負けたら終わりの緊張感は夏の甲子園に当然及びませんが、気候の良い中で選手のパフォーマンスを堪能するなら、センバツの準々決勝が最も適しているかもしれません。2勝した8校が一日で見られる贅沢な日、結果は以下のようになりました。
大分商2-8中京大中京
大分商のエース川瀬と中京大中京打線の対決が注目でしたが、中盤以降に中京打線が川瀬を攻略しました。前の試合の智弁和歌山戦での疲れが隠せなかったのは正直な所。上位から下位まで満遍なく中京打線はヒットを重ねました。投げては先発の松島が7イニングを好投、高橋は2イニングだけ投げて疲労がほぼない状態で次の試合を迎えられそうです。
◆中京・高橋監督の談話
松島には大会前から「どこかで先発があるよ」と伝えてあった。彼らしい気持ちの入った投球がこの舞台でできていたので褒めたい。打線も振れてきて素晴らしい相手投手に対して練習してきたことを出せた。OBは以前のユニフォームに戻っての躍進を喜んでいる。1試合でも多く戦って2年連続で愛知に優勝旗を持って帰りたい。
◆大分商・渡辺監督の談話
中京はベンチの選手も含めてレベルが高かった。川瀬はよく投げた。甲子園で成長したと思う。3試合を戦ったことを経験にしてまた夏に戻ってきたい。打撃の練習を増やさないと全国で上位に行くのは難しいと感じた。
星稜3-1鶴岡東
もう少し打ち合いになるかと予想されたが、5回まで0-0の投手戦。6回のグラウンド整備の後に星稜が集中打で3点を先制。そのまま逃げ切る展開。両チームのノーエラーの締まった試合となった。鶴岡東は前半のチャンスに2つのゲッツーが悔やまれる。
◆星稜・林監督の談話
萩原が粘り強く投げてくれた。キャッチャーの内山のリードも落ち着いた配球ができていたように思う。接戦をこの舞台で経験できたのは大きい。私も含めて過去2年の様々な経験が糧となっている。次の試合も自分たちの野球に徹したい。
◆鶴岡東・佐藤監督の談話
相手投手が素晴らしかった。狙い球をしっかり決めていこうと指示したが、なかなか上手くいかなかった。ここが夏までの課題なので練習してまた来たい。昨年夏の優勝校と準優勝校と試合ができたことは嬉しいですが、やっぱり悔しいですね。
東海大相模8-3大阪桐蔭
東海大相模が序盤に大阪桐蔭の関戸を攻略。3回の西川のスリーランが勝負を決めた。東海大相模は細かい投手リレーで大阪桐蔭打線に複数点が入るイニングを作らせなかった。勝った瞬間に門馬監督がまるで優勝したかのような笑顔で選手をたたえる。
◆東海大相模・門馬監督の談話
相手は横綱なんだから全てやってきたことを出そうといった。ミスしてもいいから攻めて攻めて攻めまくろうと。その気持ちが前半に生きたのだと思う。西川には相手は2年生なのだから、しっかり勝負に勝とうと話していた。今まで甲子園でなかなか結果が残せなかった子なので嬉しい。大阪桐蔭さんに勝ったのだから頂点を目指していく。
◆大阪桐蔭・西谷監督の談話
力負けです。気持ちの部分で押された所が反省点。でも甲子園に飢えていた子たちが3試合できたのは収穫。今までは甲子園が目標だったのが、夏は頂点を目指すように気持ちが変わるのでは。私も含めていい勉強をさせてもらいました。今日のような相手に勝てるチームでここに戻ってきます。
花咲徳栄5-7智弁学園
前半から点を取り合う展開。前の試合まで好投していた高森にやや疲れが見えた所を前川らの中軸が打ち崩した。逆に智弁学園は3人の選手の継投で逃げ切り。今大会強いと言われながらも、唯一残った近畿の高校がベスト4最後の切符を獲得。
◆智弁学園・小坂監督の談話
しんどい試合だった。花咲徳栄打線は強力なのでいつ逆転されるかとヒヤヒヤしながら見ていた。選手の方が逆に落ち着いていて成長を感じる。無駄なフォアボールやエラーもあったので、そこを修正して次の試合に臨みたい。
◆花咲徳栄・岩井監督の談話
高森は良く投げたが、ストレートが高めに行ってしまった。打撃陣にもう1本が必要だったがなかなかあと1点が取れなかった感じ。チームは大会前に色々とあって選手に迷惑をかけたがよくここまで来てくれた。夏に向けては控えの選手の奮起を期待している。
【準決勝】
中京大中京×星稜
東海大相模×智弁学園
好投手が複数いる中京と星稜。強豪相手にしっかり点を取ってきた東海大相模と智弁学園。県勢2年連続の優勝か、昨夏の雪辱を果たすか、はたまた近年に優勝経験のある2チームが頂点か。それぞれ違う地区のチームが勝ち上がり非常に盛り上がっていますね。