかんで、特にみかんや梅の栽培が有名である。

⇒【学校度30】みかんが静岡・和歌山・愛媛なのはそれなりの受験生が知っている知識でしょうが、梅になるとどうなのかなあと。初夏にスーパーに行って梅(和歌山産)のポップとかで学ぶのが王道かなと。梅干しを食べる子なんかは減っているイメージあってなかなか難しいですね。

 

④ この地域は冷帯に属し、冬は厳しい寒さが長く続く一方、夏は短く梅雨がないので過ごしやすい気候である。

⇒【学校度80】まあ多数の生徒が分かるのではないでしょうか?固有名詞が無いのが少しだけ気になりますが。

 

 

そういえば、この間テレビで見たけど銀山温泉も行ってみたいなあ。

その地域は花笠祭りでも有名だよね。

東北地方には、伝統的な夏祭りが各地にあって素敵だね。

⇒【学校度20】恥ずかしながら銀山温泉は知りませんでした。尾花沢市にある風情のある温泉街ですね。花笠祭りは教科書に載っていますが、ねぶた祭りや竿燈祭りに比べるとインパクトが小さい気がします。これで山形県と分かる子は非常に少ないでしょう。私は小2の時の運動会の演武で花笠音頭を行いました。その練習の時に「これは山形の踊りであること」を担任から説明されビデオを見ましたね。そのお蔭で花笠祭り=山形県はインプットされています。

 

① 県の東側にはリアス海岸で有名な三陸海岸が広がり、こんぶ・わかめ・かきなどの養殖がさかんな地域もある。

⇒【学校度70】私はこれを宮城県と判断しましたが、岩手県でも通じますよね?リアス海岸と三陸海岸で東北の太平洋側とはわかるのではないでしょうか?

 

② 松尾芭蕉の「奥の細道」の俳句でうたわれている最上川が県の中枢を流れ、その河口には庄内平野が広がっている。

⇒【学校度40】最上川と庄内平野を日本地図の中から選ぶことがありますが、山形か秋田かは区別が付かない気がします。また東北で最も頻出の川は北上川。国語の古典でも平泉の様子が出てくるのでそれと勘違いして岩手と間違える子が多いのではないでしょうか?

 

③ 日本海に面し積雪の多い地域で、ユネスコの無形文化遺産に登録された「なまはげ」という年中行事がある。

⇒【学校度30】なまはげも「秋田」ではなく「東北」捉えているのではないでしょうか。私の頃の国語の教科書にはなまはげの説明文がありましたよね?後は桃鉄「ナマハーゲン」貧乏神より面倒な鬱陶しい奴です。今のザ・ワールド版でも暴れていますねw

 

④ 親潮の影響で「やませ」と呼ばれる冷たく湿った北東の風が吹くため、農産物が十分に育たない冷害が生じることもある。

⇒【学校度80】東北地方といえばやませなので頻出なんですがこれでは県が特定できないなあ。。と感じました。

 

選択肢がすべて東北で難しいですね。①と④は県が特定できないので外してしまえば良いのですが、その判断を本番で迅速に行えるのか?という疑問があります。②と③から選ぶのも難しいですね。私は最上川と言えば小学校の時に読んだ松尾芭蕉の歴史マンガを思い出します。最上川で詠む俳句の直後のコマで曾良が腹痛を起こすんですよね。

 

ここまで書いてきましたが、やはり小中学校の授業とその課題のみでこれらの問題に太刀打ちするのは難しいです。そして自分に置き換えて考えてみると、小学生期に家にあった道路地図、好きだった高校野球の高校名と地名の紐づけ、更に興味強かった天気予報が今回の入試問題に必要な知識を支えています。地図や高校野球や天気に費やした時間は我が子がYouTubeのゲーム動画やTikTokの短いダンス視聴に費やしている半分くらいだと思われます。子どもたちを見ているとこれらの動画の内容理解の臨界点を越えても延々と見続ける中毒性があります。もう味のなくなったガムをずっと噛み続けているようなものです。TikTokに関しては十数秒なので一分くらいの話やテレビにも耐えられなくなります。

 

逆の視点から見ると、今の環境であれば私は上記3つに時間を費やさなかったのは明白で、各教科の下支えをしている知識や蘊蓄や好奇心は育っていなかったでしょう。そういった意味で現代は難しい時代だと思います。そしてこういう問題を出題している高校は暗に「動画漬けではなく机上の勉強だけでなく日常生活から学べる生徒カモン!」なのでしょう。