やはり、一枚上手ですね | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

官邸も自民党執行部も、実によく世間の動きを見ていると思う。

このまま行くとどうも拙いことになりそうだ、と思ったら、さっさと危なくなさそうな方向に舵を切ってしまうのだから、大したパイロットがいるものだ、と感心してしまう。
選挙に不利に働きそうな出来事が生じたらさっさとその芽を摘んでしまうのだから、今の官邸や自民党執行部の働きは見事なものだ。

この危機管理、危機対処能力の見事さは、ちょっと前例がない。
いやあ、凄い舵取りですね、と思わず声を上げてしまう。

多分菅官房長官が家事を取っているのだと思うが、どうやらTPP関連法案のこの通常国会での採決は見送ることになったようだ。
強行採決をしない、いや、採決をしない、ということにしたのだから、委員会の審議が少々空転しても何ら差し支えない、ということになる。

安倍内閣の批判に直結するようなことはすべて回避してしまおうということだから、野党がどんなに気勢を上げても暖簾に腕押し、みたいなことになる。

憲法9条の改正も無理だ、ぐらいなメッセージを菅官房長官が発信し始めている、というのは、これで憲法改正は選挙の争点から外れてくるということだ。
消費税増税の先送りもどうやら視野に入っているようだから、段々争点が惚けてくる。
何が政治の対立軸かよく分からないようにして有権者の選択に委ねようと色々な仕掛けをしているように思えてならない。

民主党政権時代はすべてが一本調子で、特に野田総理の時代はその純情さ、単純さが目立ったが、今の官邸、今の自民党執行部は実に強かである。
いやあどうしちゃたの、と驚くような変貌ぶりである。

目下、野党側は候補者一本化路線で攻勢に立とうとしているようだが、官邸や自民党執行部は必ず対抗策を講じるはずである。
危機管理、危機対処能力に優れた人たちがただ手を拱いて事態の進展を見ている、などということは、とても考えられない。

まあ、皆さんも十分ご承知のはずだが。