首都圏で相次いだ闇バイト強盗事件のうち、2024年10月に横浜市青葉区の住宅で住人が暴行され死亡した事件で、実行役が奪った現金を回収したとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受罪)及び盗品等運搬罪(刑法256条2項)に問われた者への判決公判が横浜地方裁判所であった。(横浜地裁令和8.3.16)
判決は、懲役3年の実刑などとした。
この判決で注目すべきことは、本件の故意についてである。
まず、被告人は、依頼を受けて、アミューズメント施設の敷地内の屋外にある自動販売機と貯水タンクの土台の隙間の下に置かれた現金及びネックレス在中のビニール袋を回収した上、これを一旦自宅まで運搬し、後日Gに引き渡している。
当該ビニール袋は誰でも簡単に立ち入ることができる場所に置かれており、誰かが監視していたり、鍵がかけられたりしたわけではなく、誰にいつ持ち去られてもおかしくない状況であった。
現金等の金品を屋外のどこかに置き、それを他人に取りに行かせるということ自体不自然であることに加え、その置かれた場所が上記のような状況であったことからすれば、
Gが被告人に依頼した内容は、現金等の極めて重要な物の引渡し方法としては著しく不自然なものといえる。
そうすると、現金及びネックレス在中のビニール袋の受渡しとして上記のような著しく不自然な方法がとられたのは、Gが痕跡を残さないように不正に現金等の金品を取得しようとしているからであって、
その理由として考えられるのは、当該金品が窃盗、強盗、詐欺等の不正な手段によって得られたものである可能性が高いからである。
本件依頼がこれらの犯罪に基づいて置かれたものを回収するのであることを十分に想起させるものであり、被告人自身、当該ビニール袋内に現金等の金品が入っていることを認識していたのであるから、
「被告人は自己の行為が犯罪収益等収受及び盗品等運搬にあたる可能性を認識していたことを推認させる。」として、故意を認定した。
なお、犯罪収益等収受罪を定めた組織犯罪処罰法11条と盗品等運搬罪を定めた刑法256条2項の規定は以下のとおりである。
第11条(犯罪収益等収受)
情を知って、犯罪収益等を収受した者は、7年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する。
第256条(盗品等譲受け等)
2.前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、または有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金に処する。
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