マッチ売りの少女
いまや心理学ブームともなり、この手の本はいっぱいありますが、童話と精神分析とミックスさせた草分け的存在です。読んでいて確かに面白いんだけど、子供の頃の夢を壊されてしまった感じ。
アンデルセンも作品を通じて自分が丸裸にされるとは夢にも思わなかったでしょう。

読んでいて戸惑ったのは、アンデルセン童話の分析とアンデルセン自身のパトグラフィーが、ごちゃ混ぜになってしまっていること。いつのまにか、童話自体の解釈が一人歩きしてしまい、違和感がありました。
第三部の「作者について」を巻頭にもって来るべきでしたね。
(オマエは編集長か!?)

編集後記

この問題につきましては、創元社版では副題が「作品と生い立ちの分析」となっていました。めでたしめでたし^^;


精神分析というものは、何にでもこじつけられるので恐ろしい。この手でいくと、何を見ても聞いても分析してしまい、心の安まる暇もなかろうと、ど素人は心配してしまうんです(笑)。私の読書感情文なども分析すると、恐ろしいことになるんでしょうね。どなたか分析してみてください(汗)。


☆☆

森 省二
アンデルセン童話の深層―作品と生いたちの分析
b-green
題名が聖書を連想させて長い間埃をかぶっていた本です。(どうも私は題名だけで判断してしまうので、けっこう損している)。いやはや、ストーリーテラーのアーチャーはさすが面白い。英国版「華麗なる一族」ですな。

始めのアベルの極貧波乱万丈物語は矛盾点も多々ありでしたが、ケインの上流階級サイドを描かせればアーチャーの真骨頂。おまけに株の投資にいたっては文章も生き生きしています。何より面白さを増しているのは、随所に実在の人物や企業が織り込まれているところ。アル・カポネまでちらっと登場するところは思わずニンマリ。

アベルの創立したホテルはマリオットホテルだと思うんですが...(???)




ここからネタバレ

この作品は、「運命の息子」と混同していて、てっきりケインとアベルが双子かと思ってしまった(^^;)。私の勘では、冒頭のアベルが妙に浮いているので、途中で構想を変えてたんだと思うな。それはそれで傑作になったけど、その後、当初の予定通り「運命の息子」を仕上げたのではないのかと疑ってます。何故なら、布石としての銀の腕輪やアベルの片方の乳首が尻切れトンボだし、ケインとアベルの誕生日が同じっていうのも不自然。(と、続編の「ロスノフスキの娘」を読んでいないので何ともいえませんが。どういうわけか、下巻だけ本棚にあるんだよね^^;)



著者: ジェフリー・アーチャー, 永井 淳
タイトル: ケインとアベル 上 新潮文庫 ア 5-3


著者: ジェフリー・アーチャー, 永井 淳
タイトル: ケインとアベル 下  新潮文庫 ア 5-4

中国版今昔物語ってところでしょうか。この手の奇談集は古今東西を問わず存在するんですね。勿論、日本の古話が、中国の真似をしたのでしょうが。いやはや、やはり中国の方が同じ荒唐無稽でもスケールがでかい!胡散臭さに中国4000年の歴史と年季を感じる(笑)。どことなく現代でも通用するような処もあって面白いです。中国人観を識るためにはいいかも。



著者: 鈴木 了三
タイトル: 中国奇談集

nyb
わはは、ミーハーですみません^^;。

ドラマを見てたら読みたくなっちゃって。(笑)

確か、当時はこの作品が大ヒットで世の中騒いでいた記憶が、朧げながら^^;。
麦藁帽子のシンボルが、当時新築だったホテル・ニューオータニだったような。ついでに見にいったような(やけに詳しい^^;)。

森村誠一はそれ以来ハマリまして、ほとんど読みましたような。ただ、流行作家の運命として、多作は、飽きる・作品が荒れる・読まなくなるという悪循環に陥るわけです。森村氏はこの作品で地歩を固めたわけですが、やはり一番の傑作ですね。所々の”偶然”が多すぎ、状況証拠もなく憶測だけで事件解決に至るけど、それも気にならない面白さ。

30年前のニューヨークを観て、彼が警告していた物質文明の歪みが、現代の日本社会に反映されている。あな怖ろしや。

最近、読書量が減ってきました。それに読む本もなんだか根気がなくて、再読が多い。疲れているのかね~。(いやいや、お歳のせいですよ)


☆☆☆☆

著者: 森村 誠一
タイトル: 人間の証明
b-green

原作を凌ぐ映画って滅多にないけれど、その通りでしたね(笑)。

映画の方はCG使用というので楽しみにしていたのに期待はずれ。

TV化は個人的に問題外。

という訳で原作も読む気がしなかったんだけど、読んでみると面白かったですな(今頃?)


伝奇小説というのは難しいもので、有り得もしない絵空事を、どう嘘臭くなく描くかにかかっているんだけれど、陰陽師は違和感なくスッと自然に入り込めました

読んでいて、自然に頭に浮かんでくる映像は、CG多用の映画などより、よっぽど面白い。


これは著者の優れた筆力に他ならないが、なんの気負いも無く、自分自身も愉しんで描いているからですよね。

著者の愛情が感じられる作品。

難を言えば、短編よりも、もう少し内容を掘り下げて描いて欲しかったな。

題材は最高にいいのですから。

あと登場人物や構成のワンパターンが気になるところ。


著者: 夢枕 獏
タイトル: 陰陽師(おんみょうじ)



著者: 夢枕 獏
タイトル: 陰陽師―飛天ノ巻