選挙のお題目には使えるだろうが、本当にしがらみのない政治を目指すと実に無味乾燥で、どこに目鼻があるのか分からないような、何の魅力もない政治になりそうなので、私自身はしがらみのない政治を目指す、などとはまず言わない。
個人的な利権獲得を目指す政治とか、札束で顔を叩くような金権政治は御免蒙りたいので、その限りでしがらみに捉われない政治を目指す、くらいのことは言いそうだが、しがらみがない政治、一切のしがらみを排除する政治を言い過ぎると、誰からも支持を得られなくだろうから、私自身はなるべくそういう物言いはしない。
精々が、国民の国民による国民のための政治、ぐらいで、一般の国民の生活から切り離された、観念的な理想政治を目指すわけではない。
特定の企業や団体の利益を実現するために国政の現場に送り出された紐付きの政治家、鎖で縛られた特定の企業や団体の奴隷のような政治家には決してなりたくない、と思っているが、しかし一切の企業や団体とも付き合いのない、いわば宙に浮いている政治家になるつもりはまったくない。
地に足が着いていて、しかも自立している堅実な政治家が、私が描いている政治家像である。
希望の党の方々が具体的にどういう政治家像を描いておられるかは知らないが、与野党を問わず、私が存じ上げている政治家は、大体はその範疇に入っている。
皆さん、それぞれにしがらみを抱えておられるが、しかし、しがらみに縛られて雁字搦めになっているわけではない。
時によって多少不自由に感じられる場合もあるだろうが、まあ、皆さん自立されていると言っていい。
しがらみのない政治を目指す、というのは、一つの政治的なスローガンではあるが、あらゆるしがらみから自由な政治家など現実にはいないはずだ、というのが私の感想である。
念のため。