世論は誰が作るのかー注目に値する小林よしのり氏の言論活動 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

ブロゴスでよく見かけるのが小林よしのり氏の発言である。

小林よしのり氏にどの程度の世論形成力や世論への影響力があるのか分からないが、ブロゴスの人気記事の上位にランクされることが多いので、少なくともネット言論界ではネット世論に影響力がある人の一人と言っていいはずだ。

論旨が明快で、持って回ったものの言い方をされないのがいい。
とかく私たちは自分の主張を補完させる手段として判例や学説、諸外国における事例などを持ち出すが、そういうことがしばしば衒学的になり、主張自体が装飾品でゴテゴテになって分かり難くなることがあるが、小林よしのり氏の発言はいつもストレートで、結論が明快なのがいい。

時には小林よしのり氏の発言に異論を申してることがあるが、私は小林よしのり氏のような率直な物言いが好きである。
相手を理屈で説得しようとすると、それこそ百万言を費やす必要がある時もあろうが、大事なのは結論である。

多弁を弄しても、出した結論がよくなければ何の役にも立たない。

結論がいいか悪いかの判断基準をどこに置くかという問題はあるが、結論の良し悪しの判断は大体は経験則で出来る。
勿論例外はあるのだが、政治に関する事象については一般の方々の常識や経験則に基づいて直感的に判断が付くことが多い。

大体の結論を出しておいてから、その結論の妥当性をどうやって説明するか、どうやって理論づけするか、という作業をしているのが普通の法律実務家だと思っておかれればいい。
まあ、自分で一応の仮説を立てて、その仮説をどうやって論証するか、という作業を繰り返し、その繰り返し作業の到達点でようやく一つの結論を出す、といったところか。

まずは閃きが必要で、その閃きを得るためには、直感が相当働かなければならない。
いいか悪いかの判断の根幹には、直感がある、というのが私の意見である。

さしづめ橋下徹氏や小林よしのり氏は直感がよく働くのだろうと思っている。
かなり乱暴な物言いをされる時もあるが、結構いい線を行っている。

小林よしのり氏が、集団的自衛権を封じ込めると言っておられる発言をブロゴスで読んだ。
集団的自衛権論議は棚に上げて、個別的自衛権の拡大論で現下の憲法改正論議を乗り越えようというご主張である。

うん、そういう物の考え方、そういう説明の仕方もあるな、という感じである。
立憲主義的改憲を目指せ、という小林よしのり氏の主張には共感できるところが多い。

まあ、今の小林よしのり氏に立憲民主党を動かすだけの力があるか分からないが、ただただ憲法改正反対、安倍総理の下での憲法改正絶対反対を叫ばれる護憲派の方々の議論よりは説得力があるのではなかろうか。