これはちょっと護り切れそうにない | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

別に法には抵触していないようだから、刑事責任が追及されるようなことにはならないのだと思うが、西川農水大臣は結構苦しそうだ。

予算が成立し、TPP問題が片付いたあたりで農水大臣を辞任することになってしまうかも知れない。
利害が錯綜し、普通の議員ではとても解決が難しいだろうと思われるような問題をなんとか決着に持って行ける、自民党内では数少ない剛腕の国会議員である。

傍にいてその手腕の見事さをこの目で見てきた。
その駆け引きも見事だし、押しの強さも天下一品である。
この人に任せておいたら必ず結論は出る、と思わせるだけの力がある。
小泉総理も郵政民営化の時には西川氏の手腕に期待していたが、安倍総理も菅官房長官も農協改革やTPP問題で西川氏を頼りにしていたと思う。

TPP問題で自民党の中が揉め出したときに、ああ、これは西川氏に出てもらうしかないだろうと思ってきた。
農政族の議論を纏めるためには、どうしても自民党は西川氏を必要としていた。

しかし、農業団体からも頼りにされていた西川氏も、政治資金のことが取り上げられると途端に弱くなる。

政治資金パーティにしろ政治献金にしろ、どうやっても西川氏は農業団体を当てにせざるを得ない。
法律的には問題がないという結論になるようだが、農水大臣は自分の所管する団体からは一切政治献金を受け取ってはならず、政治資金パーティへの参加も求めることが出来ない、となったら西川氏は農水大臣を引き受けてはならない、ということになる。

共産党が西川氏の政治資金追及の先頭に立つようだが、民主党やその他の政党がこれに同調するようだと、いずれは西川氏は農水大臣を辞めざるを得なくなるだろう。
真面目に自分の職責を果たしているからいいじゃないか、と言っても、外形的には利害関係のある団体から政治献金を受けている形にはなるから、どうも世論を納得させることは難しそうだ。

よく仕事が出来る人だが、護り切るのは難しそうだな、と思っていることをとりあえずお伝えしておく。