「第三者委員会報告書格付け委員会」の法的位置付け | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

こんなことをされたのでは当事者としては迷惑だろうなあ、と思わないでもないが、既にマスコミから認知され市民権を獲得してしまっているから、批判された方々は黙っているしかないだろう。

第三者委員会報告書格付け委員会なる団体から不合格の烙印を押された、というニュースが新聞各紙を飾っている。

問題のある報告書だなあ、とは思っていたが、私がそう思った程度では何のインパクトもない。
しかし、第三者員会報告書格付け委員会がそう判定したということになると、早速こんな風にメディアが大きく取り上げる。

これが発信力の差というもので、格付け委員会なる名称を考え出した人の知恵者ぶりには感心する。
私たち凡人には、これが出来ない。
「第三者委員会報告書格付け委員会」と名乗っているからどこか公的な機関の委員会かと思ってしまうが、実際はこの種の業務を得意としている弁護士の方々と大学の先生方の私的なグループが格付け委員会を名乗っておられるようである。

時流に乗った、実に画期的な活動だと言っていい。
さすがだなあ、と思うが、しかし、これが行き過ぎると実は危ないこともある。
勿論、万事承知のうえで始められた事業だと思うが、弁護士は濫りに他の弁護士の業務遂行について口を挟んだり、当事者からの依頼がないのに不当に介入しようとしてはならない、というルールがあるから、批判的な意見を述べるにしても自ずから節度が求められる。

結論としては多分私も同じような結論を出すだろうと思って入るが、これを「第三者員会報告書の格付け」だとして世間に公表するかどうか、ということになると、さすがに躊躇する。

まあ、言ったもの勝ち、名乗ったもの勝ちの世界だとは思うが、「格付け委員会」という名称から公的機関がそう判定した、などと軽信されない方がいいだろう。

以下、引用:朝日新聞デジタルより抜粋

「東芝の不正会計問題を調べた第三者委員会の報告書について、弁護士や大学教授らのグループが26日、格付けした結果を発表した。メンバー8人の大半が、東芝に頼まれた内容しか調べなかった調査範囲の狭さを問題視。3人が報告書として「不合格」とした。
格付けをしたのは「第三者委員会報告書格付け委員会」。7月に東芝の第三者委が出した報告書を5段階(A~D、Fは不合格)で評価し、4人がC、1人がD、3人がFをつけた。久保利氏は、東京都内で開いた記者会見で「調査期間が不十分で、調査対象も物足りない。非常に問題点が多い報告書」と語った。」