そう、水を掛けても火を消せそうにもない時は、さっさと閣僚を辞任するのが最善の対処策 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

甘利氏が100万円を受領しながら、その後の経理処理を命じられた事務所が何もしていなかったのだったら、これはきちんとした処理をしなかった(いや、政治資金規正法上の処理はしていたのかな?事実関係は未確認につき、要注意)事務所も甘利氏も悪い。

甘い、甘い、と書いておいたが、やはりそれまで一度も怖い思いをしたことがなかったので、すべてが甘く、事務処理も事務所に近づいてくる人たちとの関わり方も大甘だったのだろう。

TPP調印ぐらいはするのではないかと思っていたが、私が想像する以上に事態は深刻だったようだ。
まさかと思うようなことだが、脇が甘い国会議員の事務所のレベルはこんなものだ。
簡単に罠に嵌る。

会談の模様をわざわざ録音して残すような人は、何度も修羅場を経験したことのあるその道のプロとか弁護士の類で、腹に一物も二物もある人だ。
弁護士ならば基本的に相手方の了解を取るだろうが、相手の了解もなく勝手に録音する人は、自分を守るためにいざという時の証拠にするか、あるいは、相手を陥れるために罠を仕掛けるためにするのだろうと思う。
(ただし、弁護士にも色々あり、すべての弁護士が相手方の了解を取ってから録音しているわけではない、ということも念のため申し上げておく。)

何だか魑魅魍魎の世界に、純真無垢な桃太郎甘利少年が、何の警戒心もなく、何のボディーガードもないまま単身で乗り込んで単純な落とし穴に嵌ってしまったような印象である。

ああ、これはさっさと閣僚の辞任を申し出て正解だったな、と思っている。

閣僚を続けていれば、あらゆる委員会に閣僚として出席を求められ、いつまでも攻め続けられ、結局委員会の審議が停滞することは必至だった。
閣僚を辞任すれば、せいぜいが政治倫理審査会での弁明が求められる程度で、後は司法当局の捜査待ち、ということになる。

小火で消し止めた、ということには決してならないが、少々の水を掛けた程度では絶対に消えそうもない火災の場合は、燃える物を根元から断つのが一番いい方法である。

如何にも辞任はないように臭わせながら、意表を突くようなタイミングで閣僚辞任に踏み切る、というのは、官邸の危機管理が如何に巧みか、という証拠でもある。

こういう時にどう対処するのがいいだろうか、ということを念頭に置いてメルマガを発行している私の目から見ても、今日の甘利氏の対応は、甘利氏が置かれている厳しい状況から見てまず最高の対処だったと思っている。