本当に翁長沖縄県知事がオール沖縄の代表だったら、宜野湾市長選挙に翁長氏らが担ぎ出した候補が当選したはずである。
オール沖縄と言っていたのは実は間違いで、翁長氏らはオール沖縄を僭称していただけだった、と見るべきだろう。
宜野湾市長選挙に現職の市長が当選したのは、まず順当な結果だろうと思っている。
普天間基地の移設を悲願としている宜野湾の方々が、いくら翁長知事が支持していると言っても、現職の市長を引き摺り下ろしてまで、普天間基地の移転の妨げになってしまいかねない新人候補者に雪崩れ込むなどということは考え難かった。
自民党は宜野湾市長選の結果を見て、これで辺野古基地の建設に弾みが付く、と小躍りしている節があるが、まあ、それほど浮かれるような話ではないだろう、というのが私の率直な感想である。
普天間基地が目の前にある宜野湾市の市長選挙だからこうなっただけのことで、だからと言って自民党がオール沖縄に勝利した、とか、沖縄県の人たちが辺野古基地建設の賛成に転じた、とまでは言えない。
混乱が拡大しなくてよかったですね、ぐらいのことは言えても、バンザイ、バンザイとはしゃぐまでのことはない。
まだ何とも言えませんね、というところか。
もっとも、一つだけ確かなことがある。
オール沖縄、などと軽々に言わない方がいい、ということだ。
沖縄の人たちの思いは、複雑だ。
とても、翁長氏らのように、これが沖縄県民の意思だ、沖縄県民の思いは一つだ、私がすべての沖縄県民の心を代弁している、などと見得を切らない方がいい。
複雑なものは複雑なままにそっくり呑み込む、ぐらいのことをした方がいいだろう。
宜野湾市長選挙で何かが変わった、というものでもない。
むしろ、変わらなかった、というところに今回の選挙の意味がある。