russia

アーチャー作品の主人公は大抵、容姿端麗、頭脳明晰、エリートと、まるで自己実現の権化のような人物が多い(笑)。

ま、こんな単純な理由も売れる作品の一条件なのでしょう。主人公に感情移入して、自分までエリートになった気にさせられるもんね。
勿論、内容の面白さは抜群で一気読みできました。
所々に出てくる英国人らしいウェットとユーモア。
こういう謂いまわしは英語圏特有のもので日本人には絶対真似できないな~と、うなっちまいます。

アーチャーの主人公たちに共通して流れる清潔感と英国人としてのプライド。

いい子ぶりすぎだろうが、話がうま過ぎだろうが、アメリカ人にはあまり見えてこない硬質の爽やかさが魅力です。永井淳さんの訳も読みやすい。

☆☆☆☆
著者: ジェフリー アーチャー, 永井 淳
タイトル: ロシア皇帝の密約
b-green

場末の古本屋で見~っけた!

著者は、かの有名なオウム真理教の麻原彰晃

題名に惹かれて興味本位で買ったものの、ちと待てよ、コレを読んだが為に、洗脳されてしまい私の人生が180度展開してたらどうしよう。。。と一抹の不安を覚えつつ恐る恐る読んでみた。

文章は(ゴーストライターに違いない)簡単で読みやすく、いかにも経験浅い純真な若者たちがコロッと騙されそうな本。

冷静に読んでみれば随所に怪しげな詭弁が多々あり、都合の良いところだけはいやに強調。要するに麻原お得意の張りぼて主義が見え隠れ。
ノストラダムスだの秘密の大予言だのというタイトルにするあたりに麻原の精神構造が見えてくる。

最高だったのは、

ノストラダムスの予言の封印を解けるのは わたししかいない

と確信したそうで(号泣)。

要するに恐怖の大王を自作自演して、それを救う救世主は自分だ!
という展開にしたかったのね。
現在読めば、恐怖の大王はビンラディンのことだったんだ!
やはりノストラダムスの予言は当たった!と納得するけど、
ただ今拘留中の麻原を思うと卑小で滑稽でしかない。

自分が予言するんじゃなくて、予言に合うように自分が根回しや行動をしていたわけだけど、子供じみた自己の妄想を信者たちの財産と優秀な頭脳を使って実現してしまうところがスゴイよね。

麻原くん、超能力はなかったけど、そのプロデュース能力には座布団一枚。


著者: 麻原彰晃
タイトル: ノストラダムス・秘密の大予言
ちょっと疲れたときは、こういうアンソロジーとか短編小説がよいね^^。序文で阿刀田高が「よい作品は、やっぱりタイトルもわるくない」と述べています。私はタイトルに左右されて読まない作品も多いから、タイトルってけっこう重要です。個人的には、柳田國男をモデルにした長尾誠夫の「早池峰山の異人」が好き。ただこのタイトルがね、内容は面白いのに残念。アンソロジーだからまとめて読めたけど、これだけあっても手には取らなかっただろうと。こういう作品もあるから気をつけなければね。


著者: 日本推理作家協会
タイトル: ミステリー傑作選〈29〉あの人の殺意
最近の養老先生は好きじゃないけど、要するに解剖学者として専門の立場からのご意見は説得力があってほんとに面白いんだ。というのは、そういう立場の人が一般向けに解かりやすく書いた本はあまりないから新鮮だったわけ。ところが注目を浴びちゃって、学者さんがなにやら世相を語り、時事評論家のように専門外のことを述べるからヘンなんだ。なにしろ専門分野を離れると、奇を衒うというか、言いっ放しというか、独断と偏見に満ちているというか、机上の空論というか。。。随所に見られる肩書き主義(ご本人が気づいていないエリート意識)も片腹痛い。この人から肩書きを取ったら、内容だけでこんなに本が売れるだろうか。って、

今回は褒めるつもりが、また辛口になっちまった。まあ、この本は四の五の聴かずに読んでみて。


著者: 養老 孟司
タイトル: あなたの脳にはクセがある―「都市主義」の限界
詭弁=すり替え式とはこれいかに。

古今東西の詭弁(ブラックジョーク等)も挙げながら、日常生活に潜む詭弁の実態を、詭弁を駆使して披露。詭弁=虚というイメージですが、真実を写しただけの写真にすら詭弁が介入しているという説は説得力がある。詭弁=悪なのではなく、なにが詭弁でなにが真実か見抜く目が大切なのですね~。ちょっと古い本なのでズレもありますが雑学としても一読の価値あり。阿刀田高自身の詭弁にニヤリとさせられます。


著者: 阿刀田 高
タイトル: 詭弁の話術―即応する頭の回転