台湾有事の際には、まず日本は動けない | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

台湾有事に備えよ、と言う人がいるが、中国と台湾の間に軍事衝突が起きてしまったら、日本が出来ることは在外邦人の救出ぐらいで、まず何も出来ない。

アメリカから要請されても何も出来ない。
台湾から要請されても何も出来ない。

なにしろ、日本が国として認めて外交関係があるのは中国だから、いくら親近感があると言っても日本が台湾側に立って動くことは出来ない。

台湾有事の際は、中国と台湾の双方の了解を得ながら台湾在住の邦人の救出・保護を図るしかない、と言わざるを得ないだろう。
世界の警察官の役割の肩代わりをアメリカから求められても、日本が出来ることは僅かである。
東アジアのシーレーン防衛などの役割を期待されても、中国と対峙するような態様での対応は現実には不可能である。

まあ、出来ないことは出来ない、と予めはっきり言っておいた方がいいだろう。
憲法9条は、そのための歯止めの役割を果たしてきた。

解釈改憲で集団的自衛権行使への道を開こうとしている安倍内閣は、世界に誤ったメッセージを送ってしまう可能性がありそうだ。
出来もしないのに思いっ切り腹を膨らませようとすると、日本は蛙のようになってしまう。

どこまで出来て、どこから出来ないのかを国会の質疑で明らかにしておいた方がよさそうだ。
ちなみに、私は、ホルムズ海峡での掃海作業は出来ない、とすることに賛成である。