日本テレビ系で昨年放送された連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが急死したことを受けある問題が浮上した。

 

ドラマ化するにあたって、原作者は漫画の内容を忠実に再現することなどを許諾条件としていたにも関わらず、制作されたドラマは原作とはかけ離れたものになっていた。

 

そこで、著作者には、著作権のみならず、著作者人格権も保障されている。

著作者人格権の1つに「同一性保持権」がある。

同一性保持権について著作権法は以下のように規定している。

 

第20条(同一性保持権)

 

1.著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。

 

まず、同一性保持権とは、著作物及び題号の同一性を保持する権利であり、著作者の意思に反して著作物及び題号の変更、切除その他の改変を受けることがないという権利である。

 

最高裁の判例において、「同一性保持権を侵害する行為とは、他人の著作物における表現形式上の本質的な特徴を維持しつつその外面的な表現形式に改変を加える行為」(最判平成10.7.17)としている。

 

そのため、テレビドラマ化するにあたっての脚本において原作者の意に反する改変がされた場合は、同一性保持権侵害となる。

 

ただし、出版社などとの契約において、著作者人格権を行使しない旨の特約(著作者人格権不行使特約)がされている場合は、原作に忠実などと主張することができない。

 

そこで、原作の内容を確実に反映させたいのなら、契約文書に著作者人格権を尊重する旨の条項を盛り込むべきである。

この点については、こちらのブログの後半部分が参考になるかと思います。

 

 

当ブログは「にほんブログ村」に参加しております。
よかったらこちらをクリック願います。
にほんブログ村 法務・知財